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彼女たちが見せる夢の続き

Dizzy Sunfist「One-Man,BARI,Ya-Man」の覚悟と多幸感

3月16日、土曜日。新木場Studio Coastで開催されたDizzy Sunfistのワンマンライブ「One-Man,BARI,Ya-Man」を観に行った。

3月9日に大阪なんばHatchで開催された自身初のワンマンライブを大成功させ、満を持しての東京。私を含め、新木場に集まった大勢のファンも、開場前から期待に胸躍らせている。

Dizzy Sunfistは、2009年に大阪で結成された3人組バンド。
学生時代からの友人同士だったあやぺた(Vo.Gt)といやま(Ba.Cho)、唯一の男性メンバーであるmoAi(Dr.Cho)というメンバーだ。
2017年には、日本メロコア界のトップランナーであるHi-STANDARDとの対バンを経験し、2018年には自身初の海外公演を成功させるなど、今勢いに乗っている若手バンドの一つだろう。

彼女たちの特長は、メロコアバンドなのに女性ボーカルだということ。
「それだけ?」と思う人もいるかもしれない。現に、独自の世界観の中にメロコアを取り入れている女性ボーカルのバンドも存在する。

では、Dizzy Sunfistはそれらのバンドと何が違うのか。それは、男性顔負けの骨太なメロコアサウンドを核にしている、という点だ。女性特有のしなやかさや可愛さも曲中のいたるところに散りばめられているが、この核だけは決してブレていないのだ。

そんな彼女たちのライブを観るために駆けつけたオーディエンスたちで、フロアはほぼ満員状態。最近メロコアを聴き始めた若いリスナーから、古くからメロコアを聴いてきた古参のリスナーまで幅広い年齢層の人たちが集まったのは、彼女たちの奏でるサウンドが本物だと認められた証だろう。

定刻を少し過ぎた頃、お馴染みのSEが流れてメンバーが登場。かと思いきや、ステージを隠すように降ろされていた白幕が上がらず、その内側から光が当てられた。

白幕に映ったのは、あやぺたのシルエット。
東京でワンマンライブができる喜びを噛みしめるかのように、一言ずつ丁寧に歌い始めたのは「SHOOTING STAR」。
バンド活動を辞めてしまう仲間と見た流れ星がきっかけとなって生まれたという、この曲。
夢半ばで去っていった仲間たちに「ここまで来たよ」と報告しているようにも見えたスタートだった。

その後は「We Can!!」、「The Magic Word」といったライブの定番曲を畳み掛けるように繰り出し、「FAULTFINDER」、「Dizzy Beat」、「No Answer」など新旧織り交ぜたセットリストで進んでいく。
初っ端からオーディエンスに休ませるスキを与えないくらい、エンジン全開だ。

途中のMCでは、「マジやばない??」を連呼するあやぺた。
ファミリー席にいた女の子から「あやぺたちゃーん!」と呼ばれて「めっちゃかわいい!母乳出るわ!」とその可愛さにキュンキュンしたり、ライブ中にしきりに降ってくるホコリが気になったりと、初めてのワンマンライブで起こる出来事ひとつひとつを興味津々な様子だった。

一方で、肝心のライブパフォーマンスは圧巻。トレードマークであるピンクのロングヘアーを振り乱してギターをかき鳴らす姿は、初めてのワンマンライブだと感じさせないくらい、堂々としていた。

いやまは冷静に低音を刻んでバンドサウンドを支えながら、メインボーカルを担当する「NEVERLAND」では、綺麗な歌声を披露していた。

バンドの屋台骨を支えるmoAiの超絶ドラムテクニックは、この日も健在。もはや恒例にもなっている、うまくMCができないあやぺたのフォローもバッチリだ。

ライブ中盤には、スペシャルゲストとしてNorthern19の笠原健太郎が登場。Dizzy Sunfistと共に名曲「STAY YOUTH FOREVER」を演奏した。

「うちらの青春時代の曲!」と興奮を押されきれないまま演奏するあやぺたの様子は、まるで音楽好きの少女のようだった。

ちなみに、笠原がゲスト出演のオファーを受けたのは、なんとライブ数日前。タイトなスケジュールだったにもかかわらず出演を快諾した、とのことだ。
彼女たちがバンドマンたちにどれだけリスペクトされているのかが伺える。

楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。ライブも終盤に差し掛かった。

「これからも、うちらを選んでくれたみんなを、もっともっと幸せにしていくからな!」とあやぺたがこれからの決意を叫んで始まったのは、「The Dream Is Not Dead」。

「夢は死なへん」

とてつもなく痛快に、とてつもなくポジティブにそう高らかに歌う、彼女たちの信念が詰まった名曲だ。

出会い、別れ、葛藤、不安。ここにたどり着くまでに、様々な出来事があっただろう。
それらを経験して糧にしてきたからこそ、これほど多くのオーディエンスに刺さる曲になったのではないだろうか。

その後は、風船を降らす演出でオーディエンスをあっと言わせた「Honestly」、幸福感で溢れるライブ定番曲「Tonight,Tonight,Tonight」で本編は終了。

アンコールは、あやぺたが初めて作った曲「START A」から始まった。
「この曲を作っていたときは、ワンマンライブをやるなんて想像もしていなかった」と語るあやぺただが、懐かしさに浸るのはここまで。
その後は「Yahman!」、「Half&Half」、「119」という、彼女たちの真骨頂とも言える力強いファストチューンでアンコールを締めた。

オーディエンスと写真を撮って、アウトロが流れる。「今日はこれで終了か」と思いきや、3人は再度ステージに戻ってきた。
「もう一曲やって帰るね!バイバイ!」といって始まったのは、これもまたファストチューン「FIST BUMP」!
最後の最後まで全速力で駆け抜ける彼女たちに応えるように、オーディエンスの熱量も最後まで下がることはなかった。

初めてのワンマンライブとは思えないくらい、堂々とエネルギーに満ちたステージだった。彼女たちのライブを観るといつも、どうしようもないくらい幸せな気分になっている自分がいる。

「夢は死なへん」と高らかに歌い、描いてきた夢を次々に叶えてきた彼女たち。
彼女たちが夢を叶え続けていく姿を、これからも観ていきたい。そんなライブだった。

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