4140 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

玉置浩二の使命を思う身勝手な私

一方的な理想の押し付けだとわかってはいても

玉置浩二が心臓の手術をしていたという。先日とある音楽番組を通して、さらっと言ってのけた。こっちはどえらくびっくりして、夜中の11時過ぎだというのに「えええええ!」と思わず悲鳴を上げてしまった。

昨年、胸の調子が悪く、心拍が上がって左腕も上がらない状態だったという。それでもソロコンサートツアーを強行し、11月には安全地帯として甲子園球場で三十数年ぶりのスタジアムライブを開催。4万人弱の観客の前で23曲を歌いあげ、途中ではグラウンドを1周走りながら観客とハイタッチを交わすというパフォーマンスも見せていた。こんな姿からは体に爆弾を抱えていたとはとても想像できなかった。そして今年の1月に手術。しかし彼ももう61歳。安全地帯のドラムの田中裕二が病気療養中ということもあわせて考えれば、メンバー全員、何があってもおかしくない年齢ではある。

手術を受けたことを聞き、無理しないで休んでほしい……そんなことを思ったのだが、ふと考えた。

玉置浩二はまるごと音楽でできているような人だ。歌うために生まれてきたといっても過言ではない。彼についてはプライベートな話題でワイドショーを賑わせる人という認識を持っている方も少なくないだろう。しかし唯一無二の歌唱力と表現力を持つ人物として、多くのミュージシャンの間で名前が挙がることも多い。玉置浩二は心底楽しげに、幸せそうに歌う。音楽が、歌うことが大好きだという思いに溢れ、全身から音が鳴り響く。だから「今はゆっくり休んで」などと願うことは、むしろ彼にとっては迷惑な話なのではないかと。

この日の番組内では安全地帯の「yのテンション」やファーストアルバムに収録されている「ラン・オブ・ラック」など、懐かしく珍しい楽曲のほか、「虹色だった」「aibo」「Lion」などが披露された。その伸びやかな歌声と声量は、手術したことなど微塵も感じさせないほどだった。

みんなに歌を、愛を届けたい。世界中が未曽有の緊急事態で明日がどうなるかもわからないような状況の中、ただひたすら音楽と歌の力を信じ、みんなの幸せを願い、励ますために画面の向こうから全身全霊で歌声を届けてくれた。

たとえ世界が、そして彼自身が困難な状況にあっても、歌うことこそ玉置浩二の役目なのかもしれない。玉置浩二が玉置浩二たるためには歌い続けることが不可欠。そう考えると、「無理しないで」とか「ゆっくり休んで」なんて言うのが憚られる。だから私はモヤモヤしている。頑張ってほしくないけど頑張ってほしい。何とわがままなことか。彼の本当の姿など何ひとつ知らないくせに、自分勝手なことを言ってるなとも思う。ファンて本当に無責任。

とはいえ。
あなたの歌で泣く日もある。悲しくなることも苦しくなることもある。それでもあなたが歌うことが生きる力になります。あなたが歌うことで前に進むことができます。だから全身全霊で命を削るように歌い続けてください。私も命懸けであなたの歌を聴き続けますから。
  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい