2541 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

Don’t deny,give it a try!!

SAのスローガンと考察

 「否定するな、受け入れろ」、その言葉をスローガンに掲げるバンドがある。もし、言った相手が大嫌いな上司だったら、今の時代、パワハラ扱いされかねない。自由を履き違えた表現が台頭するのに比例して、表現に対する足枷が増えてきている。そんな中、SAは真っ直ぐにぶつかってくる。
 SA(エスエー)という化学記号のようなバンド名。華があるという言葉は彼の為にあるのではないかとさえ思えてくるボーカル、TAISEI。感情を呼び覚ますようなギター、NAOKI。誰よりも笑顔で難しいフレーズを造作なく奏でるベース、KEN。観客を躍らせてしまうドラム、MATCHAN。
 中学生になるころ、Windowsが爆発的に普及した。高校生になるとケータイを持つのが当たり前になった。学生時代、クラスで自分の好きなアーティストを好きな子は一人もいなかった。「それ、知ってる」という子はいても、名前を知っているだけだった。それ以来、当たり障りのない話をするのが癖になった。リアルの世界の中で同じものが好きな人と出会える人もいるだろうけれど、地方都市でそれを求めるのは絶望的だった。
 ガラケーからスマホになって、SNSを誰もがやる時代になった。同じ趣味を持つ人とつながる。好きなものを好きと言うだけのことにさえ、ほんの少しの勇気が必要だったのに、簡単にシェア出来てしまう。わかってもらえないとすら思っていたことでさえ、親指で繋がる世界では容易く「いいね」される。アーティストを通して、自分の内面を吐露しても良識の範囲内であれば誰にも咎められない。
 自分と言う存在に与えられる符号。時に蠅のようにまとわりついてくるのに、切り離せないものたち。職場での立ち位置、役職、会社同士の付き合いの中での自分。~さんの息子さん・娘さん、~さんの旦那さん・奥さん、~ちゃんのパパ・ママ。私は、与えられた符号が自分だと思っていた。現実の世界の生き辛さの反動で自分の言葉でどう感じたのか、どう思ったのかを素直に表現できる世界に救いを求めていたのかもしれない。
 好きな服を着てライブに行く自分と、普段の自分。どちらも、自分であることに変わりはないのにどちらかが偽物のような気がしていた。好きなことを貫くって、楽しいことばかりじゃない。自分が好きなものをどう思われようと構わないって思える自分もいれば、どう思うかはさておき否定的なことは耳にいれたくない自分もいる。思いがけない悪意に怯むこともある。イヤホンをして聞えないふりをしたくなることもあるけれど、安穏とした自分の世界から一歩踏み出したい。
 ≪Just talk with neighbourhood (まずは隣のヤツと話をしてみるってどうだい?)
Maybe something will start,would be spread (たぶん何かが始まるはず 要は世界が広がるってこと)≫
 受け入れるって難しい。自分なりに受け止めて、自分の答えを正解にするってことだ。今日も、人と関わりながら自分なりの答えを探しに行く。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい