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サーチライト

ビレッジマンズストアに出会った話

好きな色は?という質問は何かとよく聞かれる。小さい頃今は亡き祖母から聞かれて「オレンジと黄色!」と素直に答えたら、母からひどく怒られた。というのも、それは「七五三の着物を作るため」の質問だったからだ。結局、祖母は困惑しながらも何軒も呉服屋をまわって鮮やかなオレンジの生地を探し、誂えてくれた。最高にかっこいい着物だった。今でも細かい柄や着た時の気持ちははっきりと覚えている。そんな訳で私にとって好きな色は?という質問は特別な意味を持つ。

前置きが長くなったが、「色」に特徴があるビレッジマンズストアの話をしたい。
きっかけはサブスクアプリのあなたへのオススメという項目を何の気なしに再生したところ、2曲めにビレッジマンズストアの「ザ・ワールド・イズ・マイン」が現れた。イントロのギターのどこか懐かしいメロディと特徴のある高めの嗄れ声のボーカル、一癖ある歌詞、全てに引き込まれた。すぐに検索した。赤い。真っ赤なスーツに黒いシャツ、白いネクタイ、水野さんは白の羽根マフラーをつけてる写真もあった。鮮やかな赤が目に入った。この瞬間、灰色だった私の世界が少しずつ色がついていった。

ビレッジに出会う前後の個人的な話をすると、社会人になり思わぬ形で東京から少し離れたところで一人暮らしとなった。いつしか仕事に追われ生活に追われ、「音楽を流す」ことはしてても耳に入ってなかった。特にビレッジに出会う直前は所構わずよく泣くくらい、色々限界だった。だからサブスクのオススメを再生した理由も正直よくわからない。何かを変えたかったんだろうか。

とりあえず、ビレッジと出会ったことで大きく変わった。すぐに行けるライブはチケットがソールドしてたのでムロフェスまでライブはお預けとなった。恋は3ヶ月で冷める、というジンクスが頭を掠めた。好きなバンドが好きだったバンドになる経験もたくさんして、大人になった。けれど、それは杞憂だった。むしろムロフェスが近づくにつれて、毎朝カウントダウンしてた。そして先日迎えたムロフェス2日目。私にとって、社会人になって初めて行くライブだった。

ムロフェスで見たビレッジは本当に輝いていた。リハの黙らせないでから飛ばしてて、めちゃめちゃかっこいい音を鳴らしていた。けれど1番は「変わったってことは辞めなかったってこと!辞めなかったってことは前に進んでるってこと!」と力強く言う水野さんの言葉だった。仕事を辞めたいとぼんやり思ってた頃に出会ったバンドからの言葉は、花形の部署から異動して失意の中だらだら仕事を続けてた私に刺さった。前に進んでるんだ私。そう気づかせてくれた。

きっとこれから、ビレッジマンズストアも私も変わっていくんだろう。それがいい変化なのかは分からないし、そもそも変化に「良い」「悪い」があるのかも分からない。それでも、ただ私は変化の先にあるビレッジマンズストアを見たい。私も今度は、学生の時と変わらずにライブハウスに行くから。
ビレッジマンズストアは今年、御礼参りをやっている。そして、私の手元には2枚のチケットがある。変化の先で、また会いましょう。

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