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サンボマスターからのラブレター

もっと、もーっと愛を歌い続けてほしいのです

令和元年6月初旬、その日は娘の運動会だった。早朝からのお弁当作りや場所取り、応援と運動会当日の私は他のお母さん同様、とても慌しく過ごしていた。
お天気にも恵まれ運動会は予定通りに進行されていたが、プログラムが中盤に差し掛かる頃には、暑い日差しに少々参った私は少し頭がボーっとしてきていた。
「娘の次の出番は当分先かぁ。」
手に持つプログラムをぼんやりと眺めながら、私の意識はさ迷いだし、どこか別の場所に居場所を求め始めていた。
と、その瞬間。
大音量で運動場に鳴り響き、聴こえてきたのはサンボマスターの「できっこないを やらなくちゃ」だった。大慌てでプラグラムを確認すると、四年生のダンスの演目だ。サンボマスターの音楽に合わせて、元気いっぱいの子ども達が一斉に運動場の中央へ飛び込んできた。連日の練習で日焼けした子ども達の笑顔がキラキラと輝いている。

「これは何と!」

わが子以外の学年の種目は完全にノーマークだったのでまさに寝耳に水の状態だ。
暑さと疲れで遠のきつつあった私の意識は一瞬でこちら側に引き戻されたと同時に、予想外のこの展開に驚きと喜びで飛び上がりたい衝動に駆られ、その気持ちを抑えるのはとても大変だった。私の直ぐ隣には他に大勢の保護者が居る。周囲の人々にこの密かな興奮がばれない様にと注意を払いつつ、一人小さく心の中でガッツポーズをした。そんな私の想いを「確実に」共有出来るであろう存在の夫を探すが、その姿は見つからない。残念ながらその時は離れた場所で観覧していた私たちだが、
その後、合流した際には「サンボマスター流れた!!」と互いに興奮を隠し切れないといった様子で笑い合ったのは言うまでもない。そしてもちろん、その後も運動会の話が出る度に、娘の冷ややかな目を他所に「まさか、あの時!あの場所で!サンボマスターが流れるとはね~。」と言い合っている。サンボマスターの音楽はあの日、運動場に光を差し込んでくれたのだ。この日の出来事のように、日常にふと出現した彼らの音楽にでさえ、偶然の運命や喜びを感じ、大事な思い出の一つにも出来るのだから「ファンとは本当に幸せな存在だ」とこんな時、改めて実感する。
本当に、幸せ者である。

そんな幸せ者の私は、彼らの奏でる音楽が大好きだ。3人が生み出す心地よいテンポの演奏を聴くと、いつだって気持ちが弾む。このありがたい感情は、彼らの音楽を好きになった随分昔から変わらず持ち合わせているものだが、ふと考えてみると、その想いは私が数年前に母親になってからの方がより一層大きく、そして強いものになっているのを実感している。それはきっと、サンボマスターの音楽には愛があるからだと考える。子育てには体力や忍耐力はもちろんだが、それ以上に何より「愛」が不可欠である。日々、子どもを励まし、受け止めることの全ては愛することの繰り返しである。私にも愛する人たち、笑顔にしたい人たちがいる。だからこそ、彼らの音楽を求め、その愛に強く惹き付けられるのだろう。山口隆の投げかける歌詞はいつだって愛に溢れていて、存分に注がれた愛を受取る度に、私は熱い熱いラブレターをもらう気分になる。それは「恋文」ならぬ「愛文」とでも言おうか。何度、聴いても心打たれる私が居る。躊躇も誤魔化しもない直球の愛が宿る歌だ。

私の周りには「音楽かぁ。最近は聴いてないなぁ」というお母さん達が多い。
そんな時、私は声を大にして言いたい。
「そこの奥様、主婦こそ、母こそ、音楽が必要ですよー。」
「サンボマスター、おすすめですよー。」と。(実際にそんな風に叫んだことは
ないのだけれど。)

母になり気が付いた時にはいつの間にか増えていた責任感や立場が煩わしく思えて、時々息苦しく感じることがある。そんな時、頼りなくよろめきそうになる私の「心」を支え、音楽を通し励まし続けてくれているサンボマスター。時に、沈みそうな私の心を、押しつぶされそうな気持ちを、ごく自然な形で立て直し癒してくれる。歌詞の中で愛を叫ぶ彼らも、励まし激を飛ばす彼らも、いつだって変わらぬその姿勢はいつも自然体で、押し付けがましくないからこそ真っ直ぐ心に届くのだ。彼らの音楽に包まれると、さっきまでそこにあった得体の知れない胸のモヤモヤは何処へやら。
いつの間にか私の中から、すっかり吐き出され回復していることに気付く。
そして、私はまた笑顔を取り戻すことが出来るのだ。
これが日常。沈んだり、立ち直ったり、また沈んだり。
これが私の日常で、そんな日々を支えてくれるサンボマスターとの出会いに
心から感謝している。

いつもありがとう。
本当にありがとう。

そして、この先もずっと、ずーーーっと私がおばあさんになるまで愛を歌い続けてほしい。熱くて、真っ直ぐな、彼らからのラブレターを楽しみに待つ、そんな私の姿が確かに見えるのだ。

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