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京都大作戦というホーム

太陽が丘で見る10-FEETの素晴らしさ

10-FEETのホームグラウンド。そう痛感させられる京都大作戦のアクトだった。

生まれてから高校卒業まで海外で過ごした私が京都大作戦の存在を知ったのは高校1年生の頃。
邦楽ロックを聴き始め様々なバンドのライブ映像を辿るうちに10-FEETを発見し、これだけ多くの人数を笑顔にしたり飛び跳ねたりさせるだけでなく、曲やMCを通じて感動を与える様に衝撃を受けた。
画面の中に映る源氏ノ舞台をいつか自らの目で見ることができますように、と願いながらYouTubeなどで動画を漁っていたあの頃から6年。日本の大学へ進学し、就職活動が終了したタイミングでの初参戦となった。

去年の中止を受けて初の4日間開催となった今年。雨予報の多い日程ではあったが最終的に参戦した2日目以外は天気も崩れず、その2日目も雨が似合うクリープハイプと晴れが似合うWANIMAに合わせるようなタイミングで雨が上がっていた。
朝から降り続いた雨で足元がほぼ全て水溜りのような環境にも関わらず初っ端のDizzy Sunfistからモッシュやダイブが生まれ、天候の影響を感じさせなかった。
泥まみれになりながらも笑顔で楽しむ人たちの姿を見ると、どれほどこの京都大作戦というフェスが待ち焦がれていたのかがありありとわかった。

観客だけでなく出演者たちもMCや楽曲のカバーなどを通して10-FEETへのリスペクトや愛を表し、京都大作戦というフェスがここまで大きくなった理由を垣間見れた気がした。

各バンドが去年中止になってしまった悔しさをぶつけるかのようなライブを行い、今年のサブタイトルとなった「倍返しです!喰らいな祭」の名に恥じぬ熱量が感じられたのだが、それは出演者だけでなく観客も同じで、アーティストに負けないくらい楽しんでやるぞ!という気持ちが溢れていたように思う。

午後6時40分、お馴染みのSEが流れ始めると無数のタオルが掲げられる。ここまでは10-FEETのライブに行ったことがある人ならば必ず見る光景だが、この日はいつもと異なる点があった。
直前まで牛若ノ舞台でライブを行っていたはずの冠徹弥(THE冠)が最前の中央でリフトされている姿がカメラに抜かれると観客のボルテージはより一層上がり、ステージに出てきた10-FEETメンバーもそれを見て笑っていた。

ここから「VIBES BY VIBES」へと入りライブがスタートした。私は京都大作戦こそ初めてではあったが10-FEETのライブは他のフェスで何度も見たことがあり、その凄さは知っていた。
つもりだった。
TAKUMAの“GO”の掛け声とともに全員、文字どおり源氏ノ舞台に来ていた全員が歌詞の全てを歌い、TAKUMAに煽りと同時に跳び、それは曲が終わるまで一瞬も止まることはなかった。
その場にいる全員が見ず知らずの人にもかかわらず、10-FEETが好きという共通点だけで凄まじい一体感が生まれていた。
他のフェスとは異なり、全員が10-FEETを見るために来ているという点だけでここまでの違いが生まれるのか、と大きな衝撃を受けた。

続いて去年中止になった際にクリープハイプがカバーし動画を送って来てくれたという「Fin」や京都大作戦でしか見ることのできない大阪籠球会とコラボした「goes on」が演奏され、4曲目の「風」へと続いて行った。

個人的にこの「風」という曲には非常に思い入れがある。というのも、高校時代にYouTubeで見た京都大作戦のライブ映像の中で最も印象的だったものが東日本大震災直後の2011年の「風」だったからだ。
私は東北出身でもなく、震災当時日本にいたわけでもないが、TAKUMAの歌が心に響き、震災への関心を強めるきっかけにもなった。この感情を揺さぶる力というものは10-FEETの大きな魅力であり、音源ではもちろん、ライブではより一層感じられるように思う。

続けて演奏された「太陽4号」のようにゆったりとしたメロディーの曲から「Fin」や新曲の「ハローフィクサー」のように激しいかつエモーショナルな曲まで幅広い楽曲が存在するが、全てに共通しているのは根底にあるまっすぐさや優しさではないだろうか。
だからこそ老若男女多くの人々が10-FEETの音楽に日々救われ、ライブでは涙する。そしてその集大成が京都大作戦というフェスなのだと感じた。

終盤の「RIVER」ではDragon AshのKjだけでなくこの日出演がなかったSiMのMAHも呼び込まれ、アンコールでは同じくこの日出演がなかったROTTENGRAFFTYからNOBUYAが登場した。

バンドとしての出演が無くてもステージ袖に集まる仲間たちの存在や愛を通して、私たちが10-FEETの音楽を通じて感じる彼らの人間的な魅力が間違っていなかったと実感できる。
ラストの「CHERRY BLOSSOM」では源氏ノ舞台いっぱいにタオルが舞い、笑顔でのフィナーレとなった。

10度以上開催されているにもかかわらず、10-FEETのライブには油断も慢心もなく、反対に普段以上に気合が入っているように見えた。
常に最高が更新され続けるフェスにおいて全てのアクトが素晴らしいライブを披露し、盛り上がりも非常に大きかったが、10-FEETのそれら全てを上回るライブパフォーマンスと観客の盛り上がりは流石という他なく、改めてすごさを実感させられる。
そして、初めて京都大作戦に参戦して最も思うことは、10-FEETが好きだからこそ行ってよかった、ということだ。

これまで見てきた10-FEETのライブが全てアウェーでのライブだったのかと錯覚するほど、太陽が丘でのライブは圧倒的なホーム感を醸し出していた。

来年も、再来年も、10-FEETが京都大作戦を開催し続けてくれることを強く願う。
そして、10-FEETが好きな人は行くことを強くオススメする。

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