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みじめな僕だからこそ見えた道

WANIMAがフワッと救ってくれた話

去年の5月。31歳になった僕は会社を辞めた。
好きなことを仕事にしていたし、会社の人たちもいい人たちだった。それなのに辞めたのは、諦めかけた夢をもう一度追いかけるためだった。

夢を追うと決めたから、会社を辞めたことに後悔はない...と言いたいところだが、もしかしたら「後悔していない」と自分に言い聞かせているだけかもしれない。

同世代の友人たちは、会社で要職に就いていたり、結婚して幸せな家庭を築いていたりしている。
一方で、僕は夢を追いかけながら週6で派遣の仕事をこなす毎日。はたから見たらいい歳こいてフラフラしているよう見えるのだろう。
子供が生まれて、自分の家を持って...とか想像していた「幼い頃思い描いた幸せな30代」からは、あまりにもかけ離れている現状に、なんだか笑えてくる。

他人の目は気にしない。自分が信じた道を行こう!と切り替えることができたら、どんなに楽だろうか。

夢を目指すと決めたのに、周りからどう見えているか気になって仕方がない自分がみじめに思えて、何度も顔を覗かせる自分自身の弱い心を否定し続ける毎日を過ごしていた。

そんな時、ふとテレビをつけたら、あるトーク番組が流れていた。
ゲストは、大人気ロックバンド、WANIMA。
番組では、熊本出身の彼らのルーツやバンド結成までの道のりを話していた。

速いリズムに骨太な演奏。いつも笑顔なのに、歌う曲はなんだか切ない歌詞のものが多い。僕はそんな彼らが好きだった。

そのトーク番組では、番組の最後に一曲演奏するのが恒例になっていた。

演奏したのは、最新アルバムに収録されている「りんどう」。

今まで思い描いていたWANIMAのイメージとは全く違う、ゆっくりとしたテンポの曲に、僕は思わず面食らった。

正直、「なんか物足りないな...いつもみたいに勢いがある曲が良いのに」と思っていたが、映し出される歌詞の字幕を追いながら、最後まで観てみることにした。

曲もサビに差し掛かる頃、僕の目に飛び込んできたのは、ある歌詞だった。

「弱いままで強くなれ」

その瞬間、涙が出た。今の僕が抱えている葛藤についての答えを見せてくれた気がしたのだ。

そうか、弱いままでもいいんだ。
夢を目指すと決めた強い心を持った自分もいれば、世の中からどう見えるか気になる弱い心を持った自分もいる。
強い心と弱い心。両方があるから、自分なんだ。

そう気付いたとき、なんだか心がフワッと軽くなった気がした。

今でも、弱い心が顔を覗かせてくる時が何度もある。
その度に、この曲を聴く。すると、あの時の気持ちを思い出して、ちょっとウルッとしてしまう。そして、また頑張ろうと思えてくるから、本当に不思議だ。

これから何度もこういうことが起こるだろう。
でも、未来の僕よ、大丈夫だ。WANIMAが教えてくれたあの言葉を思い出して、歩いていこう。
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