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大人のA.S.O.B.iを体感する

cinema staff×アルカラundivided E.P. RELEASE TOUR EXTRA

2018年8月からcinema staffとアルカラ、2バンドで開催されていたスプリットツアーの追加公演「cinema staff×アルカラSplit EP『undivided E.P.』RELEASE TOUR EXTRA~A.S.O.B.i 2019~」が六本木EXシアターで開催された。

「EXTRA」と銘打った本公演だが、本来のツアーセミファイナル、ファイナルである神戸と岐阜公演は台風のため延期、2018年12月に予定されていた振替公演はcinema staffのVo.Gt.飯田氏の喉の不調のため再び延期された。振替公演は2019年5月に予定されており、実質まだツアーは終わっていない。

3月に復帰した飯田氏おかえりなさいの意味を込めての追加公演である。

出順を毎回交互に変えているこのツアー、六本木公演はcinema staffが先行。
いつも通りClimb The Mindの「泥棒」が流れる。4人がステージに現れ、ファンの歓声で迎えられた。
彼らのメジャーデビュー曲「into the green」を皮切りに、飯田氏を声の良さが際立つ曲を投下。
深く豊かで、フロア全体を包み込む大きい歌で魅了する。

進撃の巨人のエンディングである「great escape」がAlternative ver.で演奏されるなど、ファンにとって嬉しいサプライズもありつつ、「borka」「あのスポットライトを私達だけのものにして」などcinema staffらしい世界観を感じられる曲に一篇の小説を読んでいる気持ちになる。

5月29日に発売される新E.P.から披露された新曲は、「OCEAN 海を目指せ」というサビの歌詞の通り爽やかで目の前が開けるようなナンバーだ。
詰まった音が織りなす疾走感、2本のギターの気持ちのいい絡み、しっかりと支えながらも繊細なドラムが心地いい。

アルカラの「チクショー」のカバーでは間に「ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト」を挟みつつ、フロアを盛り上げていく。

最後にアルカラを思い作られた「first song(at the terminal)」を披露し、cinema staffのアンセム「theme of us」で「まだまだ飛べるさ」とファンを安心させた。

今回のライブの主旨は飯田氏おかえりなさいだが、本来この「undivided E.P.」は2017年のGt.田原氏脱退により大変だったアルカラのことを思って、cinema staffが一緒にCDを作りましょうという提案したことから始まった。
Vo.Gt.飯田氏が述べていた通り、2018年12月の振替公演が延期された際、アルカラが「このまま中止するという選択肢はない。待ってくれているお客さんのためにも弾き語りなりなんなり他の形態で」と提案し、動けるメンバーで当日の公演が開催されたのである。

曲間のMCではお互いが感謝の気持ちを示し、アルカラが大変だった時手を差し伸べてくれたお返しとして、というアルカラVo.Gt.稲村氏のMCが印象的だった。
手を差し伸べ、また手を差し伸べた相手に助けられる。
優しさは循環し、見ている人をも優しい気持ちにさせるということを2バンドの相手を思う姿勢から学んだ。明日から誰かに少し優しくしてみようかなという気持ちになった。

しかしライブは仲が良いからといって一切妥協しない。
お互い自己ベストを更新し、追いつき追い抜かされるいたちごっこ、真剣勝負なのである。
一言でいうと最高。
A.S.O.B.iとタイトルにあるように、大人の真剣な遊びを我々観客は体感する。

後攻アルカラはfolcaの為川裕也氏をサポートギターとして迎え、「KAGEKI」に収録されている「さすらい」からライブをスタート。
1曲目からタイトでキレる音に魅了され、演奏力の高さに圧倒される。

「やるかやるかやるかだ」「サースティサースティサースティガール」と続けてステージ上に音が駆け巡り、跳ねるベース、パワフルなドラムのビートに胸が躍る。

アルカラのライブ中、音の渦にのまれ必死に手を挙げているのにふいに、周りが静かに感じて歌詞だけがふわ、と浮かび上がる瞬間がある。
だがあれ、と思ってる間に嵐のように曲が終わる。

演奏とは対照的なMCの愉快さにそうきたか、と笑いが止まらない。

会場限定音源「to」からVo.Gt.稲村氏の弾き語りで「ボイジャー」を披露。
パワフルな演奏のさらに上からスコーンと抜けてくる稲村氏のボーカルは脱帽ものだが、弾き語りで聴くとより声の良さが際立つ。

「アブノーマルが足りない」からはcinema staff Gt.辻氏も加わりトリプルギターでフロアを盛り上げた。

cinema staffの「great escape」のカバーではVo.Gt.稲村氏がバイオリンを演奏し綺麗な音色が響いた。
「はじまりの歌」、「半径30cmの中を知らない」と畳み掛け、フロアの熱は最高潮に達する中、最後はきゅ、と胸が切なくなる「ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト」で本編を終えた。

全メンバーが登場するアンコールでは、本編とは対照的に打ち上げさながらのゆるさで和ませる。
先ほど大人の真剣な遊びを体感と書いたが、実は2バンドで台湾に行った際、エビ釣りの看板に日本語で「そび」と書かれていたのが事の発端である。「あ!そび!」。
アンコールではcinema staff Dr.久野氏がボンゴをたたき、Ba.三島氏がギターソロを弾き、稲村氏と辻氏が可愛い衣装で登場するというレアな場面も見られる。今後2020年も2021年もずっとこのツアーを開催し続けるという事なので実際皆さんの目で確かめてほしい。

こんな夜が楽しくないわけがない。
この楽しさが届けばいいなと思いつつ、余韻に浸りながら帰りの電車に揺られている。

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