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生きるって大変だけど、最高だって感じたよ

ROCK IN JAPAN FES 2019でBUMP OF CHICKENをみた日

「あ、車輪の唄!俺これ知ってるねん」
集会の退場曲で流れた曲を得意げに自慢してくるクラスメイト。
「いい曲だよ」
人生でBUMP OF CHICKENというバンドを認識した瞬間だった。

『魔法の料理~君から君へ~』がリリースされた。

中学の頃の私は、夢は必ず叶うものだと信じていたし、なににだってなれると思っていた。
だから、この言葉を聴いたとき、なにか冷めた気がした。

〈期待以上のものに出会うよ でも覚悟しておくといい〉
〈君の願いはちゃんと叶うよ 大人になった君が言う〉

叶おうと努力することは、とても大変なことだと気付き始めた中学の頃。
覚悟がなければ夢なんて叶わないと知ってしまった現実。覚悟が持てなかった現実。
「大人になるって怖いことなのかもしれない」と感じてしまった瞬間だった。

この曲がきっかけで、芋づる式にバンプの曲を聴き漁る。
たくさんの曲を何回も何回も聴くなかで芽生えた感情はわたしの夢となった。

「いつか生でバンプを見たい、曲を聴きたい」

ライブ映像がみれる動画サイトを見つけてからはひたすら見漁った。
なにかのフェスでBUMP OF CHICKENの4人がステージに立つ様を見た時、
「動いてるの……はじめてみた」と感動した。
「あんなに細いのに、どこからこんな強い声が出るんだろう」と藤君に釘付けになったのを覚えている。

中学の頃にバンプを知り、それからはずっとバンプを聴いてきた。
どんなときもバンプの曲に助けられたし、背中を押された。

生きていれば、ネガティブな感情やポジティブな感情になることがある。
笑って過ごせる毎日ばかりではない、泣き続ける毎日もある。
なにかを耐えたこともあれば、諦めてしまうこともある。
噓と戦う日もあれば、認めてしまう日もくるだろう。
生き続けたいと思う日があるように、死にたいと思う日もくるだろう。

バンプは、なにも知らない夢見がちな私に「生きていくってこういうことだろう」って教えてくれた。

高校を卒業して、大学を辞め専門学校に進学。
最初はとても楽しかったが、納得できないことや就職する未来がみえなくて不登校になりかけた。
必修科目だけ出席し、なんとか卒業したけど、就活を全くしていなかった私はフリーターになった。

「なににだってなれる」と息巻いていたあの頃とはかけ離れた未来を歩むことになる。
金銭面では自転車操業の毎日で、貯金すらできず、
趣味に使うお金はおろか、親や好きな人になにもしてあげれない自分がいて悔しかった。

このままではいけないと、プログラミングの勉強をし、
「文章に関わる仕事がしたい」といまの会社の門をたたいた。
最初はアルバイトからだったけど、「正社員になりたい」と上司に伝えると、
2ヶ月後には正社員として雇用してくれた。

紆余曲折した就職だったけれど、無事正社員になれたときは、
同い年が就職していく最中だったこともあり、「やっと同じスタートラインに立てた」と思い嬉しかった。
やりたかった文章の仕事は難しいこともたくさんあったが、要領をつかんだり、
できなかったことができたりして楽しいと思えるようになった。
なにより、少しでも自分が関わったものが世に出て、みんなに見てもらえるのが誇らしかった。

だけど、喜びも束の間、社会人2年目になりかけた頃、
オーバーワークのため心の病気となり4ヶ月弱の休職となった。
なにもやる気が起きず、ただただ泣いてばかりの日々は、どう生き抜いたか覚えていない。

どれほど自分を責め、自分で自分の自信を削ぎ落としただろう。
『プレゼント』の歌詞の一部がループした。

〈ええと、うん
きっと 今もまだ震えながら 笑おうとして泣いて
音の無い声で助けを呼ぶ それは 正しい姿〉

〈このままだっていいんだよ 勇気も元気も 生きる上では
無くて困る物じゃない あって困る事の方が多い
でもさ 壁だけでいい所に わざわざ扉つくったんだよ
嫌いだ 全部 好きなのに〉

文章が好きでやってみたいと思い、飛び込んだ世界でまさかこんなことにことになるなんて。
知らない間に自分のヒットポイントが消費されていき、
だけど泣かないように、負けないように頑張った結果、
思ってもいない発言をし、作り笑いを浮かべては笑えなくなっていった日々。

この狀態は異常なのかな? いや、私が弱いからだ。

潰れてから、気がついた。「私が弱かったからじゃない、異常なだけだったんだ」
そして、「わたしの行いは正しかったんだ」

病んでしまってもなお、「それは正しい生き様だ」と肯定してくれた『プレゼント』。
自分で望んで飛び込んだ世界は、確かに好きだったのに、
潰れた瞬間、嫌いになったのは事実。でも、自分が関わったものたちをみると愛おしくて仕方がなかった。
「嫌いだ 全部 好きなのに」があてはまりすぎて苦しかった。

紆余曲折あって叶った夢でさえ、簡単に手放せる現実がそこにはあって、
でも受け入れて生きなきゃいけない残酷さが待っていた。

でもね、まだまだ私にも希望があった。
ふさぎがちだった毎日にも光はたしかにあったみたい。

ロッキンにBUMPが出ると知った日、
「どこからこんなに活力が残ってたんだ?」って思うほど、一気に動き出した自分がいた。

あの頃、夢見たフェスBUMP。
4人の姿を画面でみて、この人達に会いたいって思ったあの日。
ここで行かないと、後悔する。

そこからはなんだか毎日が早かった。
第6次抽選に応募したチケットは無事に取ることができて、
その頃ちょうど会社にも復帰した直後だったから、ロッキンのBUMPが頑張る糧となった。

淡い色をした毎日がどんどん濃くなっていく感覚は、
自分の足でちゃんとがんばれてる感覚になってとても安心した。

仕事量は調整してもらい、できる範囲で毎日作業をしたし、前より気持ちが軽くなったからか、
どうでもいいってどこかで思えた自分がいて考え込むこともなくなった。

手放しかけた夢をもう一度追いかける、そんな感覚だった。

文章の仕事を諦めることだって、見放すことだってできたけど、
でもまだ好きな気持はあったから「もう一度頑張ろう」と思えたとき、
『HAPPY』の曲が頭に流れた。

〈続きを進む恐怖の途中 続きがくれる勇気にも出会う
無くした後に残された 愛しい空っぽを抱きしめて
消えない悲しみがあるなら 生き続ける意味だってあるだろう〉

離脱して、また戻ってきてまた新しい希望にであえるかな。
なにもなくなった私を、私は「愛しい」って言って抱きしめれるかな。
確かに、悲しいことが起こったのは事実。生きててこの先一生忘れることはないし、消えることはない。

迎えたロッキン当日。
この日のために今日まで頑張ってきたから、準備は万全だ。
熱中症対策を念入りにし、良いコンディションを保つため夜まで体力温存に努めた。

aurora arcが流れた瞬間、「やっときた、やっときた」と心のなかで連呼した。
みれる、あの日から夢見たBUMPがすぐそこにある。どれだけ待ち焦がれただろう。

〈ああ、なぜ、どうして、と繰り返して それでも続けてきただろう
心の一番奥の方 涙は炎 向き合う時が来た
触れて確かめられたら 形と音をくれるよ
あなたの言葉がいつだって あなたを探してきた
そうやって見つけてきた〉

〈迷子のままでも大丈夫
僕らはどこへでもいけると思う
君は知っていた 僕も気付いていた
終わる魔法の中にいた事〉

〈抗いようもなく忘れながら生きているよ
ねぇ一体どんな言葉に僕ら出会っていたんだろう
鼻で愛想笑い 綺麗事 夏の終わる匂い
まだ覚えているよ 話がしたいよ〉

〈意地や恥ずかしさに負けないで
心で正面から向き合えるよ
僕らを結ぶリボンは 解けないわけじゃない 結んできたんだ〉

〈嘘と本当に囲まれ 逃げ出す事もままならないまま
秒針にそこを指されて止まっている
失うものはないとか かっこいい事言えたらいいよな
本気で迷って 必死にヘラヘラしている〉
〈心はいつだって 止まれないで歌っている
死んだような今日だって 死ねないで叫んでいる〉

〈◯☓△どれかなんて 皆と比べてどうかなんて
確かめる間も無い程 生きるのは最高だ
あまり泣かなくなっても ごまかして笑っていくよ
大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしない〉

〈君が未来に零す涙が 地球に吸い込まれて消える前に
ひとりにせずに掬えるように 旅立った唄 間に合うように
命の数と同じ量の一秒 君はどこにいる 聴こえるかい
君の空まで全ての力で 旅立った唄に気付いてほしい
どんな事もこんな熱も街にまぎれる
流れ星の正体を僕らは知っている〉

一曲一曲、その曲についての思い出が走馬灯のように体中に駆け巡った。
BUMPを見ることを夢見た日から今日まですごく長くて、いろいろなことがたくさんあった。

楽しかったことはもちろん、悲しかったことや悔しい思いをした日があった。
ネガティブな感情やポジティブな感情になった日があった。
笑って過ごせる毎日ばかりだったときもあったし、泣き続けた毎日もあった。
なにかを耐えれたこともあれば、諦めてしまった時があって、
噓と戦った日があれば、認めてしまった日もあった。
生き続けたいと思う日が確かにあったのに、死にたいと思ってしまった日々があった。

「生きていくってこういうことなんだ」
走馬灯のように思い出したものたちをBUMPの曲を聴きながら整理する、
とても居心地が良くてしべて、浄化されたような気がした。

BUMPをみると、夢見たあの頃の私へ
たくさんのことがあって、つらい経験もたくさんしてきたけど、いくつかの夢は無事叶ったよ。
反対に、叶わなかった夢もあっけど、今日とびきりの夢が叶ったのでよしとします。

夏の夜空と相まって、きらきら輝いていたステージでみた4人の姿。
見たい景色をみれたから、今度はこの景色を糧にして頑張って歩いていこう。

本当に最高だったよ。

あのとき、BUMP OF CHICKENを好きになってくれてありがとう。

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