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息が止まるまで歌っていよう

ドラマチックアラスカのファイナルフラッシュを聴いて思ったこと

 
 
私が彼らに、ドラマチックアラスカに出会ったのはこの上なく運命的だったと思う。少なくとも私にとっては。

初めて彼らを知ったのはある雑誌の1ページだった。その頃彼らは2枚目の「オーロラを待っている」をちょうどリリースしたばかりの頃で、そのページには大きく彼らのアーティスト写真が載っていた。夜の闇の中で彼らが演奏している瞬間のような写真だった。そういう写真だったから、彼らの顔はもちろんさっぱり分からなかった。
それでも私はそれを見た瞬間、この上なく惹かれた。すぐに彼らを調べ、曲を聴いた。
それが出会いだった。

初めて好きになった歳の近いバンドだったからか、ドラマチックアラスカの音楽は私にとって水のようだった。
あっという間に私の中に染み込んで、なくてはならない存在になっていった。

強くなりたい時、
怖くてたまらない時、
幸せな時、
足がすくみそうな時、
恋をした時、
失恋した時、
ドラマチックアラスカの音楽は私の中にいてくれた。私が負の感情に包まれていても、傍にあった。
メンバーの脱退というバンドにとって大きな傷を負っても、足を止めなかった彼らにいつも励まされてきた。
 

気づけば、彼らと出会った頃高校生だった私は、大学を卒業し働く歳になっていた。
 

新社会人として働き始め、同時に初めてのひとり暮らしもスタートし、毎日いっぱいいっぱいでぼろぼろだった私のもとに1つの情報が舞い込んできた。

ドラマチックアラスカ、新曲MV3作連続公開。

待ちに待った新曲だ。
私は彼らならきっと今のぼろぼろの私に元気をくれるはず、という期待と信頼を持ちつつ、迷うことなく公開されたばかりの1作目、「ファイナルフラッシュ」を再生した。
 

『いつか君が道に迷っても
僕が君の手をつかんであげるよ
息が止まるまで歌っていよう
君は最後の光』
 

短い前奏の後にすぐイントロで歌われた歌詞に思わず涙が出た。
 

『死にたい死にたい死にたい死にたい
死にたい死にたい死にたい死にたい
死にたい 死にたくはない

やめない止めない消さない死なない絶対
ずっと繰り返している』
 

その後のAメロでゾクッとした。
彼らの歌にはいつもどこか静かに死が潜んでいたように思う。けれどそれが表面化してきたのは、「クソッタレセカイ」あたりからだ。
それにしたって、ここまでストレートに死を歌う歌は初めてだった。
2回目のAメロではボーカルのヒジカタさんの歌い方も叫ぶようで、淡々と死にたいと歌う1回目とはまた違うゾクゾク感があった。
 

曲の歌詞というのは、その書き手やバンドの思いや考えが透けて見えることが多い。
特にドラマチックアラスカの歌はヒジカタさんの思いが強く見える。
それは喜びであったり、怒りであったり、葛藤であったり。様々だ。
今回のファイナルフラッシュでは、この曲の歌詞はヒジカタさんの決意のように私には見えた。
やめるもんか、
止めるもんか、
消すもんか、
死ぬもんか、
そんな決意のように感じた。

バンドは儚い。
私自身色んなバンドが好きだが、その中には休止や解散してしまったバンドだっていくつもいる。メンバーの逝去なんてこともあった。
だから私はいつだって怖かった。
目の前から大好きな人達が、音楽が消えてしまうのが。

その恐怖を、俺達は違う、とこの曲で彼らは拭い去っていった。

『息が止まるまで歌っていよう』

彼らがそう歌うなら、

私も、息が止まるまで彼らの音楽と共にいたい。

いつか道に迷っても、彼らがきっと手をつかんでくれるから。
 

(『』内、全てファイナルフラッシュの歌詞より引用)

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