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詩と余韻と

ギリシャラブに酔って

美しいものが好きだ。
それも、ただキラキラと眩しいだけのものではなく適量の陰影を含んだようなそわそわする美しさに惹かれる。

ギリシャラブというバンドは美術館に似ている、と感じる。薄暗い空間に点々と配置された絵画の華麗な威圧感と、美術館を出た瞬間の心地好い虚無感と余韻。そんな不思議な感覚をギリシャラブは生み出している。

私が考えるこの余韻の要因は2つ。
1つはボーカルの天川氏が紡ぐ歌詞の、その独創的な世界観。まるで短編集を読んでいるかのような言葉のセンスと表現の豊かさに思わず惹き込まれてしまう。美しい言葉たちに美しい音がついて、贅沢だなぁとも感じる。「それが歌というものなのでは?」と言われてしまうだろうが、そう思えるほど天川氏の歌詞は魅力的で美しい。ギリシャラブを聴く際にはまず歌詞カードを開いて、黙読をしていただきたい。歌詞だけを味わっても充分に彼らの曲に酔うことができるだろう。

そしてもう1つはボーカルの歌声だ。
私は歌手に歌の上手さを求めていない部分があり、というより上手下手の判断がイマイチ得意ではないのだが、それゆえに歌い方や歌声を気にしてしまう癖がある。ボーカルの天川氏は、彼自身の描く曲の世界観にぴったりとフィットした艶と陰のある声をしている、ように思う。
大人の色気を感じつつも、どこか人間的ではなく無機質な芸術作品のようでもある。そして、力強いのに儚い。ギリシャラブを形容するのはどうも難しい。

とにかく、百読は一聴にしかず、である。
ぜひ皆さんにもギリシャラブの音楽と空間を堪能していただきたい。

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