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2017年6月6日

かなお (23歳)
13
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People In The Boxの今が詰まったツアーファイナル

ー10周年のその先へー

今年CDデビュー10周年を迎え、1月にベストアルバム「Things Discovered」をリリースしたPeople In The Box(以下People)。
そんな彼らの「Things Discovered release tour」ツアーファイナルが新木場STUDIO COASTにて行われた。

定刻を少し遅れた頃、会場の照明が落ちると時計の秒針が不規則に音を立てるかのような不思議なSEと共に3人がステージに現れ、フロアからは大きな歓声があがった。

Dr.山口大吾が力強くリズムを刻み始めるとそのまま雪崩れ込むように1曲目の「月曜日/無菌室」へ。Vo.波多野裕文が紡ぎ出す難解な歌詞と伸びやかで透き通るような歌声に会場内は一気にPeopleの世界に包み込まれていく。
続いて今ツアーのタイトルにもなっている「Things Discovered」より、リード曲「木洩れ陽、果物、機関車」をプレイ。福井健太が奏でる流れるようなベースライン、タイトなドラムとギターのアルペジオが心地よく合わさりフロアを揺らしていく。一転して3曲目には音源よりもテンポアップされ、よりアグレッシブさが増した「聖者たち」が披露された。

本編中盤では「ココアって冬目立つじゃないですか?でも夏はあんまり目立たないですよね?ミロっていう飲み物あるじゃないですか?あれ不思議な飲み物ですよね?」という脈絡のないMCを山口が始めて笑いを誘ったかと思えばオチをつけるわけでもなく「新曲やります!」と宣言し3曲連続で新曲をプレイ。怪しげな雰囲気漂う楽曲たちに、MC中の緩やかな空気は完全に消え、思わず立ち尽くしてしまうほどだった。

ピアノを使ったアレンジでより柔らかい印象になった「土曜日/待合室」、静かな中にも激しさを含んだ「セラミック・ユース」を演奏すると、「Things Discoveredの収録曲をやります!」というMCを挟み、インスト曲である「maze」「矛盾の境界」が連続で披露された。

歌詞こそはないが、波多野の豪快でありながらも繊細なギターサウンド、福井の激しく踊るようなベース、山口が繰り出す変拍子のドラムのリズムよって会場内は彼らにしか作り出せない唯一無二のダンスフロアと化していた。

本編最後のブロック前にはPeopleの特徴の一つとも言える、山口大吾によるMCタイムに突入。
「こんばんはをこんなに言うバンドは他にはいない」と言いながらこんばんはのコールアンドレスポンスを繰り返した後に恒例のグッズ紹介をするなど、演奏時からは想像もできないほど力の抜けたMCで笑いを誘っていく。
彼らのステージは飲み込まれそうになるほど緊張感にあふれた演奏と、MC中のギャップが激しく、まるでジェットコースターのようで心地よい。

「残り時間あとわずかとなりました。あと1曲やって帰ります」という発言に対し、観客から「えー!」という声が上がると、「わかりました!あと3曲やります」と山口が会場を盛り上げてみせる。
「まただ、血の味だ」というセリフ調の歌詞が印象深くどこか不安な気持ちになる「市民」、彼らの代表曲とも言える「旧市街」、そしてドラムロールのイントロアレンジが加えられた「翻訳機」を演奏し本編は幕を閉じた。

アンコールでは割れんばかりの拍手に応え再びステージに現れるや否や「10周年のということで、最初のアルバムであるrabbit holeを再現したライブをやります!いつやるかと言うと、明日です!」と発表をしてみせ、フロアからは感嘆の声があがる。 続けて「それだけじゃ曲が少ないので残りは全部新曲やります」というプレミアライブぶりをサラッと発表すると、この日4曲目となる新曲をプレイ。
正真正銘最後の曲は予め決めていなかったようで、じゃんけんで決めてるという旨のMCをした後ステージ上でじゃんけんタイムが始まる。
結果は、福井の勝利ということで「新市街」を演奏し、ツアーは幕を閉じた。

「Things Discovered」収録曲だけにとらわれず、People In The Boxのこれまでを総括しつつ彼らのこれからをしっかりと提示したライブであった。
これからの彼らの活動に期待が膨らむばかりだ。

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