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まだわからないけど、走れる

最高にかっこいいロックバンド、UNISON SQUARE GARDEN

「シュガーソングとビターステップ」。UNISON SQUARE GARDENというバンドのその曲を聴いた瞬間、衝撃を受けた。

今まで耳にしたことがなかった、あまりにもポップでキャッチーな、新しいメロディー。そして、それまでバンドというものにあまり馴染みが無かった私にとって、3つの楽器が織りなすバンドサウンドはとても刺激的だった。メロディーを彩るギター、踊るように流れるベース、自在にリズムを刻むドラム。その全てが心地良かった。そこから、私はユニゾンの音楽にどんどん引き込まれていった。

ユニゾンの音楽だけでなく、バンドとしての在り方にも大きな衝撃を受けた。たとえばライブでは、多くのバンドがやる「煽り」などは一切無く、MCも最小限。大衆から人気を得る事よりも、自分たちの好きな曲を作ることを続けてきた。これらの選択は全て、彼らの譲れない信念に基づくものだ。
たとえ人にわかってもらえなかったとしても、自分たちの好きなロックバンドを続けることを選んできた。その有り様は、純粋にかっこいい、と感じた。

私は今まで、どこか生きづらさを感じながら生きてきたと思っている。人見知りな性格には随分悩まされたし、自分に自信が無く、他人の目を気にしすぎる自分が嫌になることが何度もあった。人からどう思われるかが怖くて、素直に思ったことを言えない。好きなものを言えない。したいことをしたいと言えない。そんな不器用な自分を変えたかった。でも、なかなか変われない。また自分が嫌になる。誰にも言えずに、私は一人で悩んだ。
そんな日々から私を連れ出してくれたのは、ユニゾンの音楽だった。

“ねえ 挫けていいんだよ 秘密基地で会う約束をしよう” / プログラムcontinued

“もしも君が孤独の中に居て 泣き声も聞いてもらえないなら 思い切り泣けばいい 立ち上がる頃に強くなる” / さわれない歌

「挫けていいんだよ」、「思い切り泣けばいい」。それは、私がずっと欲しかった言葉だった。弱いところを認めたくなくて、人前で泣くことができなかった私は、誰かに、そう言って欲しかった。この曲のおかげで、私は自分の弱いところを少し、受け入れることができた。

“お人好しカメレオンじゃないだろ 君だけのために君はいるんだよ”/お人好しカメレオン

そしてこの曲を聴いて、周りが求める自分になろうとすることをやめた私は、少し自由になれた。

私は「自分の意見がない」のが不思議だった。このことについてどう思うか、どうしたら良いと思うか。そう言われても、あまり考えが浮かばない。意見を出せず、何の役にも立てていないのを痛感しては、悔しくて、辛くてたまらなかった。なんで、みんなのように意見を出せないのだろう。ずっと理由がわからなかった。しかし最近、その理由が一つわかった気がする。それは、私が今まで自分で考えてこなかったからだ。

いろんな決断を、他人任せにしてきた。人が言うことには大体賛同してきたし、人に言われればその通りにやった。その方がいいと思っていた。私よりも人が言うことの方が正しい。子どもの頃に、自分の選択で失敗した経験や人に否定された経験からか、私はそう思うようになっていた。そのせいで、自分で考えることから逃げてしまっていた。だから、自分の気持ちがよくわからなくなっていた。

それでも、ユニゾンに出会い、新しい音楽に出会い、私は音楽が好きだと言う自分の気持ちに改めて気づくことができた。自分の意見がない私でも、音楽については、ちゃんと自分の思いを持つことができた。それがとても嬉しかった。私にとって音楽は、なくてはならないものだ。そう気づかせてくれたユニゾンに出会えて本当によかったと、心から思う。

私は今、高校3年生で、進路という大きな選択に直面している。いつも他人に任せて、自分で決めることから逃げてきた私は、正直、今も自信を持てずにいる。
本当にこれでいいのだろうか。私にやれるのだろうか。不安は尽きない。「さも当然のように、悲しみは今日もやってくる」のである。

そんな私にとてつもない勇気を与えてくれる曲がある。それは、「Dizzy Trickster」という曲だ。どうしても、歌詞を今の自分と重ねてしまうのだ。

“ああみんなが大好きな物語の中じゃ呼吸がしづらいんだね”

そう、本当にそうなのだ。ああ、初めて言葉にしてくれた。そう思った。私はずっと、他人に流されるままに生きてきた。嫌われないように、否定されないように。他の人に合わせ、自分のイメージと離れた行動は避けてきたつもりだ。どこかで、違和感を感じながら。そうしていつの間にか、狭い世界に閉じ込められてしまっていた。誰かにわかってほしいと思いながら、誰にも言えなかった。そんなどうしようもない私を、初めてわかってくれた、そんなような気がした。このフレーズに、私は本当に救われた。そして、私が今選ぼうとしている道は、みんなが選ぶ道とは違うのかもしれないな、と思った。

“まだわかんない わかんないままでも走れるよ”
“一人ぼっちで走らなくちゃ ぐちゃぐちゃのまんまの希望でも この高揚感は誰にも奪えない”

この歌詞には、本当にユニゾンの強い意志が表れていると思う。今後どうなるかなんてわからない。どんなに明るく取り繕っても、前を向こうとしても、不安というものは消えない。それでも、そんな不安な感情を受け入れて、進もうとする。どうしても忘れられない思いがあるから。たとえ理解されなくとも、一人きりだとしても、走る。そんな決意が表れているこの曲は、とても強い。

きっと私は、これからも何度も悩み、もがき続けるのだろう。

それでもこの曲を聴くと、改めて思うのだ。私もユニゾンのように、自分の選んだ道を信じて生きてみたい、と。
 

ユニゾンの音楽は本当に鮮やかで、色んな景色を見せてくれる。そして、そんな音楽を自分たちが誰よりも楽しんでいるということは、ステージの上で自由に演奏する3人の姿が証明している。ステージからは、好きなロックバンドを貫いてきたからこその、圧倒的な存在感が身に染みて感じられる。ユニゾンから、私は少しの自由と、とてつもない勇気を得た。
 

今年で結成15周年を迎える彼らは、お祝いモードで忙しい日々を送っている。私も、これからもっと忙しい日々を過ごすことになる。それでも、時々彼らを思い出しては、また魅せられるのだろう。

私の人生に10%のロマンスを与えてくれた、最高にかっこいいロックバンドに。

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