温かいモノ
Mrs. GREEN APPLE と青色の恋
2020年1月29日
19
美しい太陽。“温かい”春の日差しだった。
高校に入学して数ヶ月、僕には好きな人が出来た。完全に一目惚れだった。僕は勇気を持って話しかけた。後に、この日が彼女にとっても記念日だったことを知る。
どうやら彼女は、Mrs. GREEN APPLEというなんとも不思議な名前のバンドが好きらしい。
報われないことなんて 死ぬほど沢山在るよ
それに挫けないで 優しさを分けれる人になってね
(日々と君/Mrs. GREEN APPLE)
この曲をおすすめされて、この一節を聴いた瞬間に、僕の中では色々革命が起きた。このバンドを好きになろうと思った。
君はこの僕の 気持ちには気づいてない
君のお気に入りの曲を 気に入ってみたりして
(Just a Friend/Mrs. GREEN APPLE)
次におすすめされたこの曲。
あれ。見透かされてる。
僕の気持ちはこのバンドにはバレバレで、少し焦りを覚えた。いったい何が言いたいんだろう、この人たちは。
気になった。
それから、体育祭とか、文化祭とか、たくさん行事を楽しむ中で、彼女と、彼女のお気に入りのバンドをもっともっと好きになっていった。僕にとっては、この日々は笑顔の絶えない、かけがえのない日々だった。あのことを知るまでは。
混沌とした世の中で生きて行くんだ
汚れた人間さ これ以上は御免だ
(WaLL FloWeR/Mrs. GREEN APPLE)
真実を知ってからおすすめされたこの1曲は、僕を深くえぐった。そういえばみんな汚れてる。みんな腐ってる。部活も最近うまくいってないし、勉強でも成績が伸びない。家庭の関係もなかなか辛いものもある。気づけば周りには、腐ってると思わなくては逃避できないような現実。
そう、それは彼女についてもである。
僕の好きだった彼女には、すでに愛し合う人がいたのだ。
そう、僕が話しかけたあの日、彼女は他の男にとられたのだった。
あれ。
心に穴が空いたようだった。
そこから僕はどんどんペシミズム(悲観主義)に陥った。どんな事象にも期待をしない、楽しみにしない、明るくしない。僕の心の灯火は消えていった。彼女も、僕が暗くなっていくのに気づいたのだろう、僕達は距離を取り始めた。終わった。“花が咲き崩れる”。
こんな世の中生きている意味なんて無いんじゃないか。そんな僕を救ったのが、やはりMrs. GREEN APPLEだった。
貴方はその傷を
癒してくれる人といつか出会って
貴方の優しさで
救われるような世界で在ってほしいな
(我逢人/Mrs. GREEN APPLE)
そうか。傷を癒す人といつか出会うんだ。その為に生きるのか。そう思えた。なんとなく、青色の風が背中を押したような気がした。
もう俺には失うものもない。
告白した。ずっと好きだったと。そしてもう迷惑をかけないように関わらないつもりだった。
しかし、彼女から返ってきた返事は
ありがとう。
そして彼女は僕と一緒に涙を流してくれた。僕のことをこんなに想っていてくれたなんて。こんなんじゃ離れられないじゃんか。
そこから僕は、彼女を愛し続けた。愛しすぎた。
そして、想いは、すれ違ってしまった。
ほぼ話さなくなって、連絡も取らなくなった。
毎日が重かった。
全部全部 私が悪いから
解ってるから。 気づいているから。
ごめんね 全部は背負いきれないや
(月とアネモネ/Mrs. GREEN APPLE)
やっぱ全部俺が悪いんだよな。でももう背負いきれない。
このまま死ぬのか?
そんなとき、あの歌の本当の意味を初めて知った。
素晴らしいと思える様に 醜いと思ってみよう
いつか来世に残る花が咲き 崩れぬ様に
(WaLL FloWeR/Mrs. GREEN APPLE)
素晴らしいと思える様に 醜さに気づいてみよう
悲しさとは笑顔が在るからだと
(WaLL FloWeR/Mrs. GREEN APPLE)
醜さに気づいて、悲しくて泣いて、壁を乗り越えて、素晴らしさに出逢って、笑う。それを伝えてくれた。
来世を信じてみよう。そう思えた。
─────来世。
でも独りでは悲しさを乗り越えられない。
どうか温かいモノを忘れないように生きて
(WaLL FloWeR/Mrs. GREEN APPLE)
“温かい”モノ。ここで私は、私として悟った。
家に帰れば、美味しいご飯を作って待っていて、今日1日の話を聞いてくれる、家族。辛い時、寂しい時、隣にいてくれる友達。先輩。先生。人。人。人。
──────そう、貴方も。
自分に余裕がなかったんだな。そう思って、全部を変えた。そうしてみると、徐々に仲も回復していった。
“温かさ”が生まれた。ここにも。
こんな恋愛をした高校生活で、私はMrs. GREEN APPLEによって支えられ、悟らされた。
現代社会は、人の醜さばかり目立つ。いじめ、暴力、詐欺。この世には良い人なんて誰一人いない。人だから、悪い部分を必ず持ち合わせている。
そんな暗い、雨の降った世。私たちは、出逢って、支えて、癒して、変えていかなければならない。様々な視点に立ち、視野を広く、経験を用いて、貫かなければならない。そんな壁の乗り越えもあるじゃないか。そう想ってみよう。
そんな私は、今日も、温かいモノを探している。
高校に入学して数ヶ月、僕には好きな人が出来た。完全に一目惚れだった。僕は勇気を持って話しかけた。後に、この日が彼女にとっても記念日だったことを知る。
どうやら彼女は、Mrs. GREEN APPLEというなんとも不思議な名前のバンドが好きらしい。
報われないことなんて 死ぬほど沢山在るよ
それに挫けないで 優しさを分けれる人になってね
(日々と君/Mrs. GREEN APPLE)
この曲をおすすめされて、この一節を聴いた瞬間に、僕の中では色々革命が起きた。このバンドを好きになろうと思った。
君はこの僕の 気持ちには気づいてない
君のお気に入りの曲を 気に入ってみたりして
(Just a Friend/Mrs. GREEN APPLE)
次におすすめされたこの曲。
あれ。見透かされてる。
僕の気持ちはこのバンドにはバレバレで、少し焦りを覚えた。いったい何が言いたいんだろう、この人たちは。
気になった。
それから、体育祭とか、文化祭とか、たくさん行事を楽しむ中で、彼女と、彼女のお気に入りのバンドをもっともっと好きになっていった。僕にとっては、この日々は笑顔の絶えない、かけがえのない日々だった。あのことを知るまでは。
混沌とした世の中で生きて行くんだ
汚れた人間さ これ以上は御免だ
(WaLL FloWeR/Mrs. GREEN APPLE)
真実を知ってからおすすめされたこの1曲は、僕を深くえぐった。そういえばみんな汚れてる。みんな腐ってる。部活も最近うまくいってないし、勉強でも成績が伸びない。家庭の関係もなかなか辛いものもある。気づけば周りには、腐ってると思わなくては逃避できないような現実。
そう、それは彼女についてもである。
僕の好きだった彼女には、すでに愛し合う人がいたのだ。
そう、僕が話しかけたあの日、彼女は他の男にとられたのだった。
あれ。
心に穴が空いたようだった。
そこから僕はどんどんペシミズム(悲観主義)に陥った。どんな事象にも期待をしない、楽しみにしない、明るくしない。僕の心の灯火は消えていった。彼女も、僕が暗くなっていくのに気づいたのだろう、僕達は距離を取り始めた。終わった。“花が咲き崩れる”。
こんな世の中生きている意味なんて無いんじゃないか。そんな僕を救ったのが、やはりMrs. GREEN APPLEだった。
貴方はその傷を
癒してくれる人といつか出会って
貴方の優しさで
救われるような世界で在ってほしいな
(我逢人/Mrs. GREEN APPLE)
そうか。傷を癒す人といつか出会うんだ。その為に生きるのか。そう思えた。なんとなく、青色の風が背中を押したような気がした。
もう俺には失うものもない。
告白した。ずっと好きだったと。そしてもう迷惑をかけないように関わらないつもりだった。
しかし、彼女から返ってきた返事は
ありがとう。
そして彼女は僕と一緒に涙を流してくれた。僕のことをこんなに想っていてくれたなんて。こんなんじゃ離れられないじゃんか。
そこから僕は、彼女を愛し続けた。愛しすぎた。
そして、想いは、すれ違ってしまった。
ほぼ話さなくなって、連絡も取らなくなった。
毎日が重かった。
全部全部 私が悪いから
解ってるから。 気づいているから。
ごめんね 全部は背負いきれないや
(月とアネモネ/Mrs. GREEN APPLE)
やっぱ全部俺が悪いんだよな。でももう背負いきれない。
このまま死ぬのか?
そんなとき、あの歌の本当の意味を初めて知った。
素晴らしいと思える様に 醜いと思ってみよう
いつか来世に残る花が咲き 崩れぬ様に
(WaLL FloWeR/Mrs. GREEN APPLE)
素晴らしいと思える様に 醜さに気づいてみよう
悲しさとは笑顔が在るからだと
(WaLL FloWeR/Mrs. GREEN APPLE)
醜さに気づいて、悲しくて泣いて、壁を乗り越えて、素晴らしさに出逢って、笑う。それを伝えてくれた。
来世を信じてみよう。そう思えた。
─────来世。
でも独りでは悲しさを乗り越えられない。
どうか温かいモノを忘れないように生きて
(WaLL FloWeR/Mrs. GREEN APPLE)
“温かい”モノ。ここで私は、私として悟った。
家に帰れば、美味しいご飯を作って待っていて、今日1日の話を聞いてくれる、家族。辛い時、寂しい時、隣にいてくれる友達。先輩。先生。人。人。人。
──────そう、貴方も。
自分に余裕がなかったんだな。そう思って、全部を変えた。そうしてみると、徐々に仲も回復していった。
“温かさ”が生まれた。ここにも。
こんな恋愛をした高校生活で、私はMrs. GREEN APPLEによって支えられ、悟らされた。
現代社会は、人の醜さばかり目立つ。いじめ、暴力、詐欺。この世には良い人なんて誰一人いない。人だから、悪い部分を必ず持ち合わせている。
そんな暗い、雨の降った世。私たちは、出逢って、支えて、癒して、変えていかなければならない。様々な視点に立ち、視野を広く、経験を用いて、貫かなければならない。そんな壁の乗り越えもあるじゃないか。そう想ってみよう。
そんな私は、今日も、温かいモノを探している。
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