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自分自身のこと 誤魔化しちゃいけないんだ

SUPER BEAVERに人生を変えられてしまった

SUPER BEAVERに出会って人生が変わった。
2年前のJAPAN JAMだった。初期衝動は美しい、人間であることは美しい、と美しい夕暮れに照らされたステージで歌うSUPER BEAVERに一目惚れ。
フェスは音楽のるつぼみたいな空間だ。沢山の人がいる中で僕はSUPER BEAVERと1vs1になったように感じた。ボーカルの渋谷龍太がオーディエンスに投げかける人差し指が、まっすぐ自分に向けられているような気がした。
初めて出会ったとは思えないほど安心感があって、高揚感。思い出しただけでも熱い気持ちになれる圧倒的なライブだった。

僕は安定した仕事についていた。いわゆる大企業で、給与はしっかり貰えてたし、福利厚生もかなり手厚かったし、公休も有給もキチンと整えられた会社だった。安定した会社だったけれど、やりがいだけは上手く見つけられなかった。
それでも休みになったらこうしてライブを見れるから何の問題もない。休日は趣味に費やした。旅行やライブも好きだったけれど、本を読んだり文章を書いたりすることが凄く好きになっていた。寝る間を惜しんで活字にのめり込んだ。寝不足になりながら働いて稼いだお金で、SUPER BEAVERのCDを買った。

〈燃やす情熱に 価値をつけられるのは あなただけ〉
“ファンファーレ”のメロディを聴くとその疾走感からか、脳裏には駆け抜ける馬が思い浮かぶ。遠目では爽やかそうに見えても4本の足は砂を飛ばしながらバタバタと絶えず地面を蹴り続ける。走ることは楽ではない。けれど走るのが楽しいと思えるなら、それだけで立派な理由になりえるんだと”ファンファーレ”を聴いて痛感した。
〈あっという間に終わってしまうよ 笑いたいように 笑っていないと〉
“閃光”の3分間が人生で一番好きな3分間かもしれない。たった3分で、ただ聴くだけで、勇気をもらえる。人生は短い、そんなこと分かっていても、むしろ分かっているからこそ、臆病になってしまう。線香花火を落としたくないばっかりに、じっとして息まで止めてしまう。動かなければ災いはないからだ。”閃光”は変化を恐れて手を出さない臆病な心を打ち砕いてくれる大切な曲だった。
目の前に敷かれたレールをはみ出す勇気もなかった。なかったはずだった。
大好きなアーティストが、心のドアを叩き続けてる。僕はそのドアの中に閉じこもって、どこにしまったか忘れてしまった本音を探した。SUPER BEAVERを体験して、こんな曲を歌われ続けて、立ち止まっていられるわけがない。こんな曲を聴き続けて、自分に嘘がつけるわけがない。本音が見つからないわけがなかった。

僕は彼らに出会って約4年務めた職場を辞め、趣味だった文章を使える仕事に転職した。
給与は下がった。通勤も前職の倍以上の時間が掛かる。どんな切り取り方をしても前職より待遇は落ちる。唯一、誇れるのは自分が本当にやってみたい仕事にチャレンジしたことだ。
「もったいない」と言葉で言われて、「馬鹿な選択だ」と無言で言われた。それでも反骨心はあっても後悔はない。僕はSUPER BEAVERを知ってしまった。大好きなアーティストにも、大切な人にも、自分にも、嘘をつきたくなかった。SUPER BEAVERに出会って、昔よりも勇気を持てるようになった。

晴れた空や緑の匂いといった爽やかな空気を感じると脳内で”予感”のイントロが鳴り響く。
“予感”はなんて明るくて強い曲なんだろう。
この曲を聴くと(この曲だけではないけれど)なぜか泣きたくなってしまうのは、現状がどうであれ、明るい未来が待っているように思えてくるからだ。眩しい未来が何もない僕にだって待っているような気がしてくる。気がする、思う、感じるだけで確信なんてどこにもない。そうだとしても目に見える安定よりも不確かなで実態のない予感を信じて歩んでいたい。”予感”を聴いていると前向きな気持ちになれる。
SUPER BEAVERは背中を押すというよりも、手を引いてくれるアーティストだ。
手を引く人は前に立って、手を引っ張った人の指針のような役割を担ってくれる。一人きりでは踏み出せなかった一歩目を、共に踏み出してくれる。何が起きても運命なんかじゃないし、自分の人生を他人任せにせず、自分任せで進んでいく大切さを、先頭に立って見せてくれる。
その姿勢がカッコよかった。SUPER BEAVERを大好きになった。

新しい職場までの長い通勤時間、”秘密”を良く聴く。歌詞には載ってない〈ららら〉の部分を心の中で歌う。それだけでも勇気が湧いてくるのは、SUPER BEAVERの力強いライブを思い出すからだろう。
あの合唱は音楽、そして彼らの力だと思う。こんなことを言うとSUPER BEAVERは「それは声をあげた貴方の力だ」と言うかもしれない。
けれど、こんな文章を書けたのは間違いなく彼らのおかげだ。その場かぎりの関係では終わらないから変われた。永い付き合いをこれからも続けていきたい。僕の秘密はSUPER BEAVERが叶えてくれた。

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