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心に突き刺さってしまった言葉の贈り物

BUMP OF CHICKEN「aurora ark」ツアーレポ

2019年7月10日。
BUMP OF CHICKENの通算9枚目となるアルバム
「aurora arc」が3年5ヶ月ぶりにリリースとなった。

それに伴い、「aurora arc」を引っ提げた
「aurora ark」ツアーが7/12からスタートした。

私はこのツアーの始まりの場所となるメットライフドーム公演に、7/12と7/13の2日間参加したのだが、
この公演で彼等から受け取ったものについてこの文では書いていく。

今回はツアーが始まったばかりなので、ネタバレを避ける為に曲名などは書かないが、演出を含めまさにBUMP OF CHICKENと共に「オーロラ」の下にいるような感覚になるライブだった。

私がこの2日間で特に強く残ったのが、ライブ2日目アンコール終了後の藤原基央のMCである。
彼は最後にこんな言葉を残していった。
正確な記憶を持っている訳ではないので、このようなニュアンスだったという事を了承して読んで欲しい。

『君らが明日、一週間後、1ヶ月後、1年後、10年後20年後、もしかしたら笑えてないかもしれない。笑えてないだけなら良いけど、全く笑うことが出来ていないかもしれない。そんな時に俺らの曲を聞いてなんて無責任な事は言えない』

『望まなかった最高なこと、望まなかった最悪な事があるかもしれない。俺にもあったから。この3年半ほんとに色々な事があった。』

『好きな曲を聞いても、好きな漫画を読んでも、好きな人といても全く嬉しくないかもしれない。太陽を浴びても嬉しくないかもしれない。そんな時に俺らの曲を聞いてなんて事は言えないけど、それでもずっと僕らの曲はそばにいることを忘れないで欲しい』

このMCを聴いた時、私はあまりにも大きな衝撃を受けてしまったのだ。
藤原基央の言葉が全て1つ1つ心に真っ直ぐ、ガラスの破片のように突き刺さってしまっていた。
切なさとも寂しさとも、悲しさとも言えない複雑な感情に私は今も陥っている。

理由を1つ上げるとすれば、きっと何をしても楽しさを感じることが出来なかった、訳も分からずに泣いていた自分自身を「肯定」されてしまったからかもしれない。
自分では否定したかった部分を、彼はあっさりと肯定してくれたのだ。彼だけじゃない、BUMP OF CHICKENの音楽はいつもそうなのだ。
そして今回、藤原基央は「自分もそうだった」と言ったのだ。
「君がそうであるように、自分もそうだったんだよ」と彼は言っていたのだ。

私達はついアーティストと自分達は違う存在と考えてしまうけれど、彼らも同じ人なのだ。
彼らにも嬉しいこと、悲しいことは起こる。
それをきっと口に出す機会は私達よりも少ないのかもしれない。
けれど藤原基央は「俺にもあったんだ」とあっさりと私達に教えてくれたのだ。
まるで、何でもないことのように。

私はこの文章をメットライフドーム公演2日目の翌日に書いているが、1日経った今でも藤原基央の言葉はずっと脳裏に残っていて、彼の話し声が忘れられなくて、心がずっと何か重いものを抱えている。
この感情をどう表現すれば良いか分からない。
「寂しさ」とも「悲しさ」とも「辛さ」とも違う。
私がこの気持ちに名前を見つけられる日が来るのかは分からない。
「安心感」を覚えたのだろうか。
私だけじゃないんだ、彼らと一緒なんだと。
彼らも同じような感情を抱えているのだと。

これだけは言える。
私はとてつもなく大きな言葉の贈り物を藤原基央から、BUMP OF CHICKENから受け取ってしまったのだ。
もしかしたらいつかBUMPの音楽から離れる日が来るのかもしれない。
それが5年後10年後なのかは分からない。
でもBUMPはいつも「それで良いよ」と言ってくれるのだ。
明日何か大きな悲しいことが起きるかもしれない。
1年後、10年後、大きな別れをしてしまう日が来るかもしれない。
何が起こるか分からない未来の中で、私が、私達が1度でもBUMPの音楽を受け取れば、彼らの音楽は私達が聴かなくてもそばにあるのだ。
藤原基央は、自分の頭や胸を指さしながら、
『君のここやここにいるから』と言った。
私達の「脳裏」や「心」に音楽はあると。
『それだけは忘れないで』と。

そばにいるという確証を贈ってくれた藤原基央の言葉はあまりにも大きすぎる。
けれど、例えBUMPの音楽から離れる事があったとしても、
私はこの言葉を決して手放せない。
忘れることなんてできない。

「aurora ark」ツアーはまだ始まりを迎えたばかり。
これからこのツアーがどんな道を辿るのかは分からないけれど。
きっとたくさんの人の気持ちを運んでくれるのだろう。
オーロラの名前がついた箱舟は。
だからこそこう伝えよう。

「行ってらっしゃい、aurora ark」

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