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消えたランプとへなちょこバンド

BUMP OF CHICKENというマッチが私に再び灯すもの

楽曲やバンドとの劇的な出会いだとか、はたまた大切な人と出会えたとか、そういった大きな出来事ではきっとないだろうなと思う。
でも、今、私はBUMP OF CHICKENを好きでいてよかったと、全身で感じながら毎日を生きている。
好きでよかった。そう感じたから、ここに書き留めておこうと思う。

私は絵を描くことが好きだ。音楽を聴くことと同じくらい。
それはもう物心がついた時から今に至るまで続いていて、まあ飽きずにやっているものだなあと思っている。
20年と少し生きてきた中で、もちろん絵が描けないこともあった。俗に言う「スランプ」というやつ。しかし私の場合「スランプだ」と思っても3日もあればケロッと治っているような感じで、後々思い返すと深刻だったことは実際1回も無かったし、もうほぼ毎日色んな絵を描いていた。
しかし段々と、ぽつ…ぽつ……と絵を描くことが少なくなっていった。
私にとって絵を描く原動力は何かを「好き」でいることと、そして言葉にまとめきれないそれを表現するという「熱量」だ。
「好き」なものは山ほどあった。今もある。
ただ「熱量」が少しずつ少しずつ、減っていった。20年と少し、絶えたことがなかったランプの灯のようなものが、フッと消えた。
私は絵を描きたいという気持ちと裏腹に無くなったそれをどうにかしようと必死だった。色んな音楽を聴いたし、漫画も読んだ。映画だって見たしゲームもした。
増えた「好き」が、いつかまたそこに火を灯してくれるように、手を動かしてくれるように。
それが1年ほど前の話。

そんなふうに色んなものに触れる中で、ある日「GO」のベースがよく聴こえた。
今までも何回だって聴いていたのに、なんで今?それにしてもいいな、なんだか楽しくなっちゃうな。
……これ、弾いてるの誰なんだろう?
音楽は好きだけど、今まで弾いてる人に興味を示すことは全く無かった私だった。でもなぜだかその時は無性に気になってしまって。
そうして調べたインターネットの中、BUMP OF CHICKEN「GO」の日産スタジアムでのライブ映像を見た。
びっくりした。
ステージから伸びる光芒、ひらひらと舞う紙吹雪、スタジアムいっぱいに広がる光の海、優しくでも力強く響く音たち。
ライブの音が、映像が、こんなにも美しく存在するなんて!私の記憶の中では、ライブ映像なんて画質はボロボロ音はジャギジャギ…そんな印象しか無かったから。
そして、何より聴いた音そのままに楽しそうな笑顔で立つベーシストの姿があったこと。彼だけじゃない、ボーカルも、ギターも、ドラムも、オーディエンスもみんなみんな、楽しそうできらきらしていて眩しくて。狭い部屋のモニターの前で、釘付けになった。
それからは早かった。すぐ他のアルバムを借りてきて、初めてバンドのメンバーの名前を覚えた。転職をして、その初めてのお給料でPATHFINDERの円盤を買った。人生初のライブ円盤だった。
とにかく毎日、彼らの音楽を聴いていた。その中で強く強く思っていたこと。
BUMP OF CHICKENのライブに行きたい!
彼らの演奏と、あの美しいPIXMOBの光の海をこの目で見たい!
そんな私に舞い込んだ新アルバム「aurora arc」とライブツアー「aurora ark」の発表。ありがたいことにチケットが当選し、メットライフドームの公演に参戦してきた。

画面とイヤホンの向こうだった光の海が、彼らが連ねる音符たちが、『生きるのは最高だ』と声を出せることが、全てが夢のようで、でもたしかにその時『想像じゃない未来に立って』いた。

「流れ星の正体」を歌い上げる藤くんの横顔が強く強く印象に残っていて、忘れないうちにと辛抱堪らず帰りの新幹線の中で久しぶりに絵を描いた。他にも描きたいと思った絵のメモを残した。
心の底からワクワクした!時間も足りないし手も足りない!こんなに描きたいものがあるのはいつぶりだろう!
BUMP OF CHICKENというマッチは、私のランプにもう一度火を灯す。
aurora arkメットライフドーム公演2日目、最後のMCで藤くんは言っていた。要約になるが「君たちが好きなことをしたりしても笑えない日がいつか来るかもしれない。そんな辛い時に俺たちの曲を聴いてくれとは無責任だから言えない。でも、そういう時も俺たちの歌は君たちの傍にいることを忘れないでください」と。
一夜明けて、朝にふとその言葉を思い出して布団の中でひっそりと泣いた。
私はあの日にメットライフドームで見たオーロラ、光芒、宝石、灯、魔法、流れ星……輝く彼らの全てをきっと忘れないと思う。
 

今日も私は、絵を描いている。
こうした言葉で表しきれない「好き」を「熱量」にして。BUMP OF CHICKENが好きだという気持ちと精一杯の感謝を込めて。
一生続くとさえ思えた暗闇を照らしてくれて、
私の傍にいてくれて、ありがとう。
 
 

※文中『』はBUMP OF CHICKEN「ray」、「記念撮影」からそれぞれ引用

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