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私にとって世界一の魔法

伊東歌詞太郎さんの音楽の話

2019年5月19日、私は大阪に行った。
彼のワンマンライブを見に行くためだ。
人生で初めて一人で新幹線に乗って地元を飛び出した。
ライブが始まるまで、私が歌う訳でもないのにとにかく緊張した。
私は酷く緊張すると胃腸が弱くなるので、駅から会場まで4往復歩いたりして気を紛らわせていた。
確かこの日の合計歩数は2万歩を超えていたと思う。
歩きすぎた。
合間にTwitterで仲良くなった人たちと話をしたり、お菓子を貰ったり渡したりした。

何の曲を歌うかとか、どんな話をするか考えているうちに、あっという間にライブは始まった。
大好きな曲が詰め込まれたセットリスト、爆笑したり涙が出そうなほど感動したMC、息を呑むほどに綺麗な照明。
声を出して、手を振ったり叩いたりして、現実を全て忘れるほどに楽しんだ。
全てが最高だった。
「最高」以上の言葉が見つからなくて悔しくなるほど、このライブは最高だった。
「来てよかった、また行きたい」と、終わった直後に強く思った。
その後は、門限があったので名残惜しかったがすぐに会場を離れた。
フラフラの足で何とか歩きながら、友達に電話をかけてまとまらないぐちゃぐちゃの感想を聞いてもらった。
 

帰りの新幹線の中で、ふと彼がよく口にする「音楽は魔法だ」という言葉を思い出した。
私の中で彼の音楽は、どんな時でも頑張れる魔法だ。
そう思うようになったのは、私が高校一年生の頃からだ。

当時私は人間関係が上手くいかず、学校に行くのが嫌で嫌で仕方なかった。
朝起きて準備を済ませて玄関で靴を履くと、涙が出てしまうほどに嫌だった。
降りる駅の二つ前の駅に着くと、私は必ず「IMAGINE」という曲を少し大きめの音で流した。
二つ前の駅から聞き始めると、曲がちょうど終わるタイミングで降りる駅に到着するからだ。
この曲を聴くと、「午前中は頑張ろう」と憂鬱な気分が少しだけ晴れる。
午前の授業を乗り切ると、今度は昼休みに「IMAGINE」を聴く。
そうすると「あと3時間もすれば帰れるから、頑張ろう」と、少しだけやる気が出てくる。
ほかの曲でももちろん元気は出るが、学校に行く時はこの曲じゃないとだめだった。

高校三年生になった今は、友達が出来て学校がとても楽しい場所に変わった。
毎日お互いの趣味の話をしたり、他愛のない話をしたりなど、とても充実している。
その友達が出来たきっかけは、「伊東歌詞太郎さんの好きなの?私その人知ってるよ」という相手の一言からだった。

他にも、彼のライブに行きたい一心で、周りの人たちが心配するほど勉強を頑張った。
順位は12個上がり、一学期から三学期まで赤点をコンプリートしていた数学で100点満点をとった。

私が頑張ったからだ、とよく言われるが、私一人では絶対に頑張り続けることなんて出来ない。
彼の音楽が背中を押してくれるから、ここまで頑張れるのだ。
 

ライブが終わってから、私の音楽プレイヤーにワンマンライブのセットリストが追加された。
家を出てからセットリストをまとめたブックマークを流し、二つ前の駅からは「IMAGINE」を聴く。

次のライブは「君住む街へ」という全国ツアーだ。
チケットの当落も出ていないのに、今からとても楽しみだ。
そのライブに行くために、私はまた周りから心配されるほど頑張れると思う。

次は、歩き過ぎないように気をつけよう。
 

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