2002 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
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……To be continued

BURNOUT SYNDROMES 明星ツアー恵比寿LIQUIDROOM

開場時間直前、恵比寿駅からライブハウスまでの道を、私は走っていた。遂にこの日がきた。友人たちと交わす挨拶もそこそこに、ちょうどぴったり1年前のワンマンライブで買った手売りチケットを握って、入場待機列に並ぶ。こんなに早い整理番号でバーンアウトのワンマンを観るのは初めてだ。会場に入ると見知った面々が上手と下手にそれぞれ集まっていたが、私は御構い無しに1人で好きな位置を取る。前から2列目やや下手寄りのセンター、いつもはあまり見えないドラムが真っ直ぐに見える位置。
この日のチケットは早々にソールドアウトしており、振り向くとフロアいっぱいの人、人、人。
 

バーンアウトのワンマンでは恒例のオープニングムービーの後、いつものようにBa&Cho&Rap&総合司会の石川大裕が「おまたせー!」と1番にステージに駆け込んでくる。Dr&Cho廣瀬拓哉とGt&Vo熊谷和海もその後に続き、観客の手拍子を煽る。この瞬間は何度経験しても私の涙腺を刺激する。
私自身はこの東京公演の前に、3月10日に行われた大阪BIGCAT公演にも参加していたため、セットリストが頭に入っている。次の曲がわかるたび沸き立つ会場に、東京のファンがどれだけこの日を待ちわびていたのかが伝わってくるようだった。どの曲がきても、みんな嬉しくて堪らないのだ。
 

張り詰めた緊張感の直後に茶番を入れられて思わず笑ってしまったり、感情の起伏が激しいバーンアウトのライブは、いつもジェットコースターのようにあっという間に時間が過ぎていく。
そしてライブ本編終盤、タイアップ曲が続くいつもの流れがやってくる。”ヒカリアレ”で終始後ろから聞こえてくる観客の合唱の圧に、私はソールドアウトを実感していた。ライブ中に観客が歌を歌うと「こっちはアーティストの歌を聴きに来ているんだ」といった類の議論が持ち上がるのはよくあることだが、この日のこの曲ばかりはこの大合唱が正解なんじゃないかって、私は心からそう思っていた。この曲をここまで育て上げたのは、間違いなくBURNOUT SYNDROMES彼ら自身の力だ。演奏中、涙を堪えきれずに思わず一瞬俯いた。
 

“ヒカリアレ”の演奏後に起こった長い長い拍手に、Ba.石川が「今までで一番大きくて長い拍手でめっちゃ嬉しい」と感慨深そうに笑っていた。その言葉に応えるように、客席からさらに大きく長い拍手が巻き起こると、「喋られへんわ(笑)」と楽しそうにしている。だって貴方たちが喜んでくれるから。みんな喜んでもらえるのが嬉しくて、貴方たちに喜んでほしくて拍手してるんだ。

「僕らが初めて東京でライブしたのは17,8歳の時、閃光ライオットっていう大会に出場しました。結果は、優勝はできなくて、めっちゃ悔しかった。そこで出会ったバンドとこれから対バンとかしながら一緒にやっていくんだなと思ってたし、優勝したヤツらにはいつか勝ちたいと思ってた。でもあれから8年経って、俺ら以外はほとんど残ってない」
「俺らには一つだけ得意なことがあった。それは”諦めないこと”。熊谷は『君の声は良いけど、流行りじゃないよね』って言われても歌い続けてくれたし、廣瀬だって足が動かなくなってもセッティング変えて叩き続けてる。俺は『ベース喋りすぎやろ』ってずっと言われてきた(笑)」

彼らは来年で結成15周年を迎える、まだ20代半ばだというのにキャリアはとても長いバンドだ。
自分が中学生だった時のことを思うと、あの頃見ていた未来とは全く違うところに、今自分は立っているな、と思う。目の前のことしかわからない時代に見た夢を15年も続けることは、本当に途方も無い道のりだ。それをまだ続けているBURNOUT SYNDROMES、こんな奇跡みたいなことってあるだろうか。
私は彼らが過ごした長い年月のうちの、まだほんの2,3年しか知らない。でもこれからはずっと一緒に、全部一緒に見届けていきたいと心から願うのだ。

「僕たち、諦めることすごく苦手です。だから貴方の一番になりたい」
もうとっくに私の中の一番になっていることを、彼らは知っているのだろうか。
 

本編ラストは、全国高校eスポーツ選手権のテーマソングとして書き下ろされた”ナミタチヌ”。

-夢を共に追える 貴方がいること-

と変えて歌われた歌詞で、この曲がBURNOUT SYNDROMESと私のための曲になる。
 

アンコールを終え、「エンドロールがあるから最後まで見ていってね!」とはけていくメンバー。このツアーでは、各公演の最後に次のツアー時の会場と日程が発表されてきた。ここ東京でも次の東京公演の情報が解禁されるに違いないと思っていた私は、動悸が止まらず呼吸が浅くなっていた。そして遂にその瞬間がやってくる。

《2019年12月20日 Zepp Tokyo》

LIQUIDROOMの3倍も大きいライブハウス。周囲から喜びの歓声や泣き声が聞こえる中、私は1人その場に立ち尽くし、声も出せずに涙を流していた。友人たちが抱き合う様子を離れたところから眺めながら、まだ震えている自分の手を見つめる。そこに歩み寄ってきた1人の友人に声をかけられ、彼女の顔を見た途端ようやく声をあげて泣いた。
BURNOUT SYNDROMES、もっと高いところに行こう、ずっと一緒に夢を見よう。
 

アーティストがずっと先の大きな舞台を発表することは、ここからそこに向かって走っていくことに対する決意表明だと思う。BURNOUT SYNDROMESは2019年、Zepp Tokyoに向かって走る。多分、今のままではまだ足りない。もっともっとバーンアウトを知ってほしい、評価されてほしい。
今回筆をとったのは、私の文章がその一助となればいいという想いからだ。

夢を共に追いかける、私もBURNOUT SYNDROMESのメンバーの1人だから。

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