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メロウな夏の刹那を。

s**t kingzがダンスで魅せた「太陽は罪な奴」

録画した音楽番組を見ていたら、あるパフォーマンスに胸を打たれてその先に進めなくなった。こんな経験したことない。
それは、ダンスグループ「s**t kingz」【シットキングス】が披露した、サザンオールスターズ「太陽は罪な奴」のダンスカバーパフォーマンス

なんだろう…なんと言葉にすればいい?と聞いてしまいたくなるほどの感動。高揚感も切なさもすべて取り溢すことなく一音一音に当てられた振り付け。歌詞に合わせた表情の移り変わり。
たった数分のことなのに、2時間のミュージカルを観ているかのような充実感。
 

TBS「音楽の日 2019」で、ダンスを披露したs**t kingz
あらかじめ出演することは知っていたものの、どこで何のパフォーマンスをするのかわからないままに番組はスタートした。
鈴木雅之さんが歌う「め組のひと」でダンサーとして登場した、shojiさんとkazukiさん。テンションは一気に上がり、テレビに向かって前のめりになって見ていた。
音楽の日は2部構成で、「太陽は罪な奴」がパフォーマンスされたのは第2部。
  

ちょっともう…全世界の人に見てほしい
こんなこと自分が言わなくても、すでに有名で、凄いことは知られているのだけど、今回のこのパフォーマンスの感動を、どうにかして伝えたい。
歌番組で、ダンスのみのパフォーマンス。この時点で異例な驚きがある。しかも、披露するのはサザンオールスターズの楽曲「太陽は罪な奴」
ご本人のいない状況で、 ダンスのみで表現してみせる。元からある振り付けでもなく、ダンスはオリジナル。その凄さが伝わってくるあまり、見ていて鳥肌がわっと腕にも足にも広がり「すごい…」と言葉が漏れていた。
  

一個一個の音が、完璧に掴まれている凄さ。
指の先から、足のかかとも背中も、置いて行かれる身体のパーツがない。持って行き忘れることなく、動きにミリ単位で乗っていく。衣装の揺れからくる時差さえも把握済みであるかのように、音楽に身体がノリ、それを心から楽しんでいる。
 
 「Do you believe me?」とくる、桑田佳祐さんのメロウな歌い出しに合わせて、4人横並びで身体を斜に構えてスローに歩み寄る動き。その含みを持った表情。
ここでもう、サクサクサクッと心に矢が刺さった。いたずらっぽく笑うshojiさん、キケンな笑顔のkazukiさん、色男な微笑みのNOPPOさん、余裕の笑みのOguriさん。このワンカットで一気に世界観をつくってしまうs**t kingz。
とくに、古きよき洋画に漂うハンサムさを感じるNOPPOさんに釘づけになった。
 
 
曲のはじまりの緩やかさから、“向日葵のような”の歌詞でくるビートの刻み方は軽やかなステップで、見ているこちらの気持ちまでワクワクしてくる。
そして曲が進むにつれて、キレと早さだけではなく、“A love so tender?”で横ノリのリズムが入ってくるところに、ゆらぎの心地よさがある。
音で動きをとる所と、歌詞で動きを作る所。その選択の塩梅が素晴らしく、動きで歌詞のすべてを語ろうとはしないけど、ここは視覚的に見たいと思う動きはしっかりと組み込まれているセンスの良さ。“罪深き夏という”の歌詞に合わせて、口にするジェスチャーはもしかして、“罪”のワードに絡めたアダムとイヴのリンゴを表現したのではと思って、曲の解釈への遊び心にニヤついてしまう。
  

メロディー、リズム、歌詞、だけでなく、さらに桑田佳祐さんの歌い方も聴き込んでダンスを作られているのが伝わる動きがすごい。
“終わりなき”のところで、桑田さんの声がフワンっと浮かび上がる調子に合わせて、shojiさんとNOPPOさんがふわりとスキップをする。ここがはしゃぎたくなるほど大好きで。踊る姿にこんなにもストーリーを感じることができるなんてと、今もまだ胸がドキドキしている。

前後や、2人2人のフォーメーションで繰り広げられていたダンスが、
「高気圧はVenus達の交差点」のサビで、4人カメラに向かってのダンスになり、振りがバッと揃うところ。
胸に来すぎて、息が止まる。これを映画館で観ていたら感動でポップコーン全部こぼしてる。
つづく“愛欲にときめくStage” で両腕を振り下ろして、もうたまんないなという表情をするのが最高で、“Stage”の歌詞に合わせ腕も足も広々と伸ばして踊る姿はジャズダンスの美しさ。
 

“kiss”に合わせて優しい投げキッスの動きをつけてくれるのは、王道を照れず恐がらない、ベタのかっこよさで、Nissyのパフォーマンスと繋がる好きなポイントを見つけられて嬉しかった。
全員を満遍なく見つめたいけど、どうにもNOPPOさんの演技に引き寄せられる。節目がちに足元に落とす視線、空を見上げる斜めの視線。一喜一憂がその表情から伝わり、歌詞のなかの主人公のキャラクターが浮かび上がるようで、NOPPOさんの演じる「太陽は罪な奴」がとにかく好きになった。
メロウな歌声をダンスで表現する。かっこよく、かわいく見せる動きは方程式がある程度存在すると思うけど、形容しがたいこの曲の雰囲気を、憂いを含んで懐かしく眺める、海辺のサンセットのような景色をダンスで魅せる凄さを目の当たりにした。
 

グルーヴィーさをしっかりと掴んで離さない、s**t kingzのダンス。
「太陽は罪な奴」の披露時間をストップウォッチで計ったら、1分53秒ほどだった。2分に満たない時間の中で、これほどまでに心動かされるとは。
夏の刹那、サザンオールスターズの空気を完璧に表現しているパフォーマンスに、エモーショナルさの濃度が限界値を超えて胸が苦しい。

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