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忌野清志郎から宮本浩次へのバトン

狂気を振りかざすロックの申し子たちに捧げる

私は中学三年生の頃にRCサクセションと出会い、レコードが擦り切れるほど聴きまくっていた。いわば、RCサクセション信者に近い者であった。私の10代はRCサクセションと共にあったと言っていい。ところが、27歳頃、私は某大学祭でザ・タイマーズ時代の忌野清志郎氏の楽屋に訪れる機会があり言葉を交わした。刊行されている雑誌等で彼のアーティストとしての人となりはある程度予備知識があった。それにも関わらず、忌野氏の行動等は不愉快でたまらなく彼の人間性に嫌悪感を持った。それ以降、ファンをやめる事はなかったが、忌野氏の楽曲を前向きに聴くことは一切なくなった。
 確かにRCサクセションは日本の音楽シーンに一石も二石も投げ、実際に一つの大いなる時代を作った。私はその精神を次ぐ者はブルーハーツだと信じていた。今でもその考えは変わっていない。しかし、ブルーハーツが活躍する度に嬉しく思っていた矢先に、残念ながら彼らは解散してしまった。
私が初めてエレファントカシマシを聴いた時期はその頃だった。音楽業界ではこの10代のバンドの登場に高い評価を与えたが、私にはRCサクセションの焼き直しのような印象を受けただけだった。また、宮本浩次は忌野氏を更に傍若無人にした不良少年にしか見えなかった。メディアが何故必死にエレカシを讃えるのかと疑問を覚え、暇さえあれば彼らのデビューアルバムを聴いていた。ある日、宮本浩次の根本的声質は忌野氏に良く似ていた事に気づいた時には、すっかりエレカシの虜になっていた自分がいた。私はエレカシのファンと言うよりも、宮本浩次という人間に俄然興味を抱き、彼の情報を収集した。その結果、私と彼の共通点は非常に良く似ていた。宮本はRCサクセションは元より、沢田研二を始め、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリン、ローリング・ストーンズ、ベートーベン等に傾倒していた事がわかり、私の音楽遍歴とほぼ同じだった事に驚いた。彼は私の3歳年下なので同世代と言っても構わないだろうが、余りにも似すぎていた。
 忌野氏は狂気を孕んでいた事に間違いはないが、楽曲に関してはオブラートに包んだ感は否めない。それ故に忌野氏のメロディは耳にスマートに入ってくる。それに対して宮本浩次は狂気を包み隠さず聴く者に刃が刺さり、忌野氏に比べるとファンを選ぶように思う。
 最近の宮本浩次の活躍は目を見張る。東京スカパラダイスオーケストラとの見事な共演に紅白で椎名林檎との才能のぶつかり合いを見せたと思えば、ソロデビュー曲「冬の花」の浪花節的ド演歌を披露した。そして携帯電話のコミカルなコマーシャル。また、日本酒のコマーシャルでは世の50代に力を与えた。宮本浩次は今が最も旬だとは思わない。ただ、彼自身が将来、「平成の終わりから令和の始まりが俺のピークだったかも」と回顧して欲しくない。
先日のちあきなおみの名曲「喝采」をカバーした宮本浩次を観れば、それは杞憂だと心底思う。これからも私の第2の青春を宮本浩次と歩む事が出来れば、忌野清志郎から始まり宮本浩次に繋がった私の人生が豊かな物になるのは間違いない。

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