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もう、マイナスなんかじゃない

色を変えて突き進むでんぱ組.incの軌跡

2017年8月に最上もがが脱退。その12月には鹿目凛、根本凪が加入し、更に2019年の1月には夢眠ねむが卒業。約2年間で怒涛の変貌を遂げたでんぱ組.inc。

メンバーの入れ替わりと同時に彼女たちが手に入れた強さについて少しだけ、考えてみた。

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2017年までのでんぱ組.incと言えば、W.W.Dシリーズに代表されるように“引きこもりのヲタクだった女の子たちがアイドルになった”という雰囲気をありありと纏っていた。曲調は所謂電波ソング、歌詞の内容にはどこか影がある。“いじめられていた”“ひきこもりだった”というエピソードが語られることも多かった。明るい曲調に散りばめられた現実的な葛藤がでんぱ組.incという存在の新しさを確立したのだろう。

彼女らの特徴はライブパフォーマンスにもある。他のアイドルとは一線を画した、必死に歌い踊るその姿は心に響くものがあったし、またそのようにして人気を確実に積み上げてきたのである。
 
 

ところで、2017年までのでんぱ組.incを象徴するのは自身の過去を反映させたW.W.Dであるのは言うまでもない。

ヲタクで引きこもりだったメンバーが“マイナスからのスタート”と称して狭いステージから世界をめざす。その規模の大きさと、そこに必死に手を伸ばす等身大の6人。その異質さと6人ならではの輝きが注目を集め、その存在を大きくしたのだろう。
 
 

では最上もがが脱退し新メンバーが加入した7人時代はどうであるか。

2017年、今まで活発だったライブ活動をほとんどしなかったでんぱ組.inc。同年12月に約1年ぶりとなるワンマンライブを開催し、新メンバーの加入が発表されたわけだが、それについてナタリーでのインタビューで相沢梨紗はこう語る。
“2人の加入が決まって、やっと息を吹き返した感じだったよね”

更にメンバーは、5人の活動も新メンバーの加入が決まってこそだった、ライブをしなかった期間に自然消滅してもおかしくなかった、と語っている。

それを踏まえ、相沢は“でんぱ組.incは明日にでもめちゃくちゃ変わってる可能性があるぞっていう不安と期待みたいなものを常に見せたい”と発言(同インタビュー)。

メンバーの変化という目に見える進化が訪れたことで、変化することのリスキーさ、それによって取り巻く環境や視界が大きく変わることに気づいたのかもしれない。

“現状維持=退化でしょう!”というFD3の歌詞の通りだ。仕組まれたことではないのだろうが、脱退や加入によって長かった6人のでんぱ組.incの形態が破壊された。そこに今まで積み上げてきた、異質でアイドルらしからぬイメージが手伝って新しいステップに進むことになったのだろう。
生い立ちを利用する形で人気を確実にしたでんぱ組.inc。一つ上の段階になり、その着実に高まった技術と独特なキャラクターで更に世界を目指した、というところだろうか。あえて“ヲタクで引きこもり”に頼る必要がなくなったのだ。

そんな変化もあってだろうが、でんぱ組.incのパフォーマンスは以前より明るくなったように感じる。

以前どこかに潜んでいたような暗い感情たちをステージ上に見出すことは難しくなり、キラキラと弾けるようなアイドルらしさのようなものを発見できる。

もちろん、でんぱ組.incの歌や踊りが良い意味でアイドルらしくないのはそのままだ。しかし、暗いものを置いてきたような、或いは新境地に来たような、そんな思いを抱くのはきっと私だけではない筈だ。

それもきっと、ここ約2年の怒涛の進化と、それがもたらしたメンバー間のバランスの変化によるものなのだろう。

W.W.D時代がマイナスからのスタートだったなら、今はとうに正の数である。秋葉発祥の個性を最大限に生かしつつもアイドルとして生き抜く、引きこもりだった引け目なんて全く無い、そしてそこに頼る必要ももうない、それでもちょっと変わったアイドルグループ。その強さはそれぞれに色を纏った強烈なキャラクターにあり、個性的な歌や激しいダンスにある。

そして、今現在である。夢眠ねむが卒業して4ヶ月が経った。アイドル界においても大きな存在だった彼女がでんぱ組.incから卒業して残された6人はどう変わるのか、そしてなにを守り続けるのか。まだまだ駆け抜ける新生でんぱ組.incの快進撃に振り落とされないようにしたい。

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