2511 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

SPARK SOUND SHOW MUST GO ON

スサシというサウンドドラッグ

私が彼らのライブを初めて見たのは2019年6月23日に行われたFREEDOM NAGOYAのEggs STAGE。

直前まで隣のステージで行われていたTrack’sのライブが終わるとすぐに音を出し始めたそのバンドが「スサシ」ことSPARK!! SOUND!! SHOW!!であり、結果的にその日最も印象に残ったのはこのバンドだった。

中毒性のあるサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスが持ち味のスサシ。
この日もライブ中にステージ両脇にある鉄塔に登ったり、ラストの「南無」でフロア後方の木によじ登り靴をマイクの代わりにして歌ったりと、非常にインパクトのあるライブを行っていた。
スサシのライブを観るのが初めてだった私にとってそのライブパフォーマンスは衝撃的であり、その特徴的な音楽とともに深く記憶に刻み込まれた。

サウンドドラッグと称される彼らの音楽は聴く者を選ぶかもしれない。
しかしハマる人には確実にハマり、一度聴いたら確実に頭に残るメロディと歌詞が魅力だ。
歌詞も初聴では理解が難しく、なんと言っているのかわからない場合も多々ある。
というか、何度聴いてもわからない場合もある。

“ナーモサッダルマ
プンダリーカスートラ
南無妙法蓮”
「南無」

曲が始まってすぐこの歌詞が繰り返され、全く意味はわからないのだが音楽に合わせて体は動いてしまう。
しかも、スサシの不思議な点はは意味もわからず聴いているうちにこの“ナーモサッダルマ プンダリーカスートラ”という言葉が自然と脳内に残っていることだ。

調べてみると“サッダルマプンダリーカ・スートラ”とは法華経の原題であり、「正しい教えである白い蓮の花の経典」という意味らしい。余計わからなくなった。

この現象は他の曲でも感じられる。

“時代

未来
無愛愛無 無愛愛
無愛愛〜”
「無愛愛」

サビでひたすら繰り返される“無愛愛”(ムーマナマナ)。
唐突に韓国語が入ってくるところもこのサビも、歌詞の意味は曲を通じてイマイチ理解できない。
しかし言葉の響きとメロディーだけで何となく頭に残ってしまう。
そして繰り返し聴きたくなってしまう。
聴いているうちにハマっている。
これこそがスサシの魅力だ。

スサシの音楽がドラッグと称されるのにはもう一つ理由がある。
それは奇抜な演出のMVだ。

「GOD SPEED」や「感電!」、「OEO」など視覚的に印象に残るMVがほとんどだ。
目がチカチカするような演出やメンバーの顔だけが浮いている奇抜なシーンなど、長時間見続けていると不思議な感覚に陥ってしまう。

演奏シーンだけのものやストーリー仕立てのものは無く、観る者にフワフワとした感覚を与えるスサシのMVはドラッグと称されるに相応しい。

ここまで書いた内容ではスサシの音楽には不思議な中毒性があり、キャッチーさにしか拘っていないかのような印象を受けるかもしれない。

確かにそれもスサシの大きな魅力の一つではある。
しかし、歌詞にメッセージ性のある曲も存在しないわけではない。
それが1stフルアルバム『火花音楽匯演』に収録されている「アワーミュージック」だ。

この曲は自らの音楽に対して語りかける内容になっており、スサシの曲の中でも最も歌詞が聞き取りやすく理解しやすい。
メロディー自体もキーボードが少なく、ギターにベース、ドラムと非常にシンプルな、いわゆるスタンダードなバンドサウンドになっている。

“アワーミュージック 聞こえるか
君の手をひいてく
ずっと遠くまで一緒に行こう
僕は1人なんだ 1人なんだ
1人なんかにさせないぜ
君の手をひいてく ずっと”

“なぁミュージックお前だけ
俺の事ずっと見ててくれ
なるべく遠くまで連れてくから
このまま近くで一緒に居てよ”
「アワーミュージック」

自らの音楽に対する思いを歌ったこの曲。
必ずしも一般受けはしないであろう自分たちの音楽でどこまでも進んでいくという決意表明だ。
ふざけているかのようにも聴こえるスサシの音楽やMVだが、本人達の想いを知るとそれまでとはまた異なった聴き方ができるのではないか。

曲もライブも非常にアグレッシブであり、 “頭おかしい、、”と思ってしまうこともある。

しかし勢いだけでなく、信念を持ってその曲を演奏しているからこそドラッグのように何度でも聴きたくなってしまうような中毒性を持ち、聴いている者のテンションを無条件で上げてくれるのではないか。

普通の音楽に飽きてしまった人。
日々の刺激が足りていない人。
スサシの音楽を聴けば新たな世界への扉が開けるかもしれない。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい