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ネオブラック系J-POP論

『Mステ』初登場のNulbarich!「Kiss You Back」の浸透力に期待

J-POP内でジャンルを大まかに分けると、アイドル、演歌、ニューミュージック、ロックになるだろう。米津玄師のブレイクを踏まえると、ボーカロイドがさらに新たなジャンルとして確立されたと考えることもできる。アニメソングもひとつのムーブメントかもしれない。そんなJ-POP内のロック、すなわち邦楽ロックのなかで、今熱いのがブラックミュージックだ。

個人的に、アニメ『BANANA FISH』を見て、エンディング曲の「Prayer X」を聴き、King Gnuのシンパになった。ネット上で情報を漁ると、King Gnuの古参ファンにはSuchmos好きが多いことがわかった。たしかに両バンドともブラックミュージックに影響を受けている。

一般的に、ブラックミュージックのなかでもジャズは洗練された印象。ゴスペルやソウル、ファンク、ブルース、R&Bは泥臭く、ヒップホップだとアグレッシブなイメージがある。そのブレンド具合はそれぞれ異なるが、邦楽ロックのなかでも、ブラックミュージックがルーツというバンドやアーティストが新たなブームになっている。ぴったりな呼び方があればご教示いただきたいが、仮にこれを「ネオブラック系J-POP」と名づけよう。

この「ネオブラック系J-POP」は基本的におしゃれな音楽性ゆえ、ファンの年齢層が若者から大人までと幅広い。時間的、経済的に融通の利く大人が応援することで、Suchmosは紅白出場にまで至ったとも考えられる。Suchmosを人気バンドへと押し上げたファンがKing Gnuも支えているという現象は、実際にKing Gnuのライブで目の当たりにした。

もちろんブラックミュージックとJ-POPの融合は今に始まったことではない。久保田利伸、ウルフルズ、ゴスペラーズ、スガ シカオ、三浦大知、MISIA、宇多田ヒカル、JUJUなどの成功例もある。ピチカート・ファイヴや小沢健二といった90年代の渋谷系もグルーヴィーだった。ヒップホップに関しては日本独自の進化を遂げている。

今をときめく星野源、浜野謙太を中心とする在日ファンク、椎名林檎が率いた東京事変、ペトロールズ、大橋トリオも音楽的なルーツはブラックミュージック。山下洋輔、大友良英、菊地成孔などジャズの系譜もある。数え始めると切りがない。むしろ「ブラックミュージックに影響を受けていないミュージシャンは存在するのか?」という話にもなる。

そんななか10年代の終わり、まもなく20年代という今になって、改めて「ネオブラック系J-POP」と称したいのはSuchmosやKing Gnu、そしてNulbarichだ。人によっては必ずしも3バンドすべてが好みとは限らない。しかしSuchmosのブレイクに貢献したファンに遭遇すると、まさに今「ネオブラック系J-POP」と呼びたくなるブームが沸き起こっていることがわかる。その筆頭がSuchmos、続くのがNulbarich、King Gnuは一気に火がついたといえるだろう。

さらにAwesome City Club(オーサムシティークラブ)、SANABAGUN.(サナバガン)、Attractions(アトラクションズ)、NEIGHBORS COMPLAIN(ネイバーズコンプレイン)などが後を追う。WONK(ウォンク)、iri(イリ)、SIRUP (シラップ)、向井太一、Ovall(オーバル)、TENDRE(テンダー)、BRADIO(ブラディオ)なども熱い。個人的にはiriが女子高生のカリスマになりそうと予想していたが、タイミング的にはニューミュージック系のあいみょんに先を越された印象だ。

それぞれのバンドやアーティストのファンで、何となくブラックテイストな曲が増えたと感じていた人も多いだろう。そこで、わざわざ「ネオブラック系J-POP」と名づけることによって、このシーン全体がさらに大きくなるのでは?と考えている。Suchmosは仕上がった。King Gnuも波に乗っている。次はNulbarich!
 

そんな流れを象徴するかのように3月29日、Nulbarichが『ミュージックステーション』に初登場する。しかも3時間スペシャルだ。司会のタモリは学生時代トランペット奏者で、ジャズに造詣が深い。つまり「ネオブラック系J-POP」と相性が良いことになる。このシーンのさらなる発展を期待しつつ、予習しておこう。

Nulbarich(ナルバリッチ) は覆面バンドとしてスタート。ナルバリくんというキャラクターの印象が強いが、中心人物JQはASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文、THE CHARM PARK(ザ・チャーム・パーク)のCharm(チャーム)と顔が激似と話題になっている。

『Mステ』で披露される「Kiss You Back」は資生堂アネッサのCMソング。2月6日にリリースされた3枚目のアルバム『Blank Envelope』収録曲だ。ドラマ主題歌「Sweet and Sour」ではないところが謎といえば謎。キッズダンサーTAKERUとのコラボという演出が関係あるのだろうか。ちなみにTAKERUはNulbarich2枚目のアルバム『H.O.T』収録曲「ain’t on the map yet」のMVにも出演している。

バンドメンバーはJQを含めて5人編成なのか、それ以上なのかも注目したい。ゴールデンタイムのお茶の間で、Nulbarichの全貌が明らかになるという現実。仮称「ネオブラック系J-POP」のうねりがどこまで高まるのか、期待したい。このムーブメントの呼び名についてもアイデアを出し合って盛り上げていただきたい。

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