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壮年期のイエモン

『9999』所感

 THE YELLOW MONKEYをTHE YELLOW MONKEYたらしめるものは何かと考えてみる。殆どの曲はフロントマン:ロビン=吉井和哉が作っているのだから,彼が作って歌えばイエローモンキーかと言うともちろん違う。(ファンの皆さん,怒らしちゃってたらすみません) 
 個人的に,青春にイエモンが寄り添っていた世代(「JAM」が中2の冬)として,あのバンドに求めるものは少なくなかった。骨太なグルーヴ,妖艶な容姿・魅力,ほんのちょっぴりのダサポイント(歌謡曲テイスト?)を加えることで独特なダサかっこよさをもたらすロックンロール…。そして私が一番求めているのは,「音の厚さ」「熱量」による感情の迸りだ(20年以上,何度カラオケで「JAM」を歌ってきたことか!)。イエモンとは「少年の心を持った青年(お兄ちゃん)」な存在なのだ。

 なので再結成して最初にレコーディングした「ALRIGHT」を聴いたとき,「聴きたかったイエモンが帰ってきた!」と狂喜し,再結成ツアー(長野)にも足を運んだ。サマソニ2016も最高だった(まさか「夜明けのスキャット」を演り,由紀さおりとデュエットするとは!)。

 しかしである。NEW BESTなる,ファン投票によるベスト盤を再録したアルバムを聴いてわけがわからなくなった。いったい何がしたいのだ? 完全にあの「音の厚さ」「熱量」が消えている。枯れた・渋い魅力という肯定的意見もあった。確かに何曲かは,再録のヴァージョンの方が良いと感じる曲もあった。しかし,これは求めているイエモンではない。

 再結成後初のフルアルバムが出ると聞いて,正直不安だった。お金のためだけの再結成であり,イエモンがイエモンとして創作することはもう二度と無いのかもしれない…。

 見事に裏切られた。裏切ってくれた。確かに,熱量多めな感情の迸りが昔のようにあるわけではない。でも,等身大の,青年を超え老いを噛みしめ死を意識する壮年期の,イエモンがここにいる。オープニングの「この恋のかけら」と,エンディングでリードシングルでもある「Idon’t know」が特に最高だ。 
 

 これほど見事なアルバムを聴かされたら,イエローモンキーという国に再入国して帰化せざるを得まい。もちろん,アンセム(国歌)である「JAM」を口ずさんで。

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