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POP VIRUS PANDEMIC

星野源が作り出したウイルスは罪深かった

正直許せない。こんなにも強いウイルスを日本中、いや。世界中に撒き散らした星野源のことがわたしは許せない。

昨年12月に発売されたアルバム「POP VIRUS」を引っさげて自身初の五大ドームツアー。開催が決まった時、わたしは今までドームという場所で行われるライブに行ったことが無かったのでただただあんな大きな場所でライブを行うのか…きっと遠くて見えないんだろうな…。かと言って大好きな星野さんのライブなのにじゃあ行かないなんて選択は嫌だし…その場の雰囲気を味わいに行くか…。そのくらいの気持ちでチケットの抽選に申し込んだ。申し込んだ大阪2days、そして福岡すべてに有難く行けることとなりツアー日程の中では初日と最終日に行けることに自然と心は躍った。

あっという間にライブ当日を迎えた。わたしは普段星野さんのライブに行く時、先にライブに行った人のレポやセトリを見て心の準備をして行くことがほとんどだった。だけど今回はそれが叶わない。ツアーが今日から始まるのだから星野源が何を歌い、何をするのか誰も知る由もない。わたしは会場に入るとともにだんだんと早く大きくなる鼓動の音に体中が火照った。思わず自分の鼓動と「POP VIRUS」のジャケットにモチーフされた心臓が脳裏で重なった。そうか、これもウイルスの症状なのかと。しかもその症状は初日に限らなかった。2日目の時も、最終日の時も、同じように自分の鼓動の音が体中に響いたのだ。症状は深刻である。

わたしが初めて行った星野源のライブはYELLOW VOYAGEだった。その時の一曲目は「地獄でなぜ悪い」。袖から走ってステージへ来て屈託のない笑顔で「こんばんはー!星野源でーす!」と言う姿が未だに鮮烈に記憶されている。そしてContinues。一曲目は舞台下からマリンバとともにせり上がってきての「Firecracker」。これもやはり笑顔で楽しそうにマリンバを演奏する姿に感激したのがついこの間のように感じる。さあ、今回のPOP VIRUS。アルバムのどの曲からスタートだろう。ドキドキしていると会場が暗転し、歓声が沸き起こる。ステージ一点を見ているうちに…あれ?ステージとセカンドステージとの間にある小さなスペースにアコギを持った星野さんの姿。なるほど、一曲目はPop Virusだな。そう思った数秒後にわたしの推理が思いがけない曲で覆された。

歌を歌うときは 背筋を伸ばすのよ
人を殴るときは 素手で殴るのよ
さよならするときは 目を見て言うのよ
好きだと言うときは 笑顔で言うのよ

なんてことだ。上記の通りわたしが初めて行ったライブはYELLOW VOYAGE。この曲がライブで歌われたことはここ数年一度も無かった。まさか大好きな「歌を歌うときは」を生で聴く事が出来るなんてわたしの予定に1mmも無かった。やられた、涙が止まらなかった。何万人もの前でこれを一曲目に持ってくるなんて。初日は勿論だが、セトリがわかってからもやっぱりダメだった。全部ど頭から泣いてしまうツアーとなった。

ライブは進みアルバム曲から定番の曲、セカンドステージや客席の中での演奏も交え本当にわたしの脳内にある言葉では表せないくらいに楽しく最高な時間が過ぎていった。特にセカンドステージでの時間は家のリビングで談笑してるような空気感でとても和やかで、星野さん自身バンドメンバーへ喋りを託しドリンクを飲み鼻をかみ喉スプレーをしとうとう横になる自由っぷり。ほんとにドームでの光景が疑うレベルだが、わたし以外にもその光景を見た証言者が何万人といるので恐らくわたしの夢ではないと信じたい。

アンコールでは思いがけぬニセ明ドッキリに度肝を抜かれ星野さんのイタズラ心に悔しさを覚えつつも彼を憎めない感情にドギマギし、星野源×ニセ明で「時よ」のダンスが観れたのは奇跡的な瞬間に立ち会っている感覚に陥った。そのアンコールの中で、最終日の福岡では喉が切れそうなくらいに力を込めた声で「クソみたいな毎日だけどまた笑顔で会いましょう!!!」と言ってくれた。星野さんの好きなところは沢山あるけれど、人間は誰しもネガティブな感情であったり醜いところがあり自分も潔白な聖人ではないんだという人間くさいところを包み隠さずさらけ出してくれるところがとてつもなく愛おしく感じ親近感を覚えとても大好きだ。今回のツアーグッズのタオルの色は赤と青。会場を見渡した時にその2色で埋め尽くされているのを見て、わたしは某国民的アニメに出てくる赤と青のハートを持ったキャラクターを思い出した。100点満点の正義や正論で塗り固められたロボット人間はきっといないし、周りの人の支えだったり何か大切な存在だったりがそれを乗り越えさせてくれることを改めて星野さんのお陰で感じることが出来たように感じる。

そんなツアーのラストの曲は「Hello Song」。星野さんに比べればちっぽけな存在ではあるけれど、わたしも同じ時代を今生きているひとりの人間である。「笑顔で会いましょう」と会場ひとりひとりに贈るように歌う星野さんの姿を観て、また必ず星野さんに会うことを心の中で固く誓い仕事や育児など日々の暮らしを喜怒哀楽いろんな感情を持ちながらわたしなりに未来に繋げて行けるようにうまい言葉が見つからないが前を向いて頑張って過ごそうと思った。

冒頭でわたしはドームに対してやるせない感情を抱いていた事に触れた。3公演参加して答えが出た。星野源は今も昔も、ホールでもドームでも、星野源だった。雰囲気だけなんてとんでもない、本当に星野さんが約3時間ずーっと寄り添っていてくれた。大袈裟な話ではなく会場中の全員の隣に星野源がいたのだ。こう感じている同志が何人いるだろう。全員POP VIRUSに感染した中毒者なはずだ。このウイルスに勝つ薬は医療の進歩がいくら凄くとも開発されることは無いだろう。

共にツアーをこなしてきたバンドメンバー、縁の下の力持ちで支えてくれているスタッフ、会場に足を運んできているお客さん、その場にいられなくとも各地で応援をしてくれているファン…全てに感謝を忘れず大きな声で「ありがとう!」と繰り返す星野さんの姿は本当に素敵で、彼のファンで良かったと誇りに思えた。

改めて言う、正直許せない。こんなにも強い最高なウイルスを世界中に撒き散らした星野源のことが好きすぎるが故にわたしは彼を許せない。最高の時間をありがとう。いつかまたどこかで、笑顔で会いましょう。

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