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get down with w-inds.!!!

w-inds.41stシングル『Get Down』発売によせて

先日7/31(水)、w-inds.の41stシングル『Get Down』が発売された。私自身はw-inds.というといわゆる月並みな表現にはなるが、10代前半の頃から音楽シーンに颯爽と登場し、その甘いマスクとハイレベルのダンスパフォーマンス、そしてヴォーカル・橘慶太のハイトーンヴォイスによる楽曲で女性ファンを中心に爆発的な人気を獲得し、そのキャリアを築き上げてきたという印象を持っているし、概ね世間の印象もそうであると実感している。しかし、(w-inds.ファンには多少失礼な言い方になるかもしれないが)彼らが10代を過ぎた頃から一般的なシーンではあまりその姿が見かけられなくなったように思う。なので、私の彼らに対するイメージはまさに上述のような10代の華々しい時代のイメージのままで止まっていた。

そんな折、ふとYouTubeの「あなたへのおすすめ」で上がってきた今作『Get Down』のMVのshort ver.を観てまさに「衝撃」を受け、勢いのままに本文を書いている今である。何が「衝撃」だったのか。それは冒頭の世間的・一般的なw-inds.に対するイメージ(すなわち、当時の私自身が持っていたイメージ)であるものは変わってはいないのだが、それらが究極的に「洗練」されソリッドな形で現在の彼ら自身へのスタイルに昇華されていたところであると思う。このMVが公開されて約3週間程であるが、今回強烈に惹き付けられた私自身が彼らのキャリアを遡るように回顧し始めるのにかかる時間はまさに刹那的ですらあった。余談ではあるが、私自身の今回受けたこの「衝撃」は三浦大知の『Cry & Fight』を初めて聴いた時と似た程のものであり、なんとなく三浦大知と同じようなキャリアの描き方をしているw-inds.にすっと感情移入できたのはそれが一因であることは間違いないと思っている。

彼らのことを知るにつれ、現在の彼らが獲得したスタイルを構築しているものの要因として外せないのは、アルバム『INVISIBLE』から始まった橘慶太による「セルフプロデュース」であると思う。私自身今回の『Get Down』から遡り次から次へと彼らの楽曲を耳にし、同じような「衝撃」を受け続けているが、やはりその中でもアルバム『INVISIBLE』以降の楽曲には橘慶太のクリエイターとしての「魂」のようなものがより楽曲の中で響いているように感じ、妥協を許さずストイックに突き詰めながら楽曲製作を行っている様子が目を閉じると浮かんでくるようである。正直な話、(言い方に語弊があることを恐れず言えば)冒頭のパブリックイメージに染まっていた私には、彼らはいわゆる楽曲を提供され歌って踊る一般的なアイドルグループだと当時は思っていたが、ここまでミニマムでコンテンポラリーなサウンドで、隙のない楽曲を作り上げられる彼らの才能に驚きを隠せないし、ここで改めて彼らに出会えたことにただただ感謝したいと思う。

肝心の本作『Get Down』の通常盤には3つの楽曲が収められているが、その3曲ともが全く趣の異なる楽曲であり、表情も色も違う。(特定してしまうので敢えて書きませんが)どなたかがTwitterで書いていた、「3曲しかないのにまるでミニアルバムを聴いているかのよう」であるとはまさに言い得て妙だなと。タイトル曲の『Get Down』は攻撃的なビートでダンサブルな高速トラック、一方カップリングの2曲目『Take It Slow』はそのタイトルが示すように橘慶太の低音ヴォイスから始まる落ち着いたナンバー、そして3曲目の『Femme Fatale』はミッドテンポでサビに向かうにつれ内包する熱量が上がるようなR&B、さらに今作唯一歌詞をメンバーの3人で共作している珍しい曲。このようにそれぞれの楽曲のタイプや曲のテンポ、音の強弱と異なるトラックが配されていることが聴き終わった後に前述のような感想をもたらしているものだと思う。

そんな多面的な楽曲を作っているのは、メインヴォーカルの橘慶太であるが、メンバーの2人、千葉涼平・緒方龍一のMV内でのダンスパフォーマンスのシンクロ率とキレは言わずもがなだし、何よりセルフプロデュースになって以降のこの2人の歌もラップも今までの楽曲よりさらに色を付けているし、何というか「存在感」がより大きくなりさらに増し、それが現在のw-inds.のスタイルを形作る大きな要素であると思う。

緒方龍一もあるインタビューでこんなことを言っている。

『そうですね。独特の空気感があるんですよ。単語一つとっても、3人それぞれが歌うと全然違うんで。そういう3人の特徴を散りばめつつも、サウンド全体は心地よくて。』
(DI:GA ONLINE【2018.06.01 18:00】より)

アルバム『100』の時のインタビューでの言葉ではあるが、彼らの確立した現在のスタイルは元々持っていた3人の特徴や空気感の組合せや化学反応の結果を端的に示したものであることが楽曲からよくわかる。そして、それはこの3人だからこそ成し得るものであることを同インタビューで千葉涼平も言っている。

『それぐらい音がすげーかっこいい。去年から出してきたシングルもそうですけど、改めてね、そうつっこみを入れたくなるような印象を受けました。そういう楽曲が(同じグループの)仲間から生まれるというのが誇らしいですね。(中略)メンバーが作ることで、よりリアルなメッセージとして自分たちが表現できるようになったと思いますね。』
(DI:GA ONLINE【2018.06.01 18:00】より)

つまり、w-inds.サウンドの要である橘慶太の元々持ち合わせているクリエイティヴィティの素晴らしさはもちろんであるが、そこに色を付け、色を足しているのは千葉涼平・緒方龍一の両名の存在であり、彼らが橘慶太に与えるインスピレーションは我々が思っている以上に「ハンパない」ものであるのは確かだし、その3人が作り上げた作品に隙がないのは必然であるように思う。

願わくば、この才能を再び世に知らしめる為に、ロッキング・オン・グループ様には風の噂に忖度せずに、ロックジャーナリズムの下、彼らの後押しをガンガンにして頂きたいと多くのw-inds.ファンも思っているはずだということを最後に付け加えておきたい(笑)

“さあ踊ろうぜ このフロアを一変 見たこと無いColor フェイクじゃ無いぜ”
(『Get Down』/ w-inds.歌詞より)

リアルな才能が輝きを放つ彼らの「色」に染まって、このフロア(=シーン)を引っくり返す、そんな2019年夏になりそうな予感しかしてこない猛暑日の今そんなことを思い、このw-inds.から放たれた熱波を余すことなく1人でも多くの人に受け取ってもらいたい。

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