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三度の飯より藤井 風

何が大切なんよう選んで

私が藤井 風を知ったのは確か、コロナで世間がざわつき始めたちょうど今年の1月頃だった。
当時は別のアーティストに夢中であり、関連YouTubeオススメに出てきたMVをなんの気なしに見たのがきっかけだった。

「何なんw」というタイトルを見てまず、チャラいお兄ちゃんがふざけた歌を歌ってるのだろう…とまったくの偏見を持ちながら再生。

目に映ったのは、整った外見でありつつ、肥溜めや青さ粉というワードを岡山弁に紛れ込ませ、自由自在に自ら創り出した音楽を楽しんでいる藤井 風の姿。

私は地元が岡山であるため、歌詞内容もよりストレートに入ってきた。

その時は、ただいつものように、カッコイイな、同じ岡山出身みたいだし応援したいな、といきなり深みにはまることは無かった。大人になったら、何事も用心深くなる。

それが現在9月、藤井 風無しでは生きていけない、三度の飯より藤井 風、の状態である。

きっかけとなったのは4月頃のaikoの「kiss hug」をTwitter上でカバーしている動画を見たことだった。その曲は元々、King gnuの井口が高校時代彼女に歌っていたというエピソードもあり、重ね合わせて何度も見た。

そのうち、藤井 風の他の動画を見てみたい、となった。そこには魅力の玉手箱(通称風沼、私は風の谷と呼びたい)が、無限に広がっていたのである。少しノスタルジックな実家で奏でられる風ワールド。1音1音が輝いていて、楽しそうに演奏し、歌っている姿に心底魅了されたし、ずっと見ていたいと思った。少しダサい衣装や髪型、昭和感溢れる家の風景、たまにカメラが落っこちるのも全て好ましく感じられた。初期のものは映像を撮っているだろう、カメラの手前にある御家族の愛情まで感じられる。

彼のカバーは曲選もしっくりくる。どの人も、心の中で大事にしている1曲があると思うのだが、忘れかけていた気持ちをひとつひとつ思い出したり、解放してくれている気分になった。

そしてトドメとなったのは、4/26にあったYouTube配信LIVEである。元々開催予定だったツアーが、中止になり、その代わりに配信LIVEとなった。
言わばコロナ禍故に見られた動画である。

それまで、英語で喋っている姿は解説動画で目にしていたが、歌以外で喋る姿は見たことがなく。ワクワクしながら登場を待っていた。

そして飄々と出てきたのはメガネ、自分の顔がプリントされたグッズTシャツ、高校の緑ジャージを身につけた彼だ。

格好もさながら、画面の前に溢れ出る変人ぶりに度肝を抜かれた。英語を喋ったかと思うとのんびりした今どきお年寄りしか喋っていない岡山弁に切り替わり、喋っている途中でいきなりピアノを弾き、歌い出す。コイツは…只者じゃない…

チャット欄で繰り出されるリクエストにも「よう読めん~」と言いつつ、次から次に目に入ったものに華麗に応えて弾き語る…本物だと思った。

そこからは私も溢れ出る気持ちを抑えられず、ついに情報収集専門だったtwitterにも書き込みを始め… ツイ廃という言葉も、10代の子に教わった。

5月にアルバムHELP EVER HURT NEVERが発売され、ますますメディア進出(主にラジオ、YouTubeであるが)が盛んになり、ついに10月には武道館でワンマンライブである。

コロナ禍の中に、まるで救世主の如く現れた彼は、最近出演したラジオでこのように話していた。「夢を追うことはゴールが無いものだから、心の平安や幸せは、自分の中にしかない。そのことを忘れないようにしている」と。

私はふと気づいた。このところ、藤井 風が笑っていると嬉しいし、元気じゃ無さそうだと同様に元気を無くしていた。

特に現在社会全体が尋常ではないストレス状態にある中で、いつの間にか心の平穏を、彼に求めていたかもしれない。

これからは依存しすぎず、なるべく自分のご機嫌は自分で取れるよう過ごして行こう、そのためにも、「内なる風」に早急に吹かれなくては!!と「もうええわ」を再生。

すると流れてきたのは、
古ぼけたレコードから聴こえてくるようなイントロピアノの音色、歌詞によって突き放したり、また優しく寄り添うボーカルセンス、響くセクシーな低音ボイス…

まったく冷静になれるはずもなかった。今後も彼に心をかき乱され続け、何が大切なんかよう選べ、と突き付けられ続けることを、確信した。

昨年のKing Gnuの狂乱ぶりにより、密かに藤井 風の事も心配しており、現在進行形で人気が拡大中の現在。

そよ風から暴風の勢いである。

だが6月に23歳になりラジオ番組に抱負を、「モノを無くさないこと、揚げをカビさせないこと」と語っていた彼は、これからも自分の足元をしっかり見つめながら、変幻自在の風となり、音楽を届けてくれることだろう。

そして私は、レコードver HEHN を再生しつつ、藤井 風監修の難解すぎるであろう楽譜を弾いてみようとしては挫折し、武道館LIVEを心待ちにする毎日をしばらく過ごす予定である。
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