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ASIAN KUNG-FU GENERATIONとの邂逅

ぎりぎり10代の主観とアジカン

「助走もつけずに思い切って飛び乗る 蹴り出す速度で 何処までも行けるよ きっと…」

このフレーズを聞いたときは本当に痺れた。アジカンの楽曲、「或る街の群青」の一節である。 

映画「鉄コン筋クリート」の主題歌であり、作品の世界観とアジカンの作り出すどこかノスタルジックなサウンドが融合した曲である。とにかく曲全体を通しての完成度が高い。秀逸なイントロ、一番終わってからのギターソロ、ラスサビへと続く三拍子、そしてなにより曲の名前がかっこいい。「或る街の群青」このタイトルは思わず再生したくなってしまう。(個人的な意見だが)

ソルファが発売された当時僕はまだ小学校入学前であり、去年の八月にこの曲に出会いアジカンにハマった僕は、ファンとしてはかなり新参者である。しかし、それまで全くアジカンというバンドを知らなかったわけではなく、代表曲であるリライトやソラニンは何度も聞いていた。ただ、「BUMPといえば天体観測」とか、「RADといえば前前前世」という風潮みたいに「アジカンといえばリライト」であり、それ以上でもそれ以下でもなく、バンド自体を追求するまでには至らなかった。

だが彼らの楽曲を聞き始めてそのスタイルに度肝を抜かれた。碌に音楽を聴いていなかった僕にとってそれはあまりにも新鮮だった。

アジカンのスタイルとしてよくある楽曲のパターンが
  イントロ→Aメロ→間奏→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→ラスサビ
というような形である。上記した「或る街の群青」もこのパターンであり、「ループ&ループ」「バタフライ」「ワールドアパート」など多少の差異はあれど大まかな構造はこのパターンに当てはまる曲が多い。簡単に言えば、明確に二番だと言い切れる箇所が存在していないのである。今まで一番→サビ→二番→サビ→Cメロ→サビというパターンが音楽だと思い込んでいた僕には衝撃的だった。また、Aメロを二回挟んでくるのもまるで最初のAメロが前置き、いわゆるプロローグの部分のようで曲全体の雰囲気を前もって知らせる役割を担っている。こう考えると曲全体が一つの物語みたいで聴いていて非常に楽しい。他方「リライト」はこのパターンには当てはまらずまさに楽曲の王道パターンを突き進んだ曲だと思う。アニメのタイアップでキャッチーな曲が求められているからだろう。「リライト」ではハマらなかった僕が「或る街の群青」でハマったのはこのような理由である。

この、曲の形にはまらないスタイルは僕にとってドンピシャだった。「十二進法の夕景」なんてぶっ飛びすぎている。

まあファンになって半年ごときの人間の勝手な解釈なのでアジカンの本当の魅力はまだわかっていないのかもしれないし、正しいことを言っている自信もない。だがGotch本人がブログで、「歌詞や歌は読み手に委ねられた表現物」と表していたように音楽は自分の主観が入りこみ、それを自分なりのオリジナルとして解釈することで本物の音楽になるのではないかと思う。だからこそ音楽は素晴らしい。

僕は今年で20を迎えるが、とにかく10代のうちにアジカンの素晴らしさに気づけて良かったと我ながら自分を褒めたたえている。アジカンの辿ってきた歴史よりも短いこの人生の中で何か得たものがあったかと聞かれれば、まだ何も得ていないし、将来には不安しかない。だがこんな文章を書こうと思えるほど自分を動かしたアジカンとの出会いはやはり自分の人生のターニングポイントであると信じたい。
 

「助走もつけずに思い切って飛び乗る 蹴り出す速度で 何処までも行けるよ きっと…」

今一度この歌詞を胸に刻み、忘れることなく人生を歩んでいこうと思う。
 
 
 
 
 

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