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星野源 最新セットリストの絶望と救済

「ばかのうた」から「POP VIRUS」まで

2019年2月27日の東京ドームのライブは、星野源の音楽の歴史が凝縮されていました。彼の歌詞に頻出する絶望とその救済を中心として、星野源初心者向けにまとめました。今回のライブの復習と次回の予習にお役立てください。

1. 歌を歌うときは(シングル『くだらないの中に』)
初期の作品で、ライブの1曲目の定番。シンプルな歌詞の中に、感情と行動の距離がはらむ矛盾が凝縮されている。伝わらないかもしれないけれど、真面目に表現していこうという覚悟。

2. Pop Virus(アルバム『POP VIRUS』、以下『PV』)
しんみりする間もなく、いきなり星野源最新型にワープ!
あの頃も現在も、音楽を愛する気持ちに変わりはないし、これからもずっとそうだよ、というメッセージ。
「始まりは 炎や
 棒きれではなく 音楽だった」
という歌詞は、まさにその通りとばかりに皆踊りだす演出。

3. 地獄でなぜ悪い(アルバム『YELLOW DANCER』、以下『YD』)
「無駄だ ここは元から楽しい地獄だ
 生まれ落ちた時から 出口はないんだ」
彼のテーマはいつもこの地平から立ち昇ってきたものだよなと、いつ聴いても胸のすくような絶望。地獄から“仮出所”中の貴重な作品。

4. Get a Feel(アルバム『PV』)
彼が提唱するYellow Musicというジャンルにおける極北の佳曲。ブラックミュージックのリズムやフレーズの中に、歌謡曲のエッセンスを詰め込みながらも、あくまでもわかりやすく軽快な進行。
「心揺らせ 16に乗って
 手を叩け 裏側で」
この曲を聴きながら揺れていたら、自然と裏側で叩いちゃうよね、というしかけ。底抜けに明るいけれど、どんなときでも「何かが居る」という一抹のグレーが繰り返される。

5. 桜の森(アルバム『YD』)
仮題は「ソウルさん」、リズムはまさにそれ。ラジオのキャンペーン曲としてヘビロテでオンエアされた。ミュージシャン星野源から生きる楽しさがあふれて作られた曲。桜の森の下にあるものといえば…そうアレですよね。両A面シングルの「Crazy Crazy」(ほぼ本人による編集のMV)も要チェック。

6. 肌
7. Pair Dancer
8. Present
9. サピエンス
以上アルバム『PV』から。最新型の様々なバラエティー。聴きごたえバツグン。

10. ドラえもん(シングル『ドラえもん』)
映画館の音響で聴いた方も多いことでしょう。子どもたちも大感激。
「背中越しの過去と
 輝く未来を
 赤い血の流れる
 今で繋ごう
 僕ら繋ごう」
彼にとって血というのは、生きることのモチーフ。過去から続く如何ともし難い運命を運びながらも、現在の熱を持ったまま、未来へと流れていく。

11. ばらばら(アルバム『ばかのうた』)
この歌をほめてもらって音楽をやっていてよかったと語る、彼の音楽の原風景。
「ぼくらは ひとつになれない
 そのまま どこかにいこう」
人と人の間にはどうしても埋められない距離があるけれど、それを認めつつも進んでいこうよ、という控えめで誠実な応援歌。
このころの星野源の詞はフォークっぽい。それもまた確実にYellow Musicのルーツ。

12. KIDS(アルバム『PV』)
そういえばシングルに毎回入っている宅録(House ver.)の機材がよくなってきたよなぁと思った一曲。この間奏も相当歌謡曲とかフォーク的。

13. プリン(シングル『Family Song』)
音源未聴の方、必聴です。あふれる臨場感、何とも言えない絶妙な間、シングル付属DVDのメイキング映像、そして偶然近くにいた人々とは一体。タイトルの「プリン」は故プリンスに由来。

14. くせのうた(アルバム『ばかのうた』、シングル『くだらないの中に』)
「君の癖を知りたいが ひかれそうで悩むのだ」
等身大の言葉にしんみり。これ目の前で弾き語りされちゃったら最高ですよねぇ。

15. 化物(アルバム『Stranger』)
アルバムの一曲目。前期星野源を象徴する名曲。アルバムのみの収録にもかかわらず、好きな曲ランキングでも上位。
「何気ない日々は何気ないまま
 ゆっくり僕らを殺す
 そしてまた変わらず何も起こらず
 一人お辞儀で帰る

 それでも始まる逆襲の予感」
日常がいつしかはらむ狂気を鮮やかに歌うなり、彼は突然見知らぬ世界へと突き落とされてしまったという、恐るべき歌詞の予言率!

16. 恋(『PV』、シングル『恋』)
言わずと知れた、平成最大の国民的大ヒット曲!
(ちなみに私は恋ダンスを踊れません…毎回なんとなーくまねしてますが、全然大丈夫ですよ。)

17. SUN(アルバム『YD』)
マイケル・ジャクソンをモチーフにした曲。まばゆいきらめきと対称的な孤独。
「祈り届くなら
 安らかな場所にいてよ
 僕たちはいつか終わるから
 踊るいま

 いま」
まさにそのとおりだなぁと。光あってこその影。願わくば、安らかな場所であれ。

18. アイデア(アルバム『PV』)
聴き慣れた前半に続く、後半を初めて聴いた時の驚き。まさかの怒涛の展開。彼のこれまでとこれからをうまくまとめてつないだ、マイクロオペラ的な作品だなぁと納得。星野源の中の種々多様な要素は、一つの「物語」として存在しているのかもしれない。

19. Week End(アルバム『YD』)
ライブで聴くこのホーンセクションは最高。「今を踊る」が「今を生きる」にスライドしていく歌詞も見事。今を生きるとは、全身で喜びを感じて表すこと。

20. Family Song(アルバム『PV』)
おげんさんはもはや社会現象。性別を始め様々な属性をしなやかに越えていくさま。

アンコール
21. 君は薔薇より美しい(オリジナルは布施明)
アンコールになると必ず訪れていたニセ明氏。なんと今回初めて、星野源と同じステージに並ぶという衝撃的な瞬間が訪れた。これは非常に象徴的な出来事。今まで自分一人が責任を持ってエンターテイメントを提供してきたけれど、これからは信頼できる仲間と一緒に創りあげていくので、そこに観客のみなさんも加わってください、というような双方向性。ニセ明と星野源の関係性や距離を決めていくのはそれぞれの気持ち一つなんだよ、という高らかな委託宣言。これによって星野源は各個人において無限の属性を持つ存在へと昇華されました(たぶん…)。

22. 時よ(アルバム『YD』)
「時よ 今を乗せて
 続くよ 訳もなく」
東京ドームで東京モチーフのフレーズを聴ける喜び。アナログシンセの鈍いノイズ。
「時よ いつか降りる
 その時には
 バイバイ」
で力いっぱい手を振りました!

23, Hello Song(アルバム『PV』)
「うずくまる事ばかりだけど
 少しでも多く
 僕らは今を作ろう

 いつかあなたに いつかあなたに
 出会う未来 Hello Hello
 笑顔で会いましょう」
最後は必ず、未来へとつながっていく曲でお別れ。

ありがとう星野源!
あなたがいる今は、かけがえのない瞬間でいっぱいです。

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