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夢を叶え続ける平成最後のSSAアーティスト

~永遠の中二病集団「M.S.S Project」~

最初はただ羨ましかった。
社会人になっても自分と同じ趣味を共有し、一緒に楽しんでくれる友人がいるということが。

私が彼らを知ったのはニコニコ動画全盛期、あるゲーム実況動画を見たときだ。
弟に薦められて見たそれはゾンビを倒すゲームの実況で、4人でわいわい楽しそうに、そして時々意味の分からないことを言いながら、ひたすら同じステージを繰り返していた。
ゲーム音痴な私が見てもけして上手いプレイではなかったが、クリアするまで諦めず、睡眠時間を削ってどんどん口数が少なくなりながらもクリアする姿は素直に凄いと感動したし、何よりそうやって時にふざけ、そして時に真剣にゲームを一緒に楽しむ友人がいるということがただ羨ましかった。

そうして彼らの動画を見て回るうちに、音楽活動も盛んであると知った。
そもそも自身の音楽を知ってもらうため、知名度向上の目的でゲーム実況を始めたらしく、まさに私も思惑通りこの道を辿っていったのだ。
打ち込み音楽が主流のためか、管楽器出身の私個人の感想としては、曲自体はキャッチーなフレーズはあるものの浅め薄めのものが多い印象。
しかし、ゲーム実況に勝手にテーマ曲をつけ、初音ミクを使った楽曲を作り、自身でボーカルも務め、アルバムやシングルをリリースし、動画投稿も怠らず、多彩に自分たちの世界を拡げるその行動力はけして浅くも薄くもなかった。
自分達のため、そして彼らの活動を楽しみにしている人のための勢いが凄いのだ。

どう聞いても思春期真っただ中な会話を繰り広げているこの4人が年上だと知り驚いたのも初期の思い出の1つだが、随所での彼らの対応はきちんと歳を重ねた人のそれであるし、何歳だろうが夢を叶えることが出来ると示してくれているようで、私も笑顔や勇気をもらうことが多く、これからも見ていきたい、好きでいたいと思った。
ちなみにイベントで生身の彼らを直接見る機会も1度だけあったが、チキンハートで人見知り、それに加えて席運が驚く程ない私は、遠いスタンド席からオペラグラス越しにチラリとその姿を視界に入れたことぐらいしかない。
兎にも角にも私に様々な観点で衝撃を齎した、物理的にも遠い羨望の対象なゲーム実況者でアーティスト。
それが彼らM.S.S Projectだった。
 

それから時は経ち、現実の荒波にもまれたことが理由で、ニコニコ動画を見ない時期に突入した。
ゲーム実況そのものから遠ざかり、ボーカロイドなどからも遠ざかった。
その間に多くの投稿者が活動の場をYouTubeに移し、一部の人達は表舞台へと旅立った。

いつの間にか彼ら4人の動画も見なくなってしまったのだが、ある日たまたまYouTubeのおすすめ動画に彼らの名前を見つけた。
まだ活動していたのかと何気なしに再生すると、私の記憶のままの彼らがいた。
驚きと喜びと、友人と久しぶりに再会したような、そんな懐かしさを勝手に感じながら、また時間があるときに動画を追いかけるようになった。
相変わらずよく分からない会話が飛び交ったり、ふざけたり、男友達が集まって何かをしている光景を見ているだけだというのに、凄く楽しくて、凄く嬉しい。

楽曲も増え、オリコンに名を連ねる程になっていた彼らは動画配信だけでなく、精力的に全国でライブも行い、老若男女問わずソウルメイト(彼らのファンの呼称)も増やして、遥かに大きい存在になっていた。
あくまで想像の域を出ないが、おそらくここに来るまで紆余曲折、辛いことも悩んだことも多々あったと思う。
だがそんな姿を我々に見せることなく、前を向いてずっと止まることなく走り続けていたのだろう。
だから平成最後のSSAアーティストになると知ったときも、迷わずチケットを申し込み、無事当選したときはまだ日にちがあるのにドキドキした。

彼らのライブは少々特殊で、冒頭の動画(OP)から始まり、ゲーム実況、また動画、そしてライブパートという構成である。
ライブと言うかエンターテインメントと言うか、もはや遊園地だ。
ただし最初からクライマックスで、最後までずっとクライマックス。
それはSSA、さいたまスーパーアリーナのライブでも変わらなかった。
全国各地を定期的に回り、武道館や横浜アリーナといった大手アーティスト御用達の大舞台を踏み、そして元号が変わる最後はさいたまスーパーアリーナ。
最初は動画の中の人だった4人が、少しずつ夢を叶え前に進み、とうとうアーティスト憧れの地の1つである会場の平成最後を締め括るまで到ったのだ。

ライブの詳細な内容は既にネットニュースにもなっているし、ネタバレにもなるのでここでの記載は控えるが、会場が大きくなろうがいつも通り、彼らが彼ららしくいられるよう、そして会場全体が笑顔になれるよう工夫されたものだった。
ツアーのファイナルということもあって、動画やセットリストが少し変わっていたり、ライブ前にはシングルの発売もあったりと、大きな舞台での特別なファイナルをより楽しめたように思う。
私の席からは客席がよく見渡せたので、曲に合わせて色を変え波打つペンライトはとても綺麗で、それらを前に、そしてそれらに包まれる彼らは、それは光り輝いて見えた。
大きな笑い声で全てを吹き飛ばし、満面の笑みを見せてくれ、汗だくになりながら動き回り、この瞬間が楽しいと伝えてくれる。
どこからどこまでか分からないボケと、どこから手を付けていいか分からないツッコミが畳みかけ、とどめと言わんばかりに襲い掛かってくる、不可思議な魔法をかけられているような感覚と疲労感。
だが、それが嬉しくて、楽しくて、幸せ。
隣の女の子が一生懸命ペンライトを振り、隣の男性が彼らの名前を叫び、その間で1人泣いていた私は、この大きな会場ではとてもちっぽけな存在だが、そもそも彼らもその1人だったのだから、きっと根本は一緒。
同じ時代に同じ国に生まれた、ただの人だ。
それなのにこんなにも違うのは、彼らが地道に努力の出来る、そして夢を叶えるという強い思いを持つ、なるべくしてなった「究極の4人」だったからだろう。
 
 

あなたにはいくつになっても同じ趣味を共有し、一緒に楽しんでくれる友人はいますか?
 

あなたは自分の夢を叶えるために、止まることなく努力出来る強い心を持っていますか?
 
 

YesだろうがNoだろうが、彼らのことを知らない人は、ニコニコ動画でもYouTubeでも何でもいいので動画を見てみてほしい。
ただし、初見バイバイに定評があるので、出来れば複数を最後まで。
そして彼ら4人を見分け、聞き分け出来るようになり、アダム・スミスもビックリな供給の多さに飲まれた頃、あなたも立派な「ソウルメイト」になっているはずだ。
 
 

【LIVE info】
2019.04.29(月・祝)
M.S.S Project Tour 2019 PANZER – The Ultimate Four –
FINAL at SAITAMA SUPER ARENA

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