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となりのロックスター

SUPER BEAVERツアー新潟公演、ホール編を見て

 
 
2019年5月25日、新潟県民会館。SUPER BEAVER「都会のラクダ ″ホール&ライブハウス″ TOUR 2019〜立ちと座りと、ラクダ放題〜」の新潟公演、ホール編を見に行った。まさに、今日のことだ。感動が冷めやらぬうちに、この文章を帰りの新幹線の車内で書いている。よって、この文章が感想なのかレポートなのか全く整理されていないものになってしまっているのは、どうかご容赦いただきたい。また、SUPER BEAVERは絶賛このツアー中ということもあり、詳しいセットリストの公表は控えさせてもらう。

18時定刻通りにBGMの音が徐々に大きくなり、会場は暗転し、歓声に包まれた。1曲目の1音目がなった時にまず驚いたのがホールという会場の音質の良さだ。ボーカル渋谷龍太の声はいつも通りのびのびと会場に響き渡っていたが、音質のせいか今日は一段と包み込まれるような感覚になった。渋谷が「いきなりですが、声を聞かせてもらってもいいですか?」と問うと観客はそれに応えて大きな声で歌う。

SUPER BEAVERが観客とともに歌うナンバーを立て続けに披露すると、MCに入る。MCでは初めて新潟でライブをした時にメンバーの柳沢亮太が打ち上げで全裸になって靴とベルトをなくした話や観客との掛け合いで笑いが起こるなど、和やかな時間が流れた。

「俺の正義や、誠意が向かう先がいま目の前にいてくれているあなたで良かった。」と語って披露したのは「まごころ」だった。“あなたをもっと知りたい”という歌詞が印象的な、“あなたたち”ではなく“あなた”と真摯に向き合って、1対1の対峙をしているSUPER BEAVERらしい優しいナンバーだ。その後も2曲を歌い上げると、もう一度MCに入る。メンバーそれぞれが新潟についての思い出を語り、新潟県民会館という会場でライブをしている今日がいかに特別な日であるか、ということを観客側も実感していた。

渋谷が「今からここをライブハウスにします!」と叫んで次の曲が始まる。そこから彼らがライブハウスで積み上げてきたアッパーチューンを立て続けに披露すると、会場の盛り上がりは最高潮に。中でも、「生きてる意味を聞かれても全く上手く答えることが出来ないけど、今日のこの新潟県民会館の景色を見るっていうこの瞬間のために生きてる感じがする、27。」と言って始まった「27」にはアッパーチューンながらも心を震わせるものがあった。

ついにラスト1曲。この曲の前に渋谷が語ったことがとても印象に残っている。「いま俺たちとあなたは手を繋ぎあってる状態です。それは俺たちが音楽という手を伸ばして、あなたがそれを求めて聞くという手を差し出してくれているから。でもここはゴールじゃない。手を離してしまったら終わりになってしまうから。だからもっと引っ張ってあげられるように。」そして1曲を披露して彼らはステージから捌けていった。

そして、アンコールに応えてもう一度オンステージするSUPER BEAVERの4人。「人と人とは絶対に100%完璧にわかりあうことはできない。どんなに頑張っても99.9999…%までしかわかりあえない。だからそれをいかに100%に近づけられるか。俺たちはステージの上で自分たちを100%全部出してるつもりなんだ。いつかでいいやじゃなくて、ふっと思ったときにちゃんと言葉にして伝えないとね。」と語ると、アンコールとして1曲を披露して彼らのツアー新潟県民会館公演は幕を下ろした。

SUPER BEAVERは「伝える」だけでなく、「あなたのことも知りたい」という気持ちでライブをしているのがひしひしと伝わるライブだった。たしかに、ライブでは観客側は発言することはほとんどできない。歌ったり、笑ったり、時には泣いたりするだけだ。しかしSUPER BEAVERほど観客である“あなた”に寄り添ったバンドであるならば、そのあなたの表情や一挙手一投足を見るだけできっとあなたのことがわかることだろう。そして何度でもこう言ってくれるだろう、「あなたのことが知りたいから、また顔を見せに来て欲しい」と。それほど寄り添ってくれるからこそ、あの安心感や説得力を生むのであろう。

何度も言っているように、SUPER BEAVERの音楽は聞く人に寄り添って手を引いたり、背中を押したりしてくれる。私の、あなたのすぐとなりの、手の届く場所にいる。しかし、ライブで演奏する姿はまさにロックスターであった。遠い場所にいるロックスターがすぐ近くまで来て手を差し伸べてくれる。だから私たちは今日も、明日も、これから先の未来も、楽しい予感のする方へ、会いたい自分のいる方へ向かって安心して進んでいけるのだろう。
 
 

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