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君の音楽、第100部まで見届けたい

ひきこもりでもLIVEがしたい!~すーぱーまふまふわーるど2019@メットライフドーム

行ってきました。
『ひきこもりでもLIVEがしたい!〜すーぱーまふまふわーるど2019@メットライフドーム〜』

会場はメットライフドーム。なんと、この日のチケットは完売、満員御礼。
ちなみに、メットライフドームのキャパご存知ですか?
3万5千人らしいです。それを、グループやユニットではなく、まふまふただ一人のステージで完売。
すごくない? すごいんです、まふまふ。

*

17時前会場に入る。
メットライフに来たのは二度目だった。初めて来たときも「でかいな」と思ったけど、改めて、広い。でかい。反対側の座席が少しかすむほど遠い。
メットライフドームでワンマンライブする人生って、それどんな人生よ。
開演を待ちながら、感嘆と賞賛の入り混じった気持ちで私は広大な会場を眺めていた。

実は、私がまふまふのことを知ったのは、実はわりと最近の話だ。
『命に嫌われている』という曲を初めて聴いた時、ものすごく衝撃的だった。

この声、何? 男? 女? 人間にこんな高音出せるの?

そこの角を曲がったらブラックホールとぶつかったみたいな、突然で圧倒的で抗いがたい出会いだった。
そこからは一気だった。
一度聴いたら離れない唯一無二の声、思わず駆けだしたくなるような疾走感のあるメロディ、突き刺さって抜けてくれないとがったフレーズ。
知れば知るほどのめり込んだ。

楽曲を生み出すペースも異常に早いのに、ユニットでの活動や、楽曲提供やアニメなどとのタイアップも行う。音楽活動だけでなく、YouTuberのような企画動画やゲーム配信を投稿したり、チートでブーストかけてるとしか思えないスピードで生産を続けていて、ちょっと足を浸すくらいのつもりだったのに、供給の奔流に呑まれてあっというまに首まで浸かってしまった。
そんなわけでライブまで来てしまったわけです。

開演。円柱型のスクリーンが持ち上がって、足元からゆっくり姿を現すまふまふ。
トレードマークの白い髪も見えてくる。

あの高い高い声が響く。動画通りの声。生で見てもまだ、成人男性からあの歌声が生み出されることが信じられない。見ているものを理解できずに脳がバグる。

1曲目は『輪廻転生』。
ハイトーンボイスと、ひりひりする慟哭みたいなフレーズがてんこもりの、いかにもまふまふらしい曲だ。
代表曲の一つなので、冒頭に持ってくるんだ、とちょっと驚いた。
だけど、『ベルセルク』『立ち入り禁止』『ジグソーパズル』とハイテンポの力強い曲が続くうちに思い出した。

この人、代表曲しかない人だった。クライマックスしかないんだった。

ド頭からいきなりてっぺんに突き上げられて、速度を落とすことなく最高潮のままライブは突き進む。
何度か衣装を変えながら、舞台の上で鞠みたいに跳ねまわる姿はとにかく楽しそうだった。
ゆっくり日が落ちていくなかで、白に赤に変わるサイリウムの海がとにかく綺麗だった。

「すごい綺麗。宝石みたい」

感慨深くつぶやく。
一人一人の顔なんて到底見えないに決まってるけど、こうして光を灯すとちゃんと見えるんだ。なんだかじんとしてしまった。
今ここで、私たちちゃんと対面してる。

MCや『ナイティナイト』などのバラード、After the Rainのユニット曲を挟んで緩急をつけながらライブは進む。
ジェットコースターのような速度で時が過ぎて、あっという間に「特別な曲です」とラストを『夢のまた夢』にたどり着いてしまった。

ありがとー! と言ってハケて行ったけど、まふまふと言えば、の『すーぱーぬこになりたい』や『すーぱーぬこになれんかった』はまだ歌われていなかった。
やらないわけがない、アンコールに入るのかなと思って手拍子を続けていたら、向こうのブロックから歓声が上がった。

まふてる(というてるてる坊主のオリジナルキャラ)の気球型ゴンドラに乗って空からまふまふが現れたのだ。猫耳つけて。『すーぱーぬこになれんかった』のメロディと共に。

ちょっと! アンタこれアンコールでやることちゃう!!
こんなん……こんなん最高やん!

ライブの間ずっとテンション最高潮だったと思っていたのに、それを軽々と飛び越えて会場のボルテージが上がる。叫びながら、手を叩きながら、もう血管が切れそう。
ステージに戻ってさらに二曲歌った後、まふまふはステージの中心に立った。
だんだん静かになっていく3万3千人の真ん中に一人立っていた。
緊張したように、ためらうように間をおいて、それでも話し始める。

いじめられていたこと。誰も味方になってくれなかった時のこと。狭い屋根裏で一人で歌っていたこと。お金のないなか黙々と音楽を作ったこと。一気に人気が出て、そのせいでねたまれたり裏切られたりしたこと。

涙ながらに、言葉に詰まりながら語るのを見て、虚を突かれた思いがした。

私はここに来るまで、メットライフドームすげーな、ライブ楽しみだな、としか考えてなかった。
でも、今日のまふまふは、今日突然ポンとここに現れたわけじゃない。ここにたどり着くまでの道のりがある。なんとなくは知ってたけど、とても平坦ではない過去がある。それを経て、今日ここに辿り着いたんだ。

メットライフドーム3万5千人。普通のことじゃない。簡単にできることじゃない。本当に、本当にすごいことなんだ。たくさんの苦難があって、それでも音楽を続けてきたからここにいる。

メットライフドームでワンマンライブする人生ってまじでなんなんだよ。
まじですげーよ。
そんな誇れる人生に辿りつけて、本当によかった。

その時まで私はまふまふを、ただただ「天才」と定義して、それで終わりにしてしまっていた。
だけど、ここで訂正したい。

まふまふは強くて弱くて愛らしくて、この上なく努力家の、天才だ。

湿っぽい空気を切り替えるように、本当に最後の最後、待望のあの曲が始まる。
みんな大大大好き『すーぱーぬこになりたい』。
吹っ飛ぶほどの勢いでサイリウムを振った。35,000人で「ぬこぱんち!」コールを叫んだ。
ライブが終わった瞬間に地球爆発してほしいと思うほど楽しかった。

*

ライブが終わった後、衝撃的なことが起きた
まふまふが『今日は特別な日。本当にありがとう。』というコメントと共に、顔出し写真を載せたツイートをしたのだ。

これの何が衝撃かって、彼は今までずっとマスクをしてて、SNS上での顔出しをしてなかったからだ。
もともと歌い手界隈は顔出しをあまりしない風習だし、色々トラブルに見舞われてきたまふまふも例外ではなかった。
最近は、隠してるけどほとんど顔見えてるやんけという投稿も増えてきてはいたのだけれど、まったく顔を隠さないツイートはたぶんなかったと思う。

ツイートを見た瞬間私は「え? え? 何? なんでなんでなんで? え? なんで???」としか言えないbotになってしまった。

ああでも、そうか。
もういいんだね。もう大丈夫って思ったんだね。
そう思えるくらい、今日という日は特別だったんだね。
そんな日に、私は居合わせることができたんだね。

最後の最後に、特大のプレゼントをもらった気分だった。
胸がいっぱいになりながら、一緒に見に行った人に思わず言った。

「今日は『まふまふ 第2部完!』」って感じなんでしょうね」

2部、というのは、まふまふがまふまふになるまでの第1部が存在するだろうなと思ってのことだ。
そしてもちろん、「完!」というのは、物語が終わるという意味で言ったんじゃない。
特別な今日を超えて、新たな3部の始まりを感じたからだ。

第3部も、第10部も、第100部までも、どこまでもあなたの誇らしい人生と音楽を見つづけたい。

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