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ベッドルームから世界へ、ベッドルームポップの持つ可能性。

おじさんRex Orange County, Clairo, BOY PABLOって聞いたことある?

「ベッドルームポップ」と言う単語を聞いたことがあるだろうか?
今、若い世代を中心に、世界を席巻しつつあるのがこのニュージャンル「ベッドルームポップ」である。

アメリカからはRex Orange County、Clairo、Cuco、Wallowsなど、UK勢ではbeabadoobee、Yellow Days、Puma Blue(The 1975を中心に活動しているレーベルDirty Hitがこのムーヴメントの煽りを受けている)。また、その他の国にもフォーカスすると、ノルウェーのBOY PABLOや、タイ生まれニュージーランド育ちという経歴を持つのPhum Viphuritと、あげ出せばきりがないベッドルームポップミュージシャンたち。

彼らはコンピュータを使い「プロデュース」の作業が自分自身ででき、つまりはベッドルーム(寝室)でパソコンと楽器さえあれば曲が作れるミュージシャンなのだ。なんとも現代風であるが、サウンドは少し懐古主義的な感じさえする、というのも完全DIYサウンドであるからであろう。かつてのロックミュージシャンが求めていた「誰も聞いたことがない音」をベッドルームポップミュージシャンはコンピュータ上で探っているのである。この音はローファイ、チープと英語では表現されるが、わかりやすくいえば「荒削りゆったりサウンド」といったところだと思う。
近年はサウンドクラウドのような、音声ファイル共有アプリが広がりを見せており、音楽を作ることがとても身近なものに待っている。その音楽のあり方の変化も相待って、今、ベッドルームポップは最もアツいジャンルの一つになっているのかもしれない。

こんなことを21歳の大学生が言うと、世の中のロック大好きおじさんたちがなんと言うかわからないけれど、The KinksやThe Beatlesがやろうとしていたことと、ベッドルームミュージシャン達がやろうとしていることは、なんら変わりのないことだと思う。60年代に活躍していたロックミュージシャンも今のベッドルームポップミュージシャン達も求めている音は「誰も聞いたことのない心地のいい音」であり、そのためならスピーカーの振動板にピンだってさす(The Kinksの代名詞、ディストーションサウンドはそうして作られた)し、オーケストラ、ピアノソウル、サルソウルだってロックだって詰め込んだ(Rex Orange Countyの2ndアルバムApricot Princessをお聞きいただければお分かりになるかと思う)。

音楽の聴き方は変わり、流行も変わった。けれど、ミュージシャンの求めているものは変わっていない。ビートルズ世代のチルドレン層が今の20代な訳であるが、自分自身、親と音楽の話をしていると思うのだが、リスナーが求めているものや、音楽に委ねているものも変わっていない気がする。
かつて自分の親がThe Beatles、The Rolling Stones、The Who、The Kinks、The Beach Boys等々(名前を挙げだすとキリがない)の楽曲に委ねた孤独感は時を超えて、寝室で孤独に曲を作る彼らの耳に響くのであり、噛み砕かれて僕らの孤独感の置き場を作るのである。

上記に述べたこと諸々と、ベッドルームポップの高鳴りは近年のアナログレコードの再評価にも繋がっていると思う。なぜなら作り手の手法がテクノロジーの発展により、一周してDIY化し、聴き方もその流れとともにアナログレコードという形に帰化したからである。ぜひ、世のロック好きおじさん達にもベッドルームポップのレコードを、レコードコレクションの棚においていただきたい。もちろん、針も落として欲しい。

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