"わからずや"には見えない魔法にかけられて
UNISON SQUARE GARDEN、彼らと僕が交わった瞬間
2019年6月28日
145
UNISON SQUARE GARDEN、“知られてしまった”スリーピースバンド。
僕と彼らとの出会いは、一風変わっている。
2013年10月26日、当時大学生だった僕は、学祭の真っ只中だった。
僕の通う大学の学祭では、毎年アーティストを呼んでのライブがあり、無料で参加できることもあって人気のイベントだった。
その年のゲストは、当時インディーズバンドだった「BLUE ENCOUT」とオリオンをなぞるで有名になった「UNISON SQUARE GARDEN」
どちらも特別に好きなバンドではなかったけど、直前にイナズマロックでユニゾンを見たこともあり、初めて学祭ライブに参加することに。
その頃の僕はライブの雰囲気が苦手で、周りの目が気になって、なかなか自由に楽しむことができなかった。
ユニゾンも友達からCDを借りて予習はしていたけど、曲は聞きたい反面、早くライブが終わって欲しいとも思っていた。
そんななか、オープニングアクトの「BLUE ENCOUT」のライブが終わる。
数十分間の準備のあと、いよいよ彼らが現れた。
それは、僕にとって何かが変わりそうな夜になった。
"僕らは声が枯れるまで 存在、続ける"
その第一声に僕の心は奪われる。ライブではしゃぎに来ていたやつも、後ろでひっそり聞いていたかったやつも、一瞬で黙らせるような声。僕のなかに名前のない感情を生み出した。
そうなってしまったら、もう目をそらせない。
"できるなら 心と体を2つにわけて 君の元へ"
ユニゾンの難解な歌詞と早すぎるテンポの曲のなかで、僕が1番心惹かれた曲。
純粋に会いたい思いを紡いだ言葉と優しさ溢れるメロディは、僕の心に暖かい気持ちを灯してくれた。
気がつけば、自然と笑みを浮かべていた。
"一人きりでもリニアブルーを聴きながら"
開幕早々の緩急の使い分けに揺さぶられた僕を引き戻すように、聞き覚えのあるメロディが。
きっと何にも変わらないんだろうけど、それが心地よい。彼らを知らないはずの僕が、そんなことを思ったのは、今考えると必然だったかもしれない。
"くだらない?それなら笑ってよ いやじゃない?ならばついて来てよ"
周りの目を気にしすぎていた僕には、この言葉は眩しすぎた。言えるものなら、そう言ってみたい。
きっとこの瞬間、僕は彼らが差し出した手を掴んだんだろうね。
"頭では鳴っているはずなのに未完成バラ色ソナタ"
「UNISON SQUARE GARDEN」の音楽として、余計なものを削ぎ落としたように直接的に突き刺さる音。
もう言葉はいらない。彼らが世界で一番カッコ良いロックバンドに見えた。
"今 目の前の君が明日を生きれるくらいには"
当時は新参者なので、おそらくほとんどの人が知らない曲。そのはずなのに、自然と体が動いていた。
何も確証ないし、何も知らないけど、この曲はユニゾンにとって揺るぎないものになることを直感的に感じた。
"呼吸のような幸福を誓うよ"
学生時代は、よく意味はわからなかったけれど、このフレーズだけは耳に残り続けていた。
ロックなのに、優しい曲。現在でこそ当たり前に感じているけど、当時はそれが違和感でしかなかった。
"We like happy birthday!"
ここらへんからはもう記憶にない。ヘトヘトになりながらも、心と体は激しく揺れていた。
覚えているのは、目の前のギター&ボーカルの「まだ終わらない!」の一言だけ。
"今日のところはこれぐらい 外しちゃおうかな"
まったく覚えてないけれど、その日に文句なしに1番楽しかった曲。それだけは確信を持っていえる。記憶じゃなくて、心が覚えているんだ。
"オリオンをなぞる こんな深い夜"
"ココデオワルハズガナイノニ"
きっとこの曲を聞かないと一生ライブを終えることができない。そんなエネルギーを感じる曲だった。
でも、だからこそ、終わりを迎えたくない自分の存在も強く感じられた。
ライブは短い時間だったはずなのに、かなり濃密で。
散々に揺さぶられながらも、僕の手は彼らを掴んで離さなかった。
何年経っても、うまく説明できないんだけど。
初めて、「頼むから、もっと聞かせてくれ」って心の底から思うバンドに出会うことができた。ライブは苦手なものだったはずなのに。
そんな思いが通じたのか…
"ハローグッバイ ハローグッバイ"
"わからずやには 見えない魔法をかけたよ"
この曲がENで来る意味を当時知らなかったけれど、言葉ひとつひとつに、きっとまた会えるっていう確信を持つことができた。
この魔法にかけられたことは、僕の一生の誇りなんだ。
それから葉の色が紅く変わり、枯れ落ち、桜のつぼみが膨らむ頃、僕は彼らのツアーへと足を踏み入れる。
彼らを知れば知るほど、愛は尽きないし、むしろもっと好きになる。
そのきっかけをくれたのは、きっと誰も経験したことのないような特別なライブのおかげ。
あれからおよそ6年。舞洲で記念すべきライブがある。今からちょうど一月後だ。
彼らに"勝手に"救われたことは数知れない。
その恩人たちが「祝ってくれ!」と言うなら、何にも変えず足を運ぼう。
僕の瞳に恋してなくても、差し出した手が掴まれなくても、ちょうどいい温度感で(今年は)何気なくない記念日を迎えたい。
そうやって変わらずに愛せる自信が、現在の僕にはある。
僕と彼らとの出会いは、一風変わっている。
2013年10月26日、当時大学生だった僕は、学祭の真っ只中だった。
僕の通う大学の学祭では、毎年アーティストを呼んでのライブがあり、無料で参加できることもあって人気のイベントだった。
その年のゲストは、当時インディーズバンドだった「BLUE ENCOUT」とオリオンをなぞるで有名になった「UNISON SQUARE GARDEN」
どちらも特別に好きなバンドではなかったけど、直前にイナズマロックでユニゾンを見たこともあり、初めて学祭ライブに参加することに。
その頃の僕はライブの雰囲気が苦手で、周りの目が気になって、なかなか自由に楽しむことができなかった。
ユニゾンも友達からCDを借りて予習はしていたけど、曲は聞きたい反面、早くライブが終わって欲しいとも思っていた。
そんななか、オープニングアクトの「BLUE ENCOUT」のライブが終わる。
数十分間の準備のあと、いよいよ彼らが現れた。
それは、僕にとって何かが変わりそうな夜になった。
"僕らは声が枯れるまで 存在、続ける"
その第一声に僕の心は奪われる。ライブではしゃぎに来ていたやつも、後ろでひっそり聞いていたかったやつも、一瞬で黙らせるような声。僕のなかに名前のない感情を生み出した。
そうなってしまったら、もう目をそらせない。
"できるなら 心と体を2つにわけて 君の元へ"
ユニゾンの難解な歌詞と早すぎるテンポの曲のなかで、僕が1番心惹かれた曲。
純粋に会いたい思いを紡いだ言葉と優しさ溢れるメロディは、僕の心に暖かい気持ちを灯してくれた。
気がつけば、自然と笑みを浮かべていた。
"一人きりでもリニアブルーを聴きながら"
開幕早々の緩急の使い分けに揺さぶられた僕を引き戻すように、聞き覚えのあるメロディが。
きっと何にも変わらないんだろうけど、それが心地よい。彼らを知らないはずの僕が、そんなことを思ったのは、今考えると必然だったかもしれない。
"くだらない?それなら笑ってよ いやじゃない?ならばついて来てよ"
周りの目を気にしすぎていた僕には、この言葉は眩しすぎた。言えるものなら、そう言ってみたい。
きっとこの瞬間、僕は彼らが差し出した手を掴んだんだろうね。
"頭では鳴っているはずなのに未完成バラ色ソナタ"
「UNISON SQUARE GARDEN」の音楽として、余計なものを削ぎ落としたように直接的に突き刺さる音。
もう言葉はいらない。彼らが世界で一番カッコ良いロックバンドに見えた。
"今 目の前の君が明日を生きれるくらいには"
当時は新参者なので、おそらくほとんどの人が知らない曲。そのはずなのに、自然と体が動いていた。
何も確証ないし、何も知らないけど、この曲はユニゾンにとって揺るぎないものになることを直感的に感じた。
"呼吸のような幸福を誓うよ"
学生時代は、よく意味はわからなかったけれど、このフレーズだけは耳に残り続けていた。
ロックなのに、優しい曲。現在でこそ当たり前に感じているけど、当時はそれが違和感でしかなかった。
"We like happy birthday!"
ここらへんからはもう記憶にない。ヘトヘトになりながらも、心と体は激しく揺れていた。
覚えているのは、目の前のギター&ボーカルの「まだ終わらない!」の一言だけ。
"今日のところはこれぐらい 外しちゃおうかな"
まったく覚えてないけれど、その日に文句なしに1番楽しかった曲。それだけは確信を持っていえる。記憶じゃなくて、心が覚えているんだ。
"オリオンをなぞる こんな深い夜"
"ココデオワルハズガナイノニ"
きっとこの曲を聞かないと一生ライブを終えることができない。そんなエネルギーを感じる曲だった。
でも、だからこそ、終わりを迎えたくない自分の存在も強く感じられた。
ライブは短い時間だったはずなのに、かなり濃密で。
散々に揺さぶられながらも、僕の手は彼らを掴んで離さなかった。
何年経っても、うまく説明できないんだけど。
初めて、「頼むから、もっと聞かせてくれ」って心の底から思うバンドに出会うことができた。ライブは苦手なものだったはずなのに。
そんな思いが通じたのか…
"ハローグッバイ ハローグッバイ"
"わからずやには 見えない魔法をかけたよ"
この曲がENで来る意味を当時知らなかったけれど、言葉ひとつひとつに、きっとまた会えるっていう確信を持つことができた。
この魔法にかけられたことは、僕の一生の誇りなんだ。
それから葉の色が紅く変わり、枯れ落ち、桜のつぼみが膨らむ頃、僕は彼らのツアーへと足を踏み入れる。
彼らを知れば知るほど、愛は尽きないし、むしろもっと好きになる。
そのきっかけをくれたのは、きっと誰も経験したことのないような特別なライブのおかげ。
あれからおよそ6年。舞洲で記念すべきライブがある。今からちょうど一月後だ。
彼らに"勝手に"救われたことは数知れない。
その恩人たちが「祝ってくれ!」と言うなら、何にも変えず足を運ぼう。
僕の瞳に恋してなくても、差し出した手が掴まれなくても、ちょうどいい温度感で(今年は)何気なくない記念日を迎えたい。
そうやって変わらずに愛せる自信が、現在の僕にはある。
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