何度も再生し続けていたいアルバムーOLIVEー
SKY-HIが創る再生
2018年1月10日
281
自分の中に、1年前植えられた1本の木がある。
SKY-HIの【OLIVE】が発売されたのだ。
OLIVEのジャケット写真を初めて見た瞬間、純粋に感動したのを覚えている。
都会の風景をバックに、無機質なコンクリートから木を生やし、
太陽と月が一緒に出ている矛盾だらけの
そのジャケット写真に違和感を感じさせなかったのは、この世界が矛盾で出来上がっているからだろうか。
-------
あんなに楽しみにしていたこのアルバムを手にして、
もういつでも聴けるようになったにも関わらず、再生ボタンを押すまでに随分と時間がかかった記憶がある。
楽しみな気持ちが大きすぎたのか、手が震えて仕方がなかった。
しばらくボタンを押すまでの緊張感を楽しみ、ようやく再生ボタンを押せたその瞬間に始まった
<リインカーネーション>のイントロと、心臓の音が重なった。
暗闇の中で三角座りをしている所へ、手が差し伸べられたかの様な感覚になる。
優しいメロディーと共に、今の世の中で起きている事を包み隠さないこの曲は、心にスッと届いた。
【M01.リインカーネーション】
”貧困、差別、イジメ、戦争何千年も変わりゃしない
この世は転んだ人に手を貸すどころか後ろ指さし笑うところさ
致し方ないと諦めた今しがたが
積み重なり忘れる愛し方
変わらない世界 変えられる自分の視界
手伝うさ もう一回聞くよ、準備いいかい?”
(♬リインカーネーション 歌詞より)
【M02.BIG PARADE】
続くBIG PARADEは、冒頭から衝撃的な歌詞で始まる。
”どうしたって僕ら 死ぬ時は一人だ
何気ない今日や 昨日を懐かしむんだ”
(♬BIG PARADE歌詞より)
ただ、そこに続く歌詞は、「だからこそ、嫌いになりそうな自分も愛して、共に連れて言ってあげようじゃないか」
と自分を赦し、ネガティブな感情を愛して生きていこうと思える人生をぎゅっと一曲にした1曲だ。
【M10.創始創愛】
”僕は人間 忌み嫌った物も人間
僕は人間 忌み嫌った物も人間
でも僕が愛した君もまた人間
僕が愛した君が愛した僕を愛してみるよ
それが君が君を愛する理由になるなら”
”それでも何億年分の何十年
天文学的確率で君と重なる数年
そんな物を貸し付けてくれた辺り
痛い辛い思い出すら利子としては安上がり
何が恩返しかもわからないが
いつか全部返済してここからバイバイ”
(♬創始創愛 歌詞より)
聞いた時に思わず、ボロボロと涙がこぼれた。
何が嬉しくて、何が悲しいって、そんなものはもうわからなかったが、
心の底にあった蛇口を回されたのかと思うほど、感情が止まらなくなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このアルバムは、SKY-HIによると、個人史という意味合いも関わっているという。
《人と向き合うために『リインカーネーション』で「君に会いにきたんだ」ってスタートする。
そこから”個”として人を愛するために自分と向き合わないと、と思って。自分と向き合うためのプロセスを考えていくと、
ちょっと『Stray Cat』は他人の話に聞こえるっていうか。実際他人の話じゃないですか、リスナーからすると。野良猫じゃないし(笑)。『OLIVE』を”自分の歌”であることにするために『十七歳』以降『明日晴れたら』、『アドベンチャー』、『創始創愛』まで行って、『Over the Moon』に行く。
その上で“誰でも経験したことがあるわけじゃないけど、経験したことがあるような気がする、誰にとっても近いトピックス”であるようなことを一個入れておいて。それがきっと寄り添うってことになるかも知れないんだけど。いわゆる個人史というか。(アルバムにとって)必要なプロセスですね。》(ミーティア インタンビュー:SKY-HIの言葉)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーその言葉通りかもしれない。
月が綺麗な夜に気がつくことが多くなったのは、【Over the Moon】を聞いたから。
雨が降った日に、大切な誰かに会いにいこうと思うのは【明日晴れたら】を聞いたから。
自分の足で、自分の道を歩こうと思えるのは【Stray Cat】を聞いたから。
後ろを振り向きかけた時に前に進めたのは【アドベンチャー】を聞いたから。
私なんて…と諦めかけた時にそんなこと誰が決めたんだと、奮い立たせてくれたのは【Walking on Water】を聞いたから。
人生勝つまでやめなければ、負けないんだと思わせてくれたのは【Double Down】を聞いたから。
取り繕って、自分をよく見せたいと薄っぺらいプライドを捨てて自分と向き合おうと思ったのは【How Much??】を聞いたから。
別れが辛く、どうしようもない時に、伝えたい言葉を伝えられるようになったのは【クロノグラフ】を聞いたから。
大切な人を想う強さを知ったのは、【十七歳】を聞いたから。
そして、どんな時だって1人じゃないと知ったのは、
夢の中に逃げ込んでしまいたいと思った時に、現実の方が遥かに歓びに溢れていると知ったのは
【ナナイロホリデー】を聞いたから。
(曲順不同)
このアルバムを聞いて、自分の中に沢山の感情が呼び起こされた様な、
何か”当たり前”に過ごして来た毎日に”当たり前ではないんだよ”と教えてくれた様なそんな気がした。
そして、生きて行く上で、後ろに大きな頼もしい存在が常に立っているような気がする。
このアルバムに出会って1年が経った。
悔しかったことも、悲しかったことも苛立ちを覚えたこともあったはずなのに
このアルバムを聴きながら回想する1年は、『しあわせ』がぎゅっと詰め込まれていた。
決してネガティブな感情たちをなかった事にはしている訳ではないのだ。
あの気持ちも”全部置いてかずに進んできた”のである。
(全部置いてかずに進もう大丈夫ーBIG PARADE歌詞ー)
OLIVEという木を心に宿して、1年。
大きな花を咲かせた様に思う。
このアルバムは、「再生」される度に、SKY-HIが私たちの元へやってくる。
そして、楽しかったあの日の記憶も、感情も、
忘れていた大切なものも、
生きる力も再生されるのだ。
OLIVEの木に2年目がやってきたのである。
これから100年先も、再生し続けてほしいアルバムだ。
SKY-HIの【OLIVE】が発売されたのだ。
OLIVEのジャケット写真を初めて見た瞬間、純粋に感動したのを覚えている。
都会の風景をバックに、無機質なコンクリートから木を生やし、
太陽と月が一緒に出ている矛盾だらけの
そのジャケット写真に違和感を感じさせなかったのは、この世界が矛盾で出来上がっているからだろうか。
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あんなに楽しみにしていたこのアルバムを手にして、
もういつでも聴けるようになったにも関わらず、再生ボタンを押すまでに随分と時間がかかった記憶がある。
楽しみな気持ちが大きすぎたのか、手が震えて仕方がなかった。
しばらくボタンを押すまでの緊張感を楽しみ、ようやく再生ボタンを押せたその瞬間に始まった
<リインカーネーション>のイントロと、心臓の音が重なった。
暗闇の中で三角座りをしている所へ、手が差し伸べられたかの様な感覚になる。
優しいメロディーと共に、今の世の中で起きている事を包み隠さないこの曲は、心にスッと届いた。
【M01.リインカーネーション】
”貧困、差別、イジメ、戦争何千年も変わりゃしない
この世は転んだ人に手を貸すどころか後ろ指さし笑うところさ
致し方ないと諦めた今しがたが
積み重なり忘れる愛し方
変わらない世界 変えられる自分の視界
手伝うさ もう一回聞くよ、準備いいかい?”
(♬リインカーネーション 歌詞より)
【M02.BIG PARADE】
続くBIG PARADEは、冒頭から衝撃的な歌詞で始まる。
”どうしたって僕ら 死ぬ時は一人だ
何気ない今日や 昨日を懐かしむんだ”
(♬BIG PARADE歌詞より)
ただ、そこに続く歌詞は、「だからこそ、嫌いになりそうな自分も愛して、共に連れて言ってあげようじゃないか」
と自分を赦し、ネガティブな感情を愛して生きていこうと思える人生をぎゅっと一曲にした1曲だ。
【M10.創始創愛】
”僕は人間 忌み嫌った物も人間
僕は人間 忌み嫌った物も人間
でも僕が愛した君もまた人間
僕が愛した君が愛した僕を愛してみるよ
それが君が君を愛する理由になるなら”
”それでも何億年分の何十年
天文学的確率で君と重なる数年
そんな物を貸し付けてくれた辺り
痛い辛い思い出すら利子としては安上がり
何が恩返しかもわからないが
いつか全部返済してここからバイバイ”
(♬創始創愛 歌詞より)
聞いた時に思わず、ボロボロと涙がこぼれた。
何が嬉しくて、何が悲しいって、そんなものはもうわからなかったが、
心の底にあった蛇口を回されたのかと思うほど、感情が止まらなくなった。
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このアルバムは、SKY-HIによると、個人史という意味合いも関わっているという。
《人と向き合うために『リインカーネーション』で「君に会いにきたんだ」ってスタートする。
そこから”個”として人を愛するために自分と向き合わないと、と思って。自分と向き合うためのプロセスを考えていくと、
ちょっと『Stray Cat』は他人の話に聞こえるっていうか。実際他人の話じゃないですか、リスナーからすると。野良猫じゃないし(笑)。『OLIVE』を”自分の歌”であることにするために『十七歳』以降『明日晴れたら』、『アドベンチャー』、『創始創愛』まで行って、『Over the Moon』に行く。
その上で“誰でも経験したことがあるわけじゃないけど、経験したことがあるような気がする、誰にとっても近いトピックス”であるようなことを一個入れておいて。それがきっと寄り添うってことになるかも知れないんだけど。いわゆる個人史というか。(アルバムにとって)必要なプロセスですね。》(ミーティア インタンビュー:SKY-HIの言葉)
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ーその言葉通りかもしれない。
月が綺麗な夜に気がつくことが多くなったのは、【Over the Moon】を聞いたから。
雨が降った日に、大切な誰かに会いにいこうと思うのは【明日晴れたら】を聞いたから。
自分の足で、自分の道を歩こうと思えるのは【Stray Cat】を聞いたから。
後ろを振り向きかけた時に前に進めたのは【アドベンチャー】を聞いたから。
私なんて…と諦めかけた時にそんなこと誰が決めたんだと、奮い立たせてくれたのは【Walking on Water】を聞いたから。
人生勝つまでやめなければ、負けないんだと思わせてくれたのは【Double Down】を聞いたから。
取り繕って、自分をよく見せたいと薄っぺらいプライドを捨てて自分と向き合おうと思ったのは【How Much??】を聞いたから。
別れが辛く、どうしようもない時に、伝えたい言葉を伝えられるようになったのは【クロノグラフ】を聞いたから。
大切な人を想う強さを知ったのは、【十七歳】を聞いたから。
そして、どんな時だって1人じゃないと知ったのは、
夢の中に逃げ込んでしまいたいと思った時に、現実の方が遥かに歓びに溢れていると知ったのは
【ナナイロホリデー】を聞いたから。
(曲順不同)
このアルバムを聞いて、自分の中に沢山の感情が呼び起こされた様な、
何か”当たり前”に過ごして来た毎日に”当たり前ではないんだよ”と教えてくれた様なそんな気がした。
そして、生きて行く上で、後ろに大きな頼もしい存在が常に立っているような気がする。
このアルバムに出会って1年が経った。
悔しかったことも、悲しかったことも苛立ちを覚えたこともあったはずなのに
このアルバムを聴きながら回想する1年は、『しあわせ』がぎゅっと詰め込まれていた。
決してネガティブな感情たちをなかった事にはしている訳ではないのだ。
あの気持ちも”全部置いてかずに進んできた”のである。
(全部置いてかずに進もう大丈夫ーBIG PARADE歌詞ー)
OLIVEという木を心に宿して、1年。
大きな花を咲かせた様に思う。
このアルバムは、「再生」される度に、SKY-HIが私たちの元へやってくる。
そして、楽しかったあの日の記憶も、感情も、
忘れていた大切なものも、
生きる力も再生されるのだ。
OLIVEの木に2年目がやってきたのである。
これから100年先も、再生し続けてほしいアルバムだ。
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