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窮鼠猫を噛む、キュウソネコカミ。

私の人生を彩ったロックバンドの話

2019年の秋頃、私はあるロックバンドに出会った。
  
“キュウソネコカミ”。
昔から音楽番組をよく観ていた私は、バンド名はなんとなく知っていた。しかし曲を知っているか?と言われると、自信を持ってYESとは答えられないほどの認知度だった。

きっかけは友人からのレコメンドだった。
ロックが好きな友人が「面白いよ。聴いてみてよ」とお勧めをしてくれた。当時私は日本のロックミュージックに足を踏み入れたばかりだったため、そこまで勧めるなら、と興味本位で聴いてみた。

YouTubeを開き、初めて再生したのは確か「メンヘラちゃん」。このパンチのあるタイトルと動画のサムネイルに惹かれたからだ。
良い意味で無駄にハイクオリティなMV、「付かず離れずメンヘラ」という強烈なフレーズ、そして何よりイントロから際立つシンセ音と間奏の骨太なユニゾンのサウンドに一瞬で心を奪われた。確かに歌詞といい映像表現といい、面白いバンドだった。しかし面白いだけでは終わらせないかっこよさがあった。

それからというもの、私の人生に「キュウソネコカミ」という輝きが加わった。私がキュウソに出会うまでの空白の9年間を埋めるために、アルバムやシングル、ライブDVDをひたすら集め、YouTubeでMVを何度も見て、ひたすらキュウソの音楽に触れた。勧めてくれた友人にも若干引かれていたかもしれない。しかし私の中のキュウソの存在は日を増すごとに大きくなっていき、離れてくれなくなったし、離したくなかった。

2020年への年越しの瞬間も、目の前にキュウソがいた。COUNTDOWN JAPANの年越しアクトが、私の初めてのキュウソのライブだった。この上なく幸せな体験をした。一番大きいステージの大役に、私の大好きなバンドが任されている。様々な色の、様々なバンドTシャツを着たオーディエンスが、キュウソの曲で踊り狂っていた。
大好きなバンドと、大好きな音楽を聴きながら迎えた2020年は、良い年になる気しかしなかった。良い年になるはずだった。

結成10周年、しかもねずみ年。こんな運命の巡り合わせがあるなんて。47都道府県ツアー、アリーナライブも決まっていた。きっとキュウソ自身も2020年を突っ走る準備を整えていたであろう。

結論から言うと、彼らが出演する予定だったライブが全て延期、中止になった。説明をするまでもない。目に見えないあいつのせいで、私の生き甲斐、そして彼らの輝ける場所を奪われてしまった。私の想像を超えるショックと喪失感を彼らは感じていたに違いない。彼らが放つツイートやコメントにも悔しさが如実に表れていた。

しかし、だ。

彼らのバンド名を冠した曲「キュウソネコカミ」には、こんな歌詞がある。
“追いつめられたネズミは 血だらけになりながら猫を襲う”
絶体絶命の窮地に追い詰められれば、弱い者でも強い者に逆襲できる、という、ことわざ「窮鼠猫を噛む」に由来する歌詞である。

彼らはこの逆境にへこたれていない。むしろ前に進んでいる。新型コロナウイルスという名の敵に対して逆襲しようとしている。昔からの彼らの得意技である。

配信ライブ「電波鼠」を彼らに縁のあるライブハウス・梅田シャングリラを舞台に開催したり、YouTube配信、ライブ映像の公開、ラジオ等メディア出演やデジタルシングルリリースをしたりするなど、まさに「窮鼠猫を噛む」精神で歩みを止めず活動し続けている。また中止になった10周年記念対バンツアーに関して、ヨコタさんはラジオやTwitterで「いつになろうとも全国回り切るまでキュウソの10周年は続く」と話している。

キュウソにとって大切なメモリアルイヤーになるはずだった2020年。年間100本以上ライブをしていた彼らも今年は数えられるほどしか出来ていない。彼ら自身はもちろんであるだろうし、私のようないちファンも悔しい。しかしそれでも止まらないのが、私の一番大好きなアーティスト「キュウソネコカミ」。ライブバンドである彼らの、音楽を爆音で鳴らしたい、ライブをしたい、という強い気持ちが行動から感じ取れる。これだから私はキュウソを嫌いになれないし、なる気もない。

あの時、友人が勧めてくれなかったら、YouTubeで「メンヘラちゃん」を見ていなかったら、Apple Musicでキュウソの楽曲をダウンロードしていなかったら、CDを買っていなかったら、こんな思いをしていなかったかもしれない。ヤマサキセイヤさんの書く、矢のように真っ直ぐで心に突き刺さる歌詞と5人の創り出す一音一音、唯一無二のライブパフォーマンス、インタビューやSNSから感じ取れる彼らの人想いな人間性、全てが大好きである。私も参加したCDJで、セイヤさんは「僕の夢はキュウソネコカミを続けること」と言っていた。たとえ追い詰められていたとしても、キュウソなら大丈夫。きっと蹴散らしてくれる。たまにはシェンロンに何とかしてもらいながら。他力本願かい。
5人がずっとキュウソネコカミでありますように。またライブに行かせてね。私がまだ体験してないライブハウスのキュウソを見に行くまで、8割くらいの力で頑張っていく。

私は今、「サブカル女子」を聴きながらこの文章を書いている。
「ほーそみーたけーし好きー!」「意味無くSUBWAYでOh Yeah!」
どんな歌詞だよ。何度も聴いてる曲だけど、未だにクスッとしてしまう。私は今日もキュウソネコカミに元気玉を分けてもらっている。

あ〜、とんでもないバンドを好きになってしまったなあ。困った。
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