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私の「宿命」

Official髭男dismと創り上げた音楽を通じて

【宿命】(しゅくめい)
前世から定まっている運命。避けることも変えることもできない運命的なもの。____
 

7月26日。私は、都内のとあるレコーディングスタジオへと足を運んだ。Official髭男dismの『宿命』という楽曲の、ブラスバンドバージョンを収録するためである。全国から、ブラスバンド、コーラスの高校生プレイヤーを募り、髭男の4人とレコーディングが出来るという夢のようなこの企画。髭男の奏でる音楽が大好きで、中学1年生から吹奏楽部で打楽器を担当している私は、この企画を耳にしたときに「運命だ!」と感じざるをえなかった。そして私は、動画審査を通過し、パーカッションとして参加させて頂くことになったのだ。スタジオまでの道のりを歩く中で、汗がワイシャツに滲んでいたが、それすらも気にならないくらいに心の中は緊張と高揚でいっぱいだった。
沖縄から北海道まで、全国各地から集まった総勢53名のブラスバンドメンバー。「初めまして」が飛び交う中で、「このマレット固いですよね」とか、「この小節同じ動きしてますよね?アクセントの位置教えて貰ってもいいですか?」といった、音楽的な話を通じて仲が深まっていった。休憩中、他のパートの仲間が吹いた曲を懐かしみ、皆でアンサンブルすることもあった。普段練習している場所も環境も違う、初対面の仲間たち。音楽を通じて心を通わせるって、きっとこういうことなんだと思う。

レコーディング・MV撮影を行ったのは、2日目の7月27日。レコーディングの前に、メンバー全員が「とにかく楽しんで!」ということを繰り返し口にしていたが、その言葉通り、本当に楽しくレコーディングを終えることが出来た。最初、私の心の中を渦巻いていた不安や緊張は、一瞬で吹き飛んでいってしまった。冒頭から鳴り響く金管楽器の力強い音色や、ピアノとフィンガースナップと共に流れる、藤原さんの力強くも繊細な歌声、間奏で歌われる美しいアルトソロ……「私的聴き所」は、ティンパニとスネア、そしてコンサートタムズによる打楽器ソリの最後に、1発どん、と打ったと同時に歌われる「届け!」だ。叩いていたときも、改めてMVを観ている今も、ゾクゾクと鳥肌が止まらなかったし、止まらない。自分の音と52人が奏でる音、そして髭男が鳴らす音がすべて1つになった時の感動は、一生忘れることはないだろう。
 

MVが公開され、SNSを通じて様々な声を頂いた。「力強い音に元気を貰えた」、「感動して涙が出た。音楽って素晴らしい」。私たちの音楽は、確実に届いている。届いているんだ。
高校でも音楽を、吹奏楽を続けると志したあの日の決断が、私の「宿命」だとするのならば、私はそれを全うできているのだろうか。私は、私が生き続ける限り、音楽を続け、届け続けるだろう。
だってそれが私の「宿命」なのだから。

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