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今言いたい。エレファントカシマシ。デビュー30周年イヤーのこと

30周年が止まらない

午後7時30分。公民館にて保護者会。夏休み期間中の体育館見守り当番を保護者がするため「あらかじめ都合の悪い日があれば」と聞かれている。7月は忙しい。7月は野音があるのだ。私は母さんだけどエレファントカシマシのライヴで忙しいのだ。

エレファントカシマシに初めて出会ったのはきっと20歳ぐらい。悲しみの果てがヒットしてシングルCDを買ったのが初だったようだ。「あれ?カップリングの四月の風めちゃいいやん、こんな良い曲演奏してるって知らなかった~」と一人で思ったものだ。しかしライヴに行くほどではなかったまま、テレビで放送があれば見たり、たまにCDを借りたり、というまま年月が過ぎ去っていた。
(なぜか家にほぼ聴いていない奴隷天国もあった)。

エレファントカシマシは2017年にデビュー30周年という大きな節目を迎えた。2枚組のベストオブベスト盤『All Time Best Album THE FIGHTING MAN』のリリースにあたり、ボーカルの宮本をはじめプロモーションをし始めたのだ。ベスト盤がリリースされることは何かの雑誌で見て知っていた。「聴いてみようかな~」ぐらいの気持ちだった。久しぶりに見たMステでの悲しみの果ての演奏の凄み、何も足さずにドストレートなまま、「余計なことは言わなくても伝える自信がある」といわんばかりのシンプルな演奏、宮本自体はいろいろ説明したくてサービス精神でお喋りになることもあるが、まぁその演奏たるや、「どうだい俺たちの30年!」といわんばかりのバンドサウンド。悲しみの果てのベースアレンジもシングルで聞いた時よりもずいぶんシンプルにしてあってかっこよすぎた(ここでかなりグッときている)。

私はエレカシのCDが欲しくなった。完全予約制のDVD付きの限定ボックスが出ることも知っていたが「そこはさすがに私やり過ぎだろう」と冷静な突っ込みをして断念し、CDショップへ出かけた。実はCDショップが地元にほぼない。過疎化が進む西の果てではタワーレコードも撤退、地元で複数店舗経営していたCDショップも閉店。となれば書店の片隅にあるCDコーナーしかないのだ。探すと2枚置いてあった。金色と白いの。宮本がジャンプしている「ああこれぞエレカシ」と言わんばかりのジャケット。せっかくなのでDVD付の金色を購入した。レジで「ポスター付きますよ」と言われ、「じゃあ」ともらってきた(あとでその時の店員さんにめっちゃ感謝することに。しかも奴隷天国!)。

CDを買ったのは何十年ぶりかもしれない。子育て仕事に追われ、若い時に好きだったパンクやロックやテクノのCDだけ、繰り返し同じ音楽ばかりを聞いていた。地元フェスでたまにいろいろ聞くぐらいで、音楽を聞くことからすっかり離れてしまっていた。
会社へ帰り我慢できずに昼休みに机でCDを開けた。眺めた。CDが楽しみでしょうがないなんてほんといつぶりだろうか。仕事が終わると頭の中はエレカシのことでいっぱいだった。今思えばここでずいぶん好きになっていたのかもしれない。
CDをデッキに入れた。
こんなことがあろうか。40歳を過ぎてバンドにドはまりすることが。月並みだけど曲が良すぎて泣けてしょうがない、かわいくてしょうがない。『大地のシンフォニー』て名曲すぎる!「演じてきたんだろう? 似合わない役わりを」。ピッと背筋を伸ばして前を向いて歩いている宮本の後ろ姿が目に浮かんだ。振り返らないし話を聞いてはくれないが励まされているような気がした。この曲で泣かない大人がどこにいようか。
ライヴへ行きたい、生でエレカシを見てみたい。あの声を聴いてみたい。30周年記念の47都道府県ツアーが予定されていた。ところが地元のチケットは全然取れなかった。いやこれは絶対みたいぞ。隣県なら取れた。2017年6月10日鳥栖市民文化会館1階の後ろの方。1枚。友達も声かけたが隣県までは誰も来なかった。帰りの飲み会もないからと言い聞かせエレカシTシャツを通販で買って電車で出かけた。

ライヴではALLにあるような代表曲が聴けた。1曲目は『歴史』だった。キョトンとしながらも胸の奥ではふつふつと感動していた。選曲の妙。勝負してくる選曲の感じがもうエレカシ最高なのでは、期待が膨らんでいった。1曲1曲たどたどしくも宮本の丁寧な解説、他のメンバーは一切喋らない(ショック!)。今まで見た中でエレカシのライヴは異質中の異質だった。本当に音楽のみを届ける。CDで楽曲の素晴らしさに感動した私だけども、圧倒的なライヴの迫力に押されて一気に好きになった。絞り込まれてシンプルに研ぎ澄まされた成ちゃんのベース、小手先の技でなく魂で表現するトミのドラム、歌に寄り添うような石くんのギター。これにあの宮本さん歪み全開のギターサウンドに載せて、堂々たる歌が乗っかる。全力で歌いきっていた。一番ド肝を抜かれたのが『生命賛歌』で縦横無尽という言葉がぴったりの右に左にとステージを駆け回る表現力(狂気!元気!)。大好きになった。これがロックを続けてきたデビュー30周年か、と重みが伝わってきた。『今宵の月のように』では美しい旋律に魂の底から歌う宮本さんのまっすぐな声に少し泣いた。30年前からきっと毎日同じように演奏していたエレカシのロック。いらないものは全部そぎ落とし、研ぎ澄まされていた。ライヴにしびれながら一人で回転すしを食べて帰ったあの日からはや3年。
方向音痴ゆえほぼ行かない都会へもエレカシのライヴがあれば行く。チケットが取れれば。30周年記念イヤーの感動は止まらない。7月は去年行けなった野音だ。『偶成』を歌ってくれるだろうか、『シグナル』は聞けるだろうか。今から気持ちが忙しい。今年は野音に行く。見守り当番希望表の7月6日7日にそっと欠席の印を付けてきた。消えないよう油性マジックで。

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