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ヤバTに夢を託して

こんなご時世でも夢は叶えられる

 今から約30年前に起こったバンドブームで、私はいろんなバンドを見てきた。
当時は毎週のようにバンドがデビューし、テレビCMやドラマのタイアップもたくさん付いて、バンドメンバーが何もしなくてもある程度はCDが売れる時代だった。
 
 現在もバンドはどんどんデビューしているが、あの頃みたいにCDを出せば勝手に売れる時代ではない。CDを購入するよりストリーミングで音楽を聴くリスナーが増え、バンドの情報を手に入れる手段は音楽雑誌からネットに変わり、バンドメンバーも自ら情報発信を続けなければリスナーに忘れられてしまう。

 そんな中抜きん出ていると思うのは、ヤバイTシャツ屋さんだ。
大学在学中にバンド結成してメジャーデビュー、CMタイアップ決定、テレビやラジオの番組を持つ、そしてこの度アルバムがオリコンチャート1位獲得。
かつてのバンドブームの頃から誰もが抱く「バンドの夢」を、この音楽業界が厳しい時代に叶えていく3人組を見ていると「こんな時代だからとか年齢とかを言い訳にしなくても夢は叶うんだ」と私も勇気が湧いてくるし、他の若手バンドの刺激にもなるだろう。
 
 彼らの良さは親しみやすい関西弁で歌われる楽曲だけでなく、セルフプロデュースの上手さも大きい。毎回話題になるプロモーションビデオはボーカルのこやまたくやが「寿司くん」名義で監督しているし、今年の緊急事態宣言による自粛期間中でも彼らの曲で「どちらの楽曲がよりお気に入りか」というトーナメントを実施した。
 
 今回発売されたアルバムで先行公開された「GIve me the Tank-top」のタイトルを目にした時、またタンクトップが似合う体になりたいとかそういう歌詞なんだろうと思った自分が浅はかだった。
このコロナ禍だからこそ紡ぎ出されたかのような歌詞。
『思い出さんでいい過去 捨てよ』『前しか見とらんで』
約40年間、ずっと後ろ向きだった私の心をぐいっと前に向かせてくれたのはこのシンプルなフレーズだった。
あの時頑張って四年制大学行ってれば、もっといい仕事に就けたんかな。
友人関係にも悩まずに済んだんかな。
あの時ひどい事言ってきたあいつにガツンと言ってやればよかったかな。

もうそんな昔の事ええやん!今の世間も大変やけど前見よ!って3人が楽しそうに演奏しながら伝えてくれている。
YouTubeで公開されたこの楽曲のPVを聴き終わった時は涙が溢れていたが、おじいさんがイヤホンを外したら部屋の後で演奏していたメンバーが消えると思っていたらまだいたので笑ってしまった。
ああ、やっぱりヤバTは面白いし元気をくれるんだな。

これから年末にかけては、彼らが紅白歌合戦出場の夢も叶えられるように願っておこう。
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