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15周年を迎えたロックバンドの奇跡

UNISON SQUARE GARDEN プログラム15thという何気ない記念日のライブを観て

UNISON SQUARE GARDENのファンになってまだ2ヶ月足らず。数ヶ月前までユニゾンと言えば、シュッとしたイケメンの綺麗な声を持つボーカルとありえない位によく動き回るベーシスト、ドラマーについてはよくわからない、そして主にアニソンを歌っているバンドという偏見のような印象が強くフェスでもあまり観る事が無かったのだが、とある対バンをきっかけに一瞬にしてどハマりしてしまった。今まで持っていた印象は、一度のライブで全く違う印象に塗り替えられてしまった。

2019年、彼等がちょうど15周年を迎えた事も知らず、近いうちにライブを見る機会がないかと検索した所知った結成15周年記念ライブ、プログラム15th。
大阪の舞洲スポーツアイランドにて行われる野外ライブ。大阪、しかも野外。ワンマンに行った事もなく、ユニゾンのファンを長くやっているわけでもない私が行っていいものか、悩んだ。そんな背中を押してくれたのがベース田淵智也のブログだった。

待ってるぞ。
来てくれ。

…よし、行こう。

行く事を決意してからは毎日がユニゾン一色の生活になった。聴ける音源は全て聴いた。そこでUNISON SQUARE GARDENの曲の幅広さに改めて驚く。そして1曲1曲の完成度の高さ、バンドの技術力の高さに驚くが、たまに遊び心満載な曲もあったり、聴いていて全く飽きる事もなく毎日聴いた。
ライブの1週間前からは天気予報を毎日チェックした。ずっと27日の予報は晴れで安心していた所に、まさかの台風発生の可能性。前日には奇跡のような虹が出た大阪。どうかライブ中は晴れますようにと願をかけ、てるてる坊主を作り出発。

舞洲へは15時過ぎに到着し、その時には雨は止んでいた。足下はぬかるみも多く、決して最高のコンディションではないが奇跡的にこの先雨の心配はないようだった。ブロック毎に移動し“UNISON SQUARE GARDEN PROGRAM 15th”というゲートが見えてくると、一気にライブの実感が湧いてくる。そして指定されたブロックに入り、雨上がりで蒸し暑い中ひたすら開演を待つ。

左右に設置された巨大スクリーンにFM802のDJ陣や大阪のライブハウスの店長からのメッセージムービーが流れ、いつものSE「絵の具」が流れる。メンバーが一人ずつステージに現れる。メンバーが巨大スクリーンに映し出されると、あぁ、やっと念願のユニゾンのワンマンを観れるのかと、少し涙腺が緩む。そこで始まったのが、
「だから今その声を捨てないで」
ボーカル斎藤宏介のアカペラから始まる、お人好しカメレオンだった。ライブが終わった後で知ったのだが、今まで一度もライブで演奏された事がないらしい。そういう背景も知らずに聴いていたのだが、この記念ライブの1曲目に田淵が選んだという事は何かしらの思い入れがある曲なのだろうとは思った。敢えて斎藤のアカペラから始まった所に、鳥肌が立った。スクリーンに映し出されたメンバーを見ていただけだったので、この時はまだ生でライブを観ている感覚が不思議と無かった。
続けてライブで盛り上がるナンバー、シャンデリア・ワルツ、君の瞳に恋してないと続く。ライブ映像で観ていた2曲だったが、ライブで聴くとより楽しく、一気に実感が湧いてきた。

今日は長いよ!という斎藤のMCから流星のスコール。まるで星が輝いて消えるようなギターのフレーズ。
≪想い続けて想い続けてさ ここまで来たんだよ≫
≪奇跡でも何でもさ 起これ 起これ≫
という歌詞に、今日という日が最高の日であるようにという願いが込められているように感じ、胸が熱くなった。

続くinstant EGOISTが始まると客席からは歓声が上がり、高く腕が上がった会場はより一体感を増した。キーの高いサビの歌声が心地良いリニアブルーを聴きながら、思わず身体を動かすのを忘れ、聴き惚れてしまう。

間髪入れず、「高らかに〜」と透明感のある歌声で始まるInvisible Sensation。個人的にとても好きな曲なので、思わず飛び跳ねてしまう。
≪だから、生きてほしい!≫
強く歌うこの曲に救われた人も多いのではないだろうか。ちょうどこの辺り、夕日がステージを照らし出していてとても綺麗だった。

少し間を空けて始まったのが8月、昼中の流れ星と飛行機雲。少し暑さが落ち着き、会場には緩やかに海風を感じる時間だった。夏の情景が描かれる少し切ないバラードが風に乗って野外の広い会場に響き渡る。

ドラムの鈴木貴雄がスクリーンに映し出され、セッションが始まる。ユニゾンのライブではセッションも目玉である事は下調べ済みだったのだが、まずドラムが予想の斜め上をいく。鈴木のドラムだけでも音楽が完成しているのだが、そこに田淵のベースが加わる。動き回る事もなく、その場で激しいベースラインを弾きまくる姿に見惚れてしまう。更に斎藤のギターも素晴らしい。歌いながら難解なギターを弾く姿も凄いのだが、セッションの時のギターを掻き鳴らす姿は、彼が間違いなく一人のギタリストである事を思い出させる。

そして続くオトノバ中間試験。イントロが奏でられた瞬間から会場の熱が更に上がるのを感じた。
≪楽しいを答え合わせ≫
その歌詞の通り、ただ楽しく体が自由に動く。

続いて始まったのはカウンターアイデンティティ。
≪僕らは声が枯れるまで 存在、続ける≫
強く歌う斎藤の姿に、終始鳥肌が立ちっぱなしだった。

そして最新シングルであるCatch up,latency。野外で聴く爽やかなメロディーが心地良い。1番新しいユニゾンもやはりカッコ良いという事を改めて思い知らされる。

ここでプログラムcontinued(15th style)。バンド結成15周年という事で歌詞が新たに書き換えられたこの曲を中盤のタイミングに持ってくるという所が何となく照れ隠しのように感じるが、まだこれからも続いていくバンドの途中という意味も込められているのかもしれない。
≪今日ぐらいは祝ってくれないかな≫
と斎藤が歌うと、客席からは拍手と「おめでとう!」という歓声が湧き起こる。私もこの時と曲が終わった時、盛大な拍手を送った。まだ明るい時間帯だった事もあり、ステージからは祝福の拍手を送る客席後方のファンの姿までも見えていたかもしれない。

黄昏インザスパイがちょうど夕日が沈む時間帯に演奏されたこともドラマチックだった。この日のユニゾンはまるで自然の演出までもを味方につけているようだった。
≪今日が辛いから明日も辛いままだなんて思うな≫
ユニゾンの中でもメッセージ性の強い歌詞にまたも涙腺が緩む。

そのままこちらも素晴らしいバラード、春が来てぼくらへ続く。ユニゾンのこの先を見守っていきたいと思える曲だ。優しい歌声に会場が温かい空気に包まれる。

ここで斎藤のMC。ユニゾンの過去の話題に触れ、その流れから「インディーズ時代に演っていた曲を」と曲名をコールし始まったのは水と雨について。まさかの選曲に驚く。田淵がどのような想いでこの曲をセットリストに組んだのか気になる所だが、ユニゾンの事を長く応援してきたファンにとっては、とても嬉しい選曲だったのではないだろうか。
そして美しいピアノの音から始まるharmonized finale。スクリーンに映し出される斎藤の表情はとても優しく、たまに微笑むように歌う姿が印象的だった。

≪その声がする方へ僕は歩き出す 君の待つ場所へ≫
斎藤が熱い気持ちを込めて歌っているように感じたcody beats。

そして10% roll, 10% romanceではまた会場の熱が上がる。辺りが暗くなってきたこの頃は曲に合わせた照明もステージを輝かせていて、周りの人も楽しそうに踊ったり手を高く上げたりしていた。

ここで鈴木のドラムソロ。ドラムに関して詳しくはないのだがとにかく色々なリズムが組み込まれていて、とにかく手数が多くスクリーンから目が離せない。そのスクリーンでは時折月が映し出され、三日月が満月へと近付いていく様子。たまにどこかで聴いた事のあるリズムが組み込まれていたように思う。鈴木が最終的に立ち上がりドラムを叩く姿は本当に格好良く、見惚れてしまった。
映し出されていた月と何か関係がある曲が来るのかと思いきや、始まったのは天国と地獄。会場のテンションが最高潮に近付く中、ここから畳み掛けるように盛り上がるナンバーが続く。真っ赤な照明が印象的だったfake town baby、とにかく会場の盛り上がりが凄まじかった徹頭徹尾夜な夜なドライブ。この流れは本当にただただ楽しかった。

そしてここでユニゾンの最もヒットした代表曲、シュガーソングとビターステップ。この後に3人のMCが続くのだが、盛り上がる曲が続くこの時間帯の最後を任されるのはこの曲しかないのではと思った。ステージがピンク色の照明で照らされ、先程までとはまた違ったライブの楽しさを感じる。

ここでMC。詳しくは触れないが斎藤は「これからも自分たちのために音楽を続けていく」と言った。その発言がファンにとってどれだけ嬉しい事だろうか。特にユニゾンはファンに媚びるようなバンドではない。ユニゾンがやりたい音楽をこれからも続けていく、それだけで十分なのだ。ファンがそれ以上に望む事などあるのだろうか、と思った。

続いて鈴木が話す。人間として欠けていた自分を才能のある2人が見捨てないでいてくれたという事、2人への感謝の気持ちを話す所から、今日のドラムソロやライブ、カッコ良かったでしょ?と聴く場面もあった。長めに話した中には、15年間の想いやドラムという立ち位置の話、そしてこれからの事など、そのMCには本当に胸を打たれたし、でもあなたも本当に才能がありすぎる唯一無二のドラマーだよ、と伝えたくなった。

田淵はずっとスクリーンに顔が映し出されていたのだが、なかなか話出さない。その表情は涙を堪えているようにも見えた。その中で振り絞るかのように「UNISON SQUARE GARDENちゅうのはすげぇバンドだなぁ!今日はよく来た!またやるぞ!」と話した。その言葉に客席からは大きな歓声と拍手が。15年間、バンドの事を考え走り続けてきた田淵へ、賛辞とお疲れ様という気持ちを込めて拍手を送った。

3人のMCの後に演奏されたのは、さわれない歌だった。始まった瞬間、自然と両目から涙が溢れた。ユニゾンにしては、ストレートな歌詞の曲だと思う。歌詞について深くは考えないようにしているが
≪この手は差し出さない きっかけは与えたいけれど≫
≪近づき過ぎないで ちょうどいい温度感であれ≫
この辺りに、田淵の想いを感じる。今思えば、その想いが歌に乗った事、3人のMCの直後という所で心を揺さぶられ涙が溢れてきたのかと思う。元々とても好きな曲ではあったが、このタイミングで聴いた事で更に想い出深い、大切な曲のひとつになった。

続けて桜のあと(all quartets lead to the?)が始まると周りも自然と「All quartets〜」の所でシンガロングが始まる。ユニゾンはあまりシンガロングを好まないイメージがあったが、今日は特別だ。そこだけは、私もここぞとばかりに歌った。田淵が笑顔でステージを駆け回る姿を見て、客席にもその楽しさが伝染して皆自然と笑顔になっていたように思う。

ユニゾンをこの曲で知ったという人も多い代表曲のひとつ、オリオンをなぞる。
≪僕がいて あなたがいて それだけで 十分かな≫
この部分の「あなた」を強調して、客席をしっかり見ながら歌う斎藤の姿にまたグッと来てしまい、再び涙が溢れた。このユニゾンを代表する2曲に、最高の盛り上がりを見せた会場。とても幸せな気持ちになった。

今日のライブは、アンコール無しと前のMCで斎藤から伝えられていた。最後の最後に演奏されたのはユニゾンのメジャーデビュー曲、センチメンタルピリオドだった。満を持して演奏されたこの曲に3人の決意のようなものを感じ、ただただ感動した。まさに、この15周年の記念ライブのラストに相応しい選曲だった。
長かったライブを名残惜しむかのように鈴木が締めの音を鳴らすまで3人は笑顔で向かい合い、同時に最後の音を鳴らし、ライブは締め括られた。

26曲、ブレずに歌い切った斎藤の声は本当に凄かった。もちろん斎藤だけではない。激しく動き回りながらベースを弾きながらも、遠くまで移動して間に合わなくなりそうなコーラスまで完璧にこなしていた田淵。後ろでリズムを支えながらも、時に優しい表情で客席に目線を送り続けていた鈴木。とにかく「凄い」3人が揃っている。田淵が言っていた「すげぇバンド」その通りだった。

更に田淵は助走をつけてハンドスプリングをし、満足そうな顔を見せる。
最後にステージ前方に出て来た鈴木は真ん中で後ろを向き、羽織っていた服のバックに描かれたPROGRAM 15thの絵を客席に見せつけ、最後に胸に手を当てて捌けていった。3人が見えなくなるまで、会場からは大きな拍手が鳴り止まなかった。

ここで突然、花火が上がる。ここまでこのライブの中で大きな特効などは無かったのだが、まさかの花火。スクリーンには1年から15年までのカウントが映し出され、それに合わせ花火が1発ずつ上がり、15年になった時、花火が一気に打ち上げられた。夏、野外ならではの憎い演出。また更に会場に歓声と大きな拍手が起こる。雨が降らなくて本当に良かった。27日は天気予報ではずっと雨、台風がすぐそこまで来ていたとは思えない、奇跡のような1日だった。

UNISON SQUARE GARDENの結成15周年記念ライブ、プログラム15thはこうして幕を閉じた。

まだファン歴も浅い自分が、こんなレポートを書くのはとてもおこがましい事だと思ったが、どうしてもこの時に感じた事を残してみたかった。
UNISON SQUARE GARDENは間違いなく、最高のロックバンドだった。これからも自分たちの音楽をただ鳴らし続け、聴かせて欲しい。

ロックバンドに祝福を。
UNISON SQUARE GARDEN、結成15周年おめでとうございます。

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