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正真正銘、生粋のロックバンドが私に教えてくれたこと

UNISON SQUARE GARDEN 「プログラム15th」に寄せて

今日は長い1日だった。いや、もう今は12時を過ぎているから昨日というべきか。なんにせよ、私は約4時間前に終わったライブの残像が頭から離れない。

2019.7.27
UNISON SQUARE GARDEN結成15周年記念ライブ「プログラム15th」 大阪・舞洲スポーツアイランド 太陽の広場 特設会場

会場に着くと、既にグッズを身にまとったファンが大勢いた。本当に大勢だった。上から眺めるとまるでアリの大群のようだった。それもそのはずだ。今回のライブにはなんと2万4千人もの人が集まっている。
ここでひとつ、私の知っている限り彼らは決して大きい場所でライブをするのを好んでいる訳では無いし、自分達のファンを「物好き」とさえ呼ぶこともあるほどなのだ。

では、なぜこんなライブが実現したのか。

もちろん、ひとつにはユニゾンが今年で結成15周年を迎えるということがあり、紛れもなくお祝い的なライブだからということがあると思う。彼らは昨年から「2019年はお祝いモード全開宣言」をしていた。B面集アルバムやトリビュートアルバムのリリースもあり、どちらも彼らが15年で積み上げてきたものを突きつける素晴らしいアルバムだった。

しかし、彼らがこれほどまでの人々を魅了するのは他でもない
UNISON SQUARE GARDENが正真正銘、生粋のロックバンドだからではないだろうか。

彼らは時に紆余曲折しながらも、自分達が楽しいと思うこと、カッコイイと思えることを貫き通してきた。それは彼らのストイックなライブスタイルやいつも我々の予想の一歩先をいくような作品をリリースしたりすることにも如実に表れていると思う。記念ライブのMCでGt/Voの斎藤はこう言っていた。

“僕はUNISON SQUARE GARDENを好きでいてくれる人たちを出来るだけ大事にしたいと思っていて。その方法はたった一つしかなくて。僕はその方法を知ってるんです。それは、これからも自分達のために音楽をやるっていうことです。”

そうだ、彼らはいつだって自分たちのために音楽を鳴らしてきた。ファンに媚びたり、周りのバンドに合わせたり、そういったことはしてこなかった。それは、もしかすると「遠回り」と言われるような道を通ることになるかもしれないし、このバンド優しくないな、と思われるかもしれないのだ。

“by the way ねえ ちょっと待って 目と目で通じ合ってやっとフィット そういう仲になりたいとかじゃなくて 逆で stand up yourself,OK?”
                            シャンデリア・ワルツ

“もしも僕が君の前まで来て 何かできることがあるとしても この手は差し出さない きっかけは与えたいけれど”
                            さわれない歌

“優しくなくても 正しくなくても 今日ぐらいは祝ってくれないかな”
             プログラムcontinued(15th style)

だからこそ、彼らの音楽は私達の心を掴んで離さないのだ。ユニゾンはブレない。不器用とも言えるほど真っ直ぐに、ゆっくりかもしれないけれど太く、確実に自分たちの信じる道へ歩を進めてきた。いちばん大切な軸を忘れることなく、しっかり守ってきた。そんな彼らの姿がユニゾンのライブを観た者を虜にしている理由の一つなのかもしれない。いや、そうだろう。

“わからずやには 見えない魔法をかけたよ ねえ、ワルツ・ワルツで”
                      シャンデリア・ワルツ

きっと、会場にいた人は皆この「魔法」にかかってしまったのだろう。
「ロックバンドの魔法」
この言葉ほど、しっくりくるものは無いだろう。まるで魔法のようにロックバンドば私たちを魅了する。そして、私たちもその魔法に惹き付けられるのだ。

“君がどんなフレームに僕を入れるのか 知りたいけど4年ぐらいは後でもいいか”
                       10% roll,10% romance

私たちは4年後、いや、この先ずっとこのロックバンドの魔法にかかり続け、彼らもまた私たちに魔法をかけ続けてくれるだろう。そんな、確信に似たような気持ちが生まれたのがこのライブだった。

“一聴ではわからないならそれこそが贅沢な暇つぶしって思いはしないかしら”
                   mix juiceのいうとおり

“一聴じゃ難解なんてこと 盛大に鳴らしてきたんだ 贅沢に思うだろう? 思わないなら別に良いけど”
プログラムcontinued(15th style)

もしかしたら音楽はただの娯楽、暇つぶしに過ぎないのかも知れない。しかし、音楽は、ロックバンドはそんな概念をぶっ壊す力をも持っていると私は信じている。どう頑張ったってミュージシャンとファンはそれ以上でもないし、それ以下でもない。ただ、私たちが勝手に魅了され、救われているだけなのだ。でも、私はこれ以上に素敵なことはないと思う。まったくの他人が一つの音楽を通じて繋がりを持てるのだ。音楽は人生に彩りや、活力を与えてくれる。
好きなミュージシャンのライブが当たったり、新譜の発売発表があれば当日までウキウキした気持ちでいられるし、いいライブを観た後は幸福感で満たされる、そして「明日からも頑張ろっかな」なんて思えたりする。

なんて素晴らしいことなんだろう。

私にこの幸せな事実を気付かせてくれたのがUNISON SQUARE GARDENだ。私はユニゾンに出会うまで音楽を聴いてはいたもののライブなんて行ったことは無かったし、音楽と密接に関わりを持ったことも無かった。しかし、彼らの音楽に出会って全てが変わった。音楽を楽しむことに喜びを感じ、もっともっと知りたい!と思うようになったのだ。ステージの上で心から楽しそうにライブをする3人の姿を観ていると、本当にこのバンドを好きでいて良かったと思わざるを得ない。
この記念ライブは言うまでもなく素晴らしかった。本当に自由に楽しめたと思う。何も考えずに、ただ目の前にあるステージに夢中になっていた。最高に楽しかったし、最高にカッコよかった。こんな幸せを味わって良いのかと言うくらい幸福感に満ちた空間が、そこにはあった。ユニゾンのこれからを確信させるようなそんなライブだったと言えるだろう。また必ずライブに行くんだ、という決意ともいえるような気持ちが生まれた。

アンコールは無し。彼らの15年がつまった2時間半。
この2時間半が彼らが正真正銘、生粋のロックバンドであることを証明するとともに、音楽の持つ力をも示しているように感じた。

音楽は、ロックバンドは、今日もそしてこれからも変わらず続いて行くだろう。

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