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最高のロックスターの新アルバムに込められた想いを紐解く

THE ORAL CIGARETTESは第二章に何を伝えるのか

最高のロックスター THE ORAL CIGARETTES がこの世に放った新アルバム
SACK MY WORLD に込められた想いを紐解く

〜オーラルは第二章の始まりに何を伝えるのか〜

2019年9月に行われた彼らの主催イベント  PARASITE DEJAVU で
ボーカル山中は、一曲目が始まると同時にこう言った。
 
『オーラルの第二章は間違いなく今日から始まる!お前らが間違いなくその証人』

                    ーーーPARASITE DEJAVU 山中 MCよりーーー
 
あの日オーラルの第一章が幕を閉じ、同時に第二章の幕開けを告げた。

オーラルが作り出す作品にはいつも深い意図があり、彼らの行動にはいつだって意味がある。
常に伏線を張り巡らし、するりと回収したかと思えばそのすぐ後からまた新たな伏線を張って走り出す。常人には理解が追いつかず、その度に理解しようと何度も映像作品を見直したりする。
いつだって新たな発見があるから病みつきになって必死に彼らの思想を理解しようともがく。

ここで本題に戻ってオーラルが第二章で私たちに伝えたい事とは一体なんなのか考えてみよう。

まずはじめに新アルバムの一曲ずつを自分なりに解読してみた。

01 Introduction
<創造は死と再生から生まれる/
人生というものはぐるぐる円を描いて回っている/
死の時間は刻々と迫る/
限られた時間の中で選ばれた人間が与えられる唯一のものは、信じる対象であり、使命である/
まばゆい光の先にあるのは幻想にも似た暗闇だ>

人生がぐるぐる円を描くというのは輪廻転生であり、人間は神を信じ、与えられた使命を全うするということ。誰しも人生は生まれた時から決まっているという考え方をすると理解しやすいのではないか。

02 Tonight the silence kills me with your fire
<My spirit comes from Marshall and rebel soul /
With the maximum respect /
I am going to break all common sense>

常に反逆精神を持ちBKW を掲げてきたオーラルの根元の考え方であると感じた。
そしてPARASITE DEJAVU のMCでも言っていた通り第二章のオーラルは当たり前を全部壊していくという宣戦布告とも受け取れる。

03 Fantasy
<現代の淵へ (Your time is up) 盛大に朽ちてく /
愛情を知って (Your time is up) 感情を知って /
Don’t stop believing>

愛情も感情もない人はいないだろう。
愛情があるから大切な人ができて、感情があるから誰かにすがりたくなるのだ。
そして神を信じ続けるのだ。
なぜなら人間が唯一与えられるものは、信じる対象であるからだ。

04 Dream In Drive
<満たせない感覚を切り裂いて /
唇が巻き起こすその夢へ /
世界がそっと無くなるその前に /
始めからから決まっていたんだろ /
夢で終わらせない>

この曲はどうしてもオーラルと重ねてしまう。オーラルのことだと思わずにはいられない。
始めから決められていた人生だとしても自分たちが巻き起こしてきたことを夢で終わらせないという強い意志が感じられた。

05 Maze
<子供の頃みたいに愛せなくなって /
大事なものも傷つけてしまうの /
それだけは嫌だって /
自分を誤魔化し守って>

子供の頃は素直に愛せていたのに、大人になるにつれて自分に嘘をついて誤魔化すようになる。
あの頃のワガママを思い出せればいいのに。手遅れになる前に気付けますように。
そんな祈りが込められているように感じた。

06 Don’t you think (feat.ロザリーナ)
<明日から僕はどうなるだろうか? /
きっと選べない /
あなたが想うように /
もし全てを変えれるなら /
どんな世界があなたを包むの?>

決められた人生で明日を選ぶことなど不可能だからこそこの曲の繊細さや儚さが引き立つのだと思う。
   
07 Hallelujah
<血を流さぬ世界を/
美しすぎた世界に戻ろう/
存在の証明は自ずと形を成し>

輪廻転生で世界が回り続けているのなら、美しい世界に戻ることが可能なはずだ。逆を言うとこの世界の先には血を流さぬ美しい世界があるのかもしれないと感じる希望の曲だ。
存在の証明、生きた証は自分が行動しないと残らない。芸術家はきっと生きた証を残すために作品を作るのだろう。それはオーラルも同じで、今ある作品、これから生まれる作品は、彼らの存在の証明となるのだ。

08 Breathe

歌詞はないがタイトルは『呼吸する』という意味だ。
14曲目 The Given に <今も信じてたくて/息を吸うんだろう>という歌詞がある。
15曲目 Slowly but surely I go on には <朝目覚めて息を吸い込んだ/終わることを少し望んでた> という歌詞がある。呼吸することは生きていることの象徴で、息を吸うことで生きていることを実感するのだと思う。だから生死観を強く表現したこのアルバムにこの曲は欠かせないのだ。

09 ワガママで誤魔化さないで
<ワガママで誤魔化さないで/
ワガママに嫉妬して/
沈んでは浮かぶ子供の血を好んだ>

子供の頃はワガママに生きられたのに、成長するにつれてたくさんのことを知ってワガママの意味を履き違えてしまう。まだ少し残っている子供の頃の血を研ぎ澄ませる。子供のころの気持ちを忘れないようにという警告のような曲だ。

10 Shine Holder
<昨日だろうが明日だろうがって/
やるべきことは見えてる/だって/
未来時点でどうなろうか/考えた/
私このまま感じてやってきた/
止められない想い/諦められんだろ>

この曲も4曲目のDream In Drive と同じでオーラルのことを歌っているような気がする。
常に未来のことを考えながら進み続けるオーラルの気持ちが秘められているのではないだろうか。

11 Naked
<きっと人間てそんなもんなんだ/
私利私欲のため愛していたんだ/
解体してみな君の感情を/
自己愛まみれで嫌になるはずさ>

どんなに容姿が美しくても心の内側には強く醜い欲が隠れているんだろうな。
心の闇、人間の汚い感情も音楽に昇華して表現するオーラルの真骨頂とも言える一曲だ。

12 Color Tokyo
<夢を掴みたい/
この街が見せてくれた景色を/
僕のものにして>

奈良から東京に進出して、『東京がモノクロに見えていた』と話していた山中が東京を自分色に染めて夢を掴み取った。そしてその先の夢へと突き進んで行く。その先の夢の中に私たちの姿がありますように。

13 From Dusk Till Down
<ひたすら眺める その様相/
朝すら感じず/In this dark>

ひたすらダウナーな音に山中の低い声が非常に合っていて聴き心地が良いはずなのに、曲が終わる頃には底のない闇に沈みはじめているような曲。このアルバムの中では一番『闇』を感じる曲だ。

14 The Given
<本当はここにはいないんだから/
何も怖いものなんてないな/
今も信じてたくて/
息を吸うんだろう>

20歳の時に死を感じたことがある山中にとって、今ある世界はなかったはずの世界も同然なのだと思う。息を吸うことで生きている今を実感する。そんな普通のことが少し特別なことのように思える一曲。
 
15 Slowly but surely I go on
<朝目覚めて息を吸い込んだ/
終わることを少し望んでた>
 
この曲は14曲目の The Given と対になる表現があると思っている。
The Given では『今も信じてたくて/息を吸うんだろう』と息を吸うことは生きることの実感としてプラスに表現されているが、この曲では『朝目覚めて息を吸い込んだ/終わることを少し望んでた』と息を吸うことで今日も生きているのか、、、と実感してしまうことをマイナス要素を含んで表現されている。二曲の表現が合わさってこそ人間らしさが増して、よりリスナーの感情に寄り添ってくれるような気がする。
 
オーラルの第二章、ここから先が本当に楽しみでならない。
最高のロックスターがワガママに進む道にはいつだって私の知らない世界があって、私の邪魔をする当たり前を壊してくれるのはいつだってオーラルだ。
私の人生を変えてくれたオーラルに出会えたのは、もしかしたら偶然ではなく決められた運命だったのかもしれない。そう思うとますます愛が深まるばかりだ。

生まれ変わってもオーラルに出会えますように。
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