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望遠鏡に映った唯一の光

BUMP OF CHICKENという恒星を見た

見えないモノを見ようとして
望遠鏡を覗き込んだ
静寂を切り裂いて
いくつも声が生まれたよ

-天体観測

それは沈黙の声であった。

ウイルスの到来で、予定されていた大学の入学式は潰れ、授業の開始は5月にまで引きずられ、さらには授業自体も遠隔という形が決定した。
授業によっては、友達もできない、先生の顔もわからないということで、新生活とは程遠い生活を強いられていた。
いわゆる、“退屈"が似合う日の連続である。
誰もが収束を望み、誰もが自粛に励んだ。
それにも関わらず、ウイルスは猛威を奮うばかりで、今では未曾有の出来事となってしまった。
中には心傷まれるニュースも飛び交った。
"退屈"は知らず知らずのうちに、"絶望"に変わっていたのである。
"絶望"に変わった頃には、前期の大学生活は終わりを迎えていた。
正直言って、生きてきて初めて宿題のない、勉強に力を注がない夏がやってきた。
それにも関わらず、あれこれと頭に浮かぶものは全て自分の手から離れていく。
気づけば、遊べる場所は地元に限定されていた。
さらには、待ち望んでいた、思い描いていたライブやフェスは延期や中止で相次いだ。
もう"絶望"の淵までやってきたのかもしれない。

そんな時だった。

8月3日、その日はなぜか早起きをした。
特に予定はなく、いつも通り空虚な朝であった。
いつも通り、時間を確認するために携帯を開いてみると、そこには

『BUMP OF CHICKEN 新曲』

と通知されていた。
頭が整理できず、夢かと疑った。
その通知にはタイアップ先の映像作品もついていた。
紹介されるがままに再生ボタンを押した。
1分も経たないうちに、聴いたことあるような、聴いたことないようなメロディが耳に入りこんでいった。
メロディは身体全体を駆け巡り、全身に夢ではないことを確信させた。
それはつまり、いつものような空虚な朝などではなく、むしろ高揚感のある朝を迎えさせたことを意味している。

しかしなぜ、聴いたことのあるメロディに感じたのか。
それはどこか懐かしさを感じられたからではないだろうか。
ファンにとっては約1年ぶりの新曲である。
アーティストである前に人間であるBUMP OF CHICKENにも環境の変化があるわけで、大きな変化があってもおかしくないのにも関わらず、BUMP OF CHICKENらしさは欠けていなかったのだ。
そのBUMP OF CHICKENらしさを芯に持って、新しい音を探求した結果、決して過去のメロディに似ることのない、唯一無二の新たなメロディが誕生したのである。

つまり、聴いたことのあるような、聴いたことのないような、アンビバレントな音楽がファンのもとにようやく届いた。

その瞬間に"絶望"の淵から"希望"の光を見た。

その"希望"の光は、夏休みを生産性のあるものに変えていく。
遊べる場所が地元だっていいじゃないか。
記憶を遡れば、中学を卒業して、高校はバラバラになって会えていない友達が多い。3年間の時を経て、この際同窓会みたいなものを開催したっていい。
フェスやライブは中止や延期になったかもしれない。
けれども、オンラインという形で過去の映像を公開してくれているではないか。
楽しみ方次第では、来年に向けた助走をつけることだってできる。

まだまだ諦めたもんじゃない。

後期の大学生活も、引き続き遠隔授業という形に決定した。
もしかしたら、また同じように"退屈"を感じ、"絶望"を感じるかもしれない。
けれども、そんな時こそ、"希望"を見いだしていく。
きっと、後期の大学生活が始まる頃には、再びBUMP OF CHICKENの新情報が解禁されるかもしれない。
あくまで仮定ではあるが、信じる先に"希望"ありだ。

絶望 希望
羽根は折れないぜ
もともと付いてもいないぜ
いこう いこうよ

-望遠のマーチ

無理に飛躍するのではない。
一歩、一歩、人間らしくいこうよ。
 
*これはある大学生が覗き込んだ望遠鏡に映る一部を文字化したものである。
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