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プリンスのレコードとカセットに振り回される人生

レコード・ストア・デイにリリースされた熱々アイテムを肴に30年前の話も

 2019年4月13日、今年のレコード・ストア・デイは熱かった。何といっても、プリンスが凄かった。あっ、因みに、レコード・ストア・デイは無事収穫物を家に持ち帰るまでがレコード・ストア・デイなのではありません。ちゃんとレコードに針を落とし、作品を堪能すると共にレコードに極端な針飛びや明らかな傷等が無いことを確認できて初めて終わるのです(←注:各位のポリシーを否定するものではありません)。レコード・ストア・デイではないが、近年もレコード盤で苦い思いをした者の老爺心より。

 さて、話を戻してプリンスの珠玉のアイテムは2つ。

 まずは、レコード・ストア・デイ(RSD)の名に相応しい豪華二枚組レコード『His Majesty’s Pop Life –The Purple Mix Club-』。オリジナルは日本が世界に誇るプロモーション・オンリー・レコードで、海外プリンス・コレクターの間でも高額でやりとりされていた逸品だ。このオリジナルを企画した元ワーナー・パイオニアの佐藤淳氏、ライナーノーツを書かれた吉岡正晴氏、その他諸々の関係者及び今回のRSD関係者諸氏に敬意を表したい。以下、ネタバレがあるので、今回初めて購入してまだレコードを聴いておらず、かつ自分の耳で気付きたい!と言う人は、ここで読むのを止めていただきたい。

 オリジナルも持っていた私が注目していたのは、当時の誤記が修正されるのか、あるいは収録ヴァージョンに変更があるのかということだった。結果として、あのジャケットやレコード・レーベル面や解説にプリンスのあのシンボルマークやNPGレコードのロゴが入っているという何とも不思議な感覚には襲われたが、それらの点以外は、今回のリリースは当時そのままの再現だった。オリジナルを聴いている人には周知の事実だし、ネット上の検索で全く出てこない話でもなく、約1週間が経ち聴く人は既に聴いているだろうと思うし、上でも警告しているので書いてしまうが、このレコードの柱である表題曲「ポップ・ライフ」が問題だ。レコード・ジャケットにもレコード・レーベル面にもPOP LIFE(Fresh Dance Remix)とあり、レコード・レーベル面には更に(9:07)とある。「結局このレコードに収録されているのは、シーラ・Eがリミックスした米国盤12インチ・シングル(何度も再発されている)に収録されているフレッシュ・ダンス・ミックス[6:19]なのか、それとも英国盤12インチ・シングルに収録されているExtended Version[9:07](再発なし)なのかどっちなんだ?」言う疑問が生じるが、その回答は、「UK盤:エクステンディッド・ヴァージョン(9分7秒)」が収録されているということだ。フレッシュ・ダンス・ミックスもとても良くて大好きなのだが、エクステンディッド・ヴァージョンも素晴らしい。追加された歌詞や楽器の展開、変幻自在のヴォーカル・ワークはプリンスの面目躍如だ。この1曲が高音質で収録されているだけでも買う価値ありの一品だが、そのサブタイトル(ザ・パープル・ミックス・クラブ)に違わず、長めのヴァージョンが多く収録された全10曲、他にも当時英国だけでシングル・リリースされやはり再発が無かった“Paisley Park”のRemixあたりが聴きどころだろう。

 もう一つのアイテムが、幻のカセットと言われる『The VERSACE Experience(Prelude 2 GOLD)』。この輸入盤は私、不覚を取りました。駆け付けたレコード・ストアでは、まさかの時間差入荷(開店時には未入荷だった)で買えなかった。大好きなラーメン屋に電車を乗り継いで行っている間に遅れて入荷していて私が再度訪れる前に売り切れていた。。。まぁ、そういう日もあるさ。でも、まさかの日本盤カセットテープ『ザ・ヴェルサーチ・エクスペリエンス』も発売なので、そっちは無事予約出来ました。早く届かないかなぁ。因みに、最初に公式発売を知った時に思ったことは「あっ、カセット・ストア・デイ(秋に開催)じゃなくて、レコード・ストア・デイに出るんだ。」だった。

 プリンスのカセットと言うと、思い出すエピソードがある。もう30年も前になるが、まだ横浜の石川町(プリンスがその昔、クラブ「グラムスラム横浜」を開いていたJR最寄り駅だ)にタワーレコードがあった頃、私は妹と一緒に同店に立ち寄った。店内では別行動となり、それぞれ自分の好みの棚を見回っていた。当時のタワーレコードはカセットも在庫してあり、特に私がチェックを入れていたのが、少数ながらアルバムではなく米国のカセット・シングルが入荷することだった。その日もカセット・シングルの棚をくまなくチェックしていると、プリンスのアルバム『BATMAN』からの最新シングル“The Arms Of Orion / I Love U In Me”が入荷しているのを見つけた。もちろんすぐさま手に取り、レジへと向かった。妹にも喜び勇んで報告した。そんなナイス・ショッピング後の駅へと向かう帰り道、妹がこんなことを言いだした。

 妹:「プリンスのカセット、あって良かったね。」
 兄:「おう!嬉しかったよ。」
 妹:「あのさぁ、たぶん自分でも気付いていないと思うんだけど。」
 兄:「何を?」
 妹:「兄ちゃんがカセット・シングルのコーナーの所に居て、プリンスのシングルを見つけた瞬間がわかったよ。」
 兄:「えっ?どういうこと。」
 妹:「何かね、飛び上がっていた。棚の前で。」
 兄:「えっ?」
 妹:「ぴょこんて。マンガみたいに。」
 兄:「マジ?」
 妹:「うん。いやー、ほんと好きなんだなって、思ったよ。」
 兄:「そっかー、無意識のうちに飛び上がっていたんだなぁ。」

こんなアーティストには、もう一生巡り合えないだろう。
こんなアーティストと巡り会えた人生で良かった。

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