4042 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

ゴールはここじゃない、まだ終わりじゃない

B’zというバンドについて

「私にとって、今、最も熱いバンドはB’zである」

私は、B’zが好きだ。

稲葉さんの作り出す歌詞から生まれる世界観、個性的で、力強く、時に繊細な歌声。
松本さんが生み出すキャッチーなメロディ、繰り出される超絶技巧のギタープレイ。
そして、そんな超人的な二人を支えるサポートメンバー、クルーの皆さん。
それらすべてが、大好きだ。

だけど、私がB’zが好きな一番の理由は、B’zが常に前に向かって進み続けるバンドだからである。

B’zが好きだという話をすると、よくこんなことを言われる。
「世代じゃないよね?」
「古い曲が好きなの?」
「昔はよく聴いたな~」

言うまでもなく、B’zは今現在も新しい音楽を作り続け、精力的にライブを行っている、「今」のアーティストである。あまり数字的な話をするのはどうかと思うが、新曲を出せば必ずオリコントップに入るような、人気アーティストである。(私が言うまでもないことだが…)

しかしながら、B’zといえば「ALONE」「LOVE PHANTOM」「ultra soul」などの所謂「一昔前」の有名曲を思い浮かべる方が多いことだろう。
もちろん、私もそれらの曲は大好きだし、ライブで聴けるのをいつも楽しみにしている。

恐らく、これにはメディア露出が少なくなったことが影響しているとも言えるだろう。昔は新曲が出るたびに出演していた様々な音楽番組に、2010年代ごろから殆どB’zは出演していない。そのため、タイアップなどを除いて、B’zの曲がファンでない人に届く機会が減ってしまい、結果的に最近の曲はあまり知らない、だけど、すごく有名なアーティスト、という現在のB’zを形成したのではないだろうか。

じゃあ、メディアにあまり出なくなって、B’zはパワーダウンしたのか?
そんなことは無い。むしろ、常に新しい音楽を作り続け、挑戦し続けながら、名曲をいくつも生み出している。
いくつか、ここ数年の間に発表されたB’zの曲をピックアップさせていただきたい。

まず、「有頂天」。
ドラマ主題歌にもなった曲だが、この曲は非常にパワーとメッセージ性のある曲だ。主人公は弱い男だ。しかし、「君といる時くらいは 勇気に満たされたい」「ゼロになるまで 自分を燃やし尽くしたい」というように、弱いながらも、強くありたいという想いが強く感じられる曲である。

「RED」は、広島カープに舞い戻った漢気、黒田投手と対談した松本さんが彼らのために曲を作り、稲葉さんが相応しい歌詞を書いた曲だ。
「楽はしない 偉ぶらない 誰のせいにもしない」という頭文字を並べると「RED」になるという言葉遊びと、広島カープのイメージカラーと、熱き血の色という意味での「RED」というこの曲は、すべての闘う人の闘志に火をつけるような曲である。

次に、「声明」。
「この度私は変わります」というキャッチーなフレーズから始まるサビは、新しい一歩を踏み出そうとする時、上手くいかない日々を変えたいという決意をした時、背中を強く押してくれる。

そして、「声明」と同時収録となった「Still Alive」。
この曲は、正直言って傑作である。最初は稲葉さんの繊細かつ、優しさを感じる高音から始まり、そこから一気に松本さんのギターで加速する、そして、サビの「どこにも行かせない愛しい人よ」というフレーズと共に一気に爆発する。歌詞自体は真っすぐな愛情を歌っているが、この曲も「力がもう少し あればいいなと思った」というフレーズがあるように、弱い男が大切な人のために強くありたいと願う曲である。

そしてこの頃、「DINOUSAUR」というアルバムをリリースする。
「DINOUSAUR」は当然、恐竜という意味があるのだが、そこには時代遅れという意味も含まれており、もちろん稲葉さん、松本さんもそのことは認識している。のちに、アルバムツアーの中でこう語っている。
「古いとか時代遅れとか、もうそんなこと言ってられない。自分たちが今まで影響を受けた曲も今や古いと言われているけど、自分たちはそういった時代の流れの中にいて、進化を続けていく必要がある。」
表題曲である、「DINOUSAUR」の中でも、「誰もまだオレの本当の声を知らない」「人知れず進化して」というように、隠しもった力がまだまだ自分たちにあり、まだまだ進化をしていくことを示唆するようなメッセージが込められている。松本さんが奏でるギターが、まるで恐竜の咆哮のようにも聞こえる本曲は、とても力強い曲である。
本アルバムツアーの本編は、先述した「Still Alive」で締めくくられる。文字通り、まだまだ、B’zは生きているのだ。
そして、アンコールのラストを締めくくるのは、「BANZAI」というライブでは非常に盛り上がる曲だ。
観客も共に両手を上げ万歳を行い、曲はクライマックスを迎える。「カコモミライモイッショ」という歌詞には、本アルバムに込められた意味を改めて感じさせる。

さて、ここまでの曲はデビュー25周年から30周年の間に生まれた曲である。もちろん、他にもたくさんの曲が発表されたが、どれも素晴らしい曲である。是非、聴いてみてほしい。そして、上記の「DINOUSAUR」のアルバムツアーを終えたB’zは、30周年の全国ツアーライブを2018年に実施する。
この30周年ライブのある公演にて、ある事件―いや、伝説が生まれることとなる。

それは、ツアー後半戦の福岡公演のことだった。
ライブ開始から3曲目を終えた時点で、稲葉さんの調子が公演を続けることが難しい状態となり、一時中断となってしまった。
この公演の様子は後に一部映像化もされているのだが、確かに明らかにいつもの歌声の調子では無く、非常に苦しそうな状態であった。

長き休止の時間を経て、稲葉さんがステージに戻ってきた。
そして、稲葉さんが選んだ選択は、「ライブの続行」だった。
「皆さんに頼るつもりはありません」「今日の僕の姿を見ていってください」
そう言って、稲葉さんは次に歌う予定だった曲を、歌い上げる。
「OH MY 裸足の女神よ キズをかくさないでいいよ」
B’zの往年のヒット曲、裸足の女神だ。
その歌詞は、まるで今の稲葉さんが、自分自身に歌っているようにも思えた。
その後、完全復活とまではいかないかもしれないが、稲葉さんは最後まで公演をやり抜いた。私はその場には居合わせられなかったが、きっと最高のライブだったことだろう。
だって、我々ファンが愛してやまないのは、「逆境にありながらももがきなががら前に進む」B’zの姿なのだから。
偶然か、それとも奇跡か、このツアーのタイトルは「HINOTORI」であった。とんでもないピンチを乗り越えた、稲葉さん、松本さん、サポートメンバー、クルーの皆さん。まさに彼らは、不死鳥のようなバンドである。
「荒野を走れ どこまでも」
30周年のライブは、定番曲である「RUN」によって締めくくられた。

30周年のライブを文字通り、最後まで完走したB’z。
そして、その翌年2019年。年の初めに、2019年に新たなアルバムをリリースし、そのアルバムを引っさげたライブツアーを行うことを発表した。

この発表には、もう一つファンにとって衝撃的な内容が含まれていた。
それは、これまでのサポートメンバーを一新するということだった。

B’zのサポートメンバーは、ある程度入れ替わりもあったが、特に近年は固定化されてきており、ギターの大賀さん、ベースのバリーさん、ドラムのシェーンさん、キーボードの増田さんというメンバーは、もはやサポートメンバーという枠を超えてもはやB’zの正規メンバーのようにファンからも愛されていた。
(特に増田さんはもう20年以上の付き合いになるだろう。)

30周年も迎えて、あるいみバンドとしてはもう安定を目指しても良い時期なのに―彼らは、B’zはまだ何か新しいことを探している。全く、立ち止まる気が無いんだ。もちろん、サポートメンバーの一新には私自身非常にショックを受けた。しかし、それ以上に、とてもワクワクと、これから何が始まるんだろうという期待が高まったのであった。

時が流れ、アルバムのタイトルが発表された。
それは、「NEW LOVE」であった。
新しい、という言葉が明確に含まれたタイトル。B’zにとっての、新しい、愛。そこには、きっと音楽に対しての愛、ファンに対しての愛、純粋な愛、色々な意味が込められていることだろう。そう、B’zにとっては、30周年はただの通過点であり、彼らの音楽の旅はまだまだ終わりでは無いのだ。

2020年のライブツアーは、アルバムの新曲を中心に、過去の名曲や、近年のシングル曲を織り交ぜたまさに「今の」B’zの最高到達点であった。過去の名曲も、演奏するサポートメンバーが入れ替わり、今の稲葉さん、松本さんがパフォーマンスを行うことで全く新しいものにー文字通り「NEW LOVE」へと変化するのである。

本編の最後は、アルバムの中の一曲である、「兵、走る」という曲で締めくくられた。本曲は、ラグビー日本代表の応援曲ともなっていたので、聴いたことのある方も多いだろう。

その曲の中で、稲葉さんは次のように歌い上げる。
「ゴールはここじゃない まだ終わりじゃない」

信じられますか?31年目を迎えたバンドが、まだここがゴールじゃないと歌っている。自分が生まれる前から、常に音楽業界を牽引してきたトップランナーが、まだ走ることをやめていない。それどころか、まだ新しい何かを探し続けている。そうだ、私がB’zが好きな一番の理由は、B’zが常に前に向かって進み続けるバンドだからだ。
 
稲葉さんも、松本さんも人間である以上、永遠に音楽を続けていくということは無い。これは、ファンとしては悲しいけれど、いつかは訪れることだと思う。
だけど、B’zは終わるものではなく、きっと走る抜けると思う。
上手く言葉では言えないけど、稲葉さんも松本さんも、音楽をやめるのではなくて、きっとやり切って、気付いたらすべてのエネルギーを使い果たしていた…そんなクライマックスを迎えるのではないかと思っている。

もちろん、まだまだ私はB’zが私に勇気と感動と、喜びを与え続けてくれると信じているし、彼らが闘い続ける限り、私も共にありたいと思う。

もう一度、最初に伝えた言葉をもって締めさせて頂く。

「私にとって、今、最も熱いバンドはB’zである」
  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい