lynch.が15年かけて掴んだ希望の光
2020年10月25日(日) ″FACE TO FAITH" at 日比谷野外大音楽堂
2020年11月5日
31
9月10日、9月11日と2DAYSで行われたlynch.初の無観客ライブ、″LIVE’20「DECIDE THE CASE」CASE OF 2013-2020/2004-2012″。
その2日目で発表されたのはこの10月25日の野音ライブだった。
正直なところ、野外だし配信も行うとはいうもののこの時期に観客を入れてライブを行うことに驚いたし、発表されてからもずっとライブが無事開催できるだろうかと当日まで冷や冷やしていた。
最後に私がlynch.のライブを観たのは改修前の渋谷公会堂だった。
9月の無観客配信ライブも見たけれど、配信とはいえlynch.のライブを見るのは5年ぶりくらいだった。
今年はツアーで実に9年ぶりくらいにlynch.が地元のライブハウスに来てくれる!待ってました!と喜び勇んで、チケットもFC先行で取ってあった。本当ならそこで5年ぶりにlynch.のライブを観れるはずだった。けれどCOVID-19流行の影響で残念だけどツアー自体が中止や延期となりそれは叶わなくなってしまった。
ステージが暗転し、だけど野外だからまだこの時期は開演時刻の17:00でもいくらか明るい。不思議な光景だなあなんて思っているうちにメンバーが登場しそれぞれの定位置につく。
「観客の前でライブができる日をずっと待っていた!」とばかりに感慨深そうに腰に手をあてお辞儀した玲央。
髪がずいぶん伸びていて、両サイドを残しつつ後ろ髪をひとつに束ねていてキュンときた。
今後玲央は髪をどこまで伸ばすんだろう。
配信の映像で見た限り客席には女性だけでなく男性の姿も多く見受けられた。
"OBVIOUS""EVOKE"など葉月の「聞こえてるからな!」 の言葉通り、声を出している人はいないはずなのに、それでも観客が歌う声が聞こえてきたのは、何も私がlynch.のライブを目にする機会が多かったから、それだけではないはず。
「東京!ようこそ処刑台へ!」
葉月のこの煽りから"GALLOWS"へなだれ込む。ライブではもうすっかりお馴染みのこのイントロ。
だけど収録されているアルバム『GALLOWS』がリリースされる直前、メディアで葉月が「背水の陣と思って作ったアルバム」そのように話していたことを思い出した。あのときはCDセールスやライブ動員をもっと伸ばしたい。葉月のそんな思いから出た発言だったと記憶している。
あのときとは状況は全く違うけれど、数々のガイドラインが存在するこのライブもある意味背水の陣のようなライブだと思った。
現にこの日のライブの観客は野音のキャパシティよりも少ない2000人ほどだったという。
しかしそんなことは全く感じない。むしろ前回の野音に引けを取らない、満員のようにさえ感じた。
「久しぶりだな下手の民!」
ステージ下手、悠介と明徳が定位置のこのあたりに陣取る観客のことを葉月は「下手の民」と呼ぶ。
"GREED"のアウトロや"CREATURE""FAITH""INVADER"などではスラップなど明徳のベースプレイが響き渡る。
以前は彼のベースは前に派手に出て暴れまくるのが特徴だった。
それがバンド復帰後、昨年から今年頭くらいまで控えめになってしまったように感じられて、もっと以前みたいに出るところは前に出ても良いのになあ。そう思っていた。
それがこの日はリズムをしっかりと支えながらも以前のように前に出るところは出たりと、メリハリがすごくきいていた。
「呼んで呼んで!心の中で!」
この日ならではの煽りで晁直を呼ぶ声を観客に求める葉月。
ライブでは晁直のドラムから始まる"MIRRORS"。
「どうやったらそんなに手をせわしなく動かせるんだろう?」
見るたびにそんな疑問が浮かぶ玲央と明徳のせわしない指遣いに対して、優雅な指遣いで、ただ激しいだけじゃない、曲に宝石のような輝きや彩りをつけていく悠介。
そう見えるだけで、本当は悠介もせわしない指遣いをしているのかもしれないけれど。
かと思えば配信用のカメラに向かって自分たちの配信ライブ映像が映ったiPadを大映しにし、ライブ中でもコメントを読んでいることをアピールする葉月。
そんなことする人初めて見たよ!(笑)
"UNTIL I DIE"からセットリストは少しずつミディアムナンバーが続くゾーンへと入っていった。
"an illusion"は悠介がメディアでよく「転機となった曲」と話している。
それまで彼はlynch.で自分の色を出すことに悩んでいたそうだけど、この曲でディレイなど自分の得意とするプレイを出せたことが悩みが吹っ切れるひとつのきっかけになったと話していた。
続けて演奏された"BE STRONG"は、それまでは葉月ひとりが全作詞作曲を手がけていたlynch.が初めて、葉月以外のメンバー、悠介が作曲した曲を採用した、lynch.にとって転機となった曲。
歌詞はPay money To my PainのKさんを思って書いたと葉月がメディアで話していた。
次に演奏されたのは"SORROW"。こちらも悠介の曲でテーマは喪失。
"BE STRONG""SORROW"と喪失がテーマの曲が続いたのは偶然だろうか必然だろうか。
───悲しい思いをさせてしまったね
もう二度とは離さないから
終わらない未来は此処にあるんだよ
信じて欲しい いつの日か 再び
煌めいて
(lynch.『SORROW』より引用)
今年はlynch.15周年のアニバーサリーイヤーで、本来なら大規模なライブツアーが組まれていた。
けれど世界的なCOVID-19流行の影響で中止や延期となってしまった。その中には私が行く予定だった地元のライブハウスももちろん含まれている。
もしかしたらその他にも、残念なことに公に発表する前に中止となってしまったライブも存在するのかもしれない。
話は逸れるけど私は「コロナ禍」という言葉を極力使いたくない。理由は「禍」という漢字はこれひとつで「わざわい」と読む不吉な漢字だから。私は言霊を信じる質なので、禍という漢字を使うことがさらに不吉なことを招くのではないかと懸念しているから。
lynch.の話に戻すと、予定していたライブができなくなってしまって申し訳ないという気持ちと、それでもライブができるようになるのを諦めない。そんな思いがこの歌詞にのせて伝わってきた。
少し前に葉月がメディアで「ライブがもう二度とできなくなるかもしれないなという頭がある」と話していたことを思い出した。
それから約5か月ほどが経った今。もうライブができなくなるかもしれない、一時期はそこまで考えていた葉月がこうして野音のステージに立ち観客の前で歌っている。その姿を見て、"SORROW"の歌詞がこれまで以上に胸に迫ってグッときた。
これまでのlynch.のライブは聴かせる曲のゾーンと暴れる曲のゾーンがはっきりと分かれすぎていると不満に思っていた。聴かせる曲が続きすぎてライブの流れがダレてしまうと感じていた。
しかしこの日はそんなことは全く感じなかった。
それはきっと観る側も演る側も久々のライブだったからという理由だけではないはず。
またこの日は、これまで良い意味でCD音源に近いサウンドをライブでも聴かせていたlynch.が、ライブならではのアレンジで曲を聴かせていたのも印象的だった。
「聞かせてくれ東京!なんかすげぇ天気良いからもっと暑いのかと思ったけどけっこう寒いよね?袖ないしね俺(笑)」
葉月ならではの自由でフランクなMC。葉月の煽りやMCには飾らない言葉を使う彼らしさがある。
「歌もの続いちゃったんでしょうがないですけど、こっからは皆さんの大好きな暴れる曲が続きますから!」
ここからは葉月の言葉通り暴れる曲が立て続けに披露された。
「生きてて良かっただろー!」
「歌うから聴いててくれよー!」
"PLEDGE"で葉月は歌詞をこう変えて力強く歌っていた。
こんなに力強く感じたメッセージはない。
そして葉月のまるで内臓を吐き出してしまうんじゃないかと思ったほど低く轟くガテラル。
「みんな久しぶりだからさ、メンバーの名前忘れちゃったんじゃないの?
教えてあげようか?
オンドラムス・晁直!
オンギター・悠介!
オンギター&リーダー・玲央!
そしてボーカル葉月ですよろしくお願いします!
よっしゃ全員で飛ばしていこうかー!」
いやいや、ひとり紹介忘れてる!と言わんばかりに笑いながら葉月を指さし前に出てくる明徳。
「ちょっと入ってくるの遅いよ遅い、リハビリが必要です」と葉月にダメ出しされる明徳(笑)。
そんな明徳の背中を叩く玲央も、当の明徳も、そして葉月も笑顔全開で、久しぶりに見るこの光景に微笑ましくなった。
「さあ紹介しましょう、野音童貞今夜卒業!オンベース・明徳!」
"INVADER"で明徳のスラップが炸裂する。
玲央と明徳が向き合って弾いているのを見るのも、もう全てが久しぶりで尊い。
このあたりからメンバー全員の目がキラキラ輝いているように見えた。
「上手、いつもだったら声が割れんばかりに玲央さんの名前を呼んでるところだと思いますけど、今日は声出せないから僕が代わりに呼びます。
玲央!玲央ー!」
突然の葉月からのメンバーコールにイヤイヤとばかりに手を顔の前で振る玲央(笑)。
────ピンポンパンポン
この先、そのまま載せるにはヒドく卑猥でドイヒーな発言があるためところどころ伏せ字になることをご了承ください。
「前回野音の時もう何言ってたか覚えてないんですけど、なんか多分変なこと言ってたんだろうなと思います。
外ですから、この東京の日比谷の街の不特定多数の人に聞かれてることを、心に、肝に銘じて言葉に気をつけながら慎重に、慎重にデリケートにデリケートに話したいと思います。
約2000人の皆さん、青◯したことありますかー!?」
葉月の舌の根の乾かぬうちにその問いかけに多くの手が上がった。
「あるんですかそうですか(笑)。じゃあもう手慣れたもんですね。
日比谷の全員に聴こえるような音で僕たち5人とセッ◯スしませんかー!?
セ◯クスしますよ皆さーん!」
こう煽ったあとで「…今年もやってしまった」と顔を手で覆い隠した葉月。
さてはあなた、前回の野音で何て言ったか覚えていましたね? 確信犯ですね?
「全員で、配信のやつらも全員で、セッ◯スしようぜー!」
………ええと、初めてlynch.のライブレポを読んで驚かれた皆さん。"pulse_"という曲前の煽りはいつもだいたいこんな感じです。
このあと曲中では観客が「ヤリたいヤリたい」と声を上げるパートがあります。
しかしこの日はもちろん観客は声を出せないので葉月は「心の中で念じてください」と煽りその後「なぜか聞こえた気がする」と笑っていました。
しかも前回野音でライブ演った時も青◯って言っていました。
ちなみにその前回の野音はライブDVD&ブルーレイ化されています。伏せ字にしたところももちろんばっちり入っています。もちろんピー音なしで。
「いつもだったら声聞かせてもらっていいですかって言うんだけど、拍手聞かせてもらっていいですか!?」
「こんな大変な状況の中、ちょっと変わったルールでのライブになっちゃったけど、本っっ当に最高のライブでしたありがとう!」
「もう1曲聴いてもらえますか?聴く?いや違う、もう1曲ブチ暴れてくれますか!?」
これらのMCに続いて演奏された"LIGHTNING"で葉月は曲中にこう叫んだ。
「今日この夜がみんなの希望になったら最高です!行こうぜ、未来へ!」
───そう 激しく求めるほどに未来は輝くから
明日を変えたけりゃ今しかないよ
夜明けは待つものじゃない
(lynch.『LIGHTNING』より引用)
この歌詞にも心揺さぶられた。
ライブはまさに演る側と観る側の求め合い。
“夜明けは待つものじゃない”と、ライブができる未来を求めて、手探りでもlynch.は歩き出した。
本編ラストの"from the end"に入る前に「ここで喋る予定なかったんですけど」と前置きして葉月は話し出した。
「声出したくもなるでしょうこんな楽しければね。
だけど、良い意味でみんなの声は曲の間聞こえてませんでした。どうもありがとう」
観客から大きな拍手が起こった。
葉月のこの飾らない人柄が滲み出ているMCもlynch.のライブの魅力のひとつだと思う。
止まない手拍子の中、メンバーが再びステージに現れた。
「皆さん、ありがとうございました。素晴らしいライブでしたありがとうございます」
「なんとしてもやりようはあるわけです。
だって今日みんな声出せなくても楽しかったでしょ?」
「"LIGHTNING"もさ、自分で刺さりました。
8年前ということは30歳の僕が書いた歌詞ですね。
30歳に38歳が励まされましたね。
皆さんの人生においてlynch.の歌詞もそうだし曲もそうだしこのライブもそうだし。
この存在が皆さんの人生にとってこれから光になっていけばいいなと思いますし、
その光であり続けるために僕らも頑張りますんで。今日はありがとうございました」
葉月がこれらの感謝の言葉を伝えると観客からは大きな拍手が起こった。
しかし曲にいこうとしたタイミングでいきなりピンクの法被を羽織った明徳。
それに気づいた葉月が、
「え!?なになになに!?ちょ、ちょっとごめんなさい。なにこのタイミング!?ウソでしょ!?」
と、すでに演奏に入ろうとしていた他のメンバーを止める羽目に(笑)。
「どうしようと思って(笑)。やっべ、始まると思って(笑)」と言う明徳に対し「始まるだろうよ」と冷静にツッコむ葉月(笑)。
このまるで兄弟漫才みたいなやりとりも久々で尊い。
喋りたかったという明徳の希望でメンバー全員がここでMCをすることに。苦笑する晁直、無になる悠介。
終演後、明徳は自身のTwitterに「なんか別の穴空けてまった気がする」と書いていたけれど、私としては久々の観客の前でのライブということもあって、メンバー全員の声が聞きたかったからむしろグッジョブ。
というのも、前回の野音はわけあって明徳はいなかったため、5人での野音のステージはこの日が初めてだった。
明徳が着たピンクの法被はその前回の野音の時に販売されたグッズ。
葉月によると観客の中にはこの時の法被を着ていた人が何人かいたみたいだけれど、メンバー内では唯一法被を着ていた明徳の姿が某イッテなんとかのお祭り男みたいに見えて、このあと演奏中に明徳がPCの画面に映るたびにお祭り男みたいだと何度も吹き出していたことをここに白状します。
自分の言葉で観客やスタッフへの感謝の言葉を伝えた明徳に、観客からは温かい拍手が起こった。
そしてどうやら明徳は自分のMCが終わったタイミングでスタッフを呼んで法被を着ようと事前にプランニングしていた様子。
そのことを明徳から聞かされ、
「確かに普段からlynch.は会話がないです。でも、それは言わないかん俺に(笑)。それは言っとけよ(笑)。なに急に法被着たんだろうこの人と思った」
笑いながらツッコミを入れていた葉月と照れ笑いを浮かべていた明徳(笑)。
晁直、悠介、玲央もそれぞれ自分の言葉で観客へ感謝の言葉を伝えていた。
そして今度こそ演奏へ。
ライブハウス支援シングル『OVERCOME THE VIRUS』をリリースするために葉月が作った曲、"DON'T GIVE UP"。
本来の予定通りツアーが行われていれば生まれることはなかったかもしれない、言ってみればイレギュラー的に作られたはずのこの曲が今のlynch.のポテンシャルを1番象徴しているだと思う。
「東京!もう1曲いけますか?もう1曲いこうか!俺らの未来を一緒に歌ってくれますか?」
「歌ってくれ」ではなく「歌ってくれますか」というところが葉月らしい。
「全員で行こうぜ!あの場所へ!」
葉月がそう言って演奏された"THIRTEEN"。
「行こうぜ、あの場所へ!」曲中でもそう叫んでいた。
「サンキュー!」「どうもありがとう!」と葉月は何度も感謝の言葉を繰り返した。
止まない手拍子に三度ステージに現れたメンバー。
「みんなありがとうございます」と感謝を述べた葉月。
そこで葉月は高らかに告げた。
「2021年2月3日水曜日、日本武道館やりまーす!!!」
観客からは割れんばかりの拍手が沸き起こった。
両腕を高く突き上げたあと、脱力したように座り込む葉月。
ずっとずっと、lynch.が立ちたいと願い続けてきたステージ。
ついにlynch.の、メンバーにとってもファンにとっても念願だった、初の武道館ライブが決まった。
映像などで告知するのではなく「武道館が決まった」その言葉を葉月の口から直接聞けたことが何よりも嬉しかった。
「絶対に成功させるつもりでいます、つもりじゃない。絶対に成功させましょう、よろしくお願いします!」
「成功させましょう」という言葉がファンと一緒に武道館を成功させましょうというように聞こえて、葉月らしいと思った。
ここからの盛り上がりは最高潮だった。
"THE FATAL HOUR HAS COME"で感極まったのか、声を詰まらせた葉月。それをフォローするかのようにいつも以上に力強いシャウトを聴かせた明徳。バンドっていいなと思った瞬間だった。
声を詰まらせた葉月は初めて見たので驚いたけれど、その後はカメラに向かって武道館の告知フライヤーを見せたりといつもの調子。
間奏では葉月が「誰が好きなんだ教えてくれー!指さして指指指!」と観客それぞれの好きなメンバーを指さすように煽る。
ここで配信の画面が5分割になったのも良かった。
だけど観客それぞれがそれぞれに好きなメンバーを指さしているから当たり前だけれど、
「わからねー!!」と嬉しそうに大笑いした葉月。
指さすように言ったのはあなたですよ葉月さん(笑)。
それから「コメントを見ます」とiPadを見る葉月。自分たちのライブが配信されている映像とコメントをiPadで見ながらライブする人を初めて見ました!(笑)
その多幸感で満ちあふれた空気を激しく振り切るかのような"TIAMAT"。観客は明徳がTwitterで発言した新語「サイレントヘドバン」の嵐。悠介がエフェクターで妖しい音をかき鳴らす。
「どうもありがとう!」
高らかにそう叫んだ葉月はしばらく放心しているようにも見えた。
しばらく誰もステージから去ろうとしない、というか去っていいのかわからないといった感じでオロオロしているメンバーに気づいた葉月が「なにこの全員いる感じ!」と笑っていた。
「1個だけみんなに言わせてください。武道館のタイトル、"THE FATAL HOUR HAS COME"と言います。宿命の時が来ました!どうかお付き合いくださいよろしくお願いします!ありがとうございましたー!!」 (葉月)
「今日はありがとねホントに。風邪ひかないように気をつけて帰ってください。武道館で会いましょう。皆さん会えるのを楽しみにしてます。ありがとう」(悠介)
葉月からシメのあいさつを任された悠介の観客の体調を気遣う言葉が、悠介らしいと思った。
配信ライブの最後に映ったメンバーとスタッフの集合写真も良かった。
久々の観客の前でのライブということで、最新アルバム『ULTIMA』の曲が中心のセットリストになると予想していたけれど、フタを開けてみれば全然違っていた。
ガイドラインがあるとか、配信で見てるとかそんなの関係なく楽しかったし、メンバーも楽しんでいるのが画面越しでも伝わってきたし、この日のライブはベストアクトだった。
同時にlynch.は最強で最高の5人だと強く思った。
武道館の日程が2月3日と聞いて節分の日だと思ったけれども、どうやら来年の節分の日は2月2日らしい。
しかし節分とは本来は各季節ごとにあるもので、季節を分けることも意味している。
結成から15年以上、メジャーデビューから10年近く。2021年2月3日、lynch.がついに日本武道館のステージに立つ。
その2日目で発表されたのはこの10月25日の野音ライブだった。
正直なところ、野外だし配信も行うとはいうもののこの時期に観客を入れてライブを行うことに驚いたし、発表されてからもずっとライブが無事開催できるだろうかと当日まで冷や冷やしていた。
最後に私がlynch.のライブを観たのは改修前の渋谷公会堂だった。
9月の無観客配信ライブも見たけれど、配信とはいえlynch.のライブを見るのは5年ぶりくらいだった。
今年はツアーで実に9年ぶりくらいにlynch.が地元のライブハウスに来てくれる!待ってました!と喜び勇んで、チケットもFC先行で取ってあった。本当ならそこで5年ぶりにlynch.のライブを観れるはずだった。けれどCOVID-19流行の影響で残念だけどツアー自体が中止や延期となりそれは叶わなくなってしまった。
ステージが暗転し、だけど野外だからまだこの時期は開演時刻の17:00でもいくらか明るい。不思議な光景だなあなんて思っているうちにメンバーが登場しそれぞれの定位置につく。
「観客の前でライブができる日をずっと待っていた!」とばかりに感慨深そうに腰に手をあてお辞儀した玲央。
髪がずいぶん伸びていて、両サイドを残しつつ後ろ髪をひとつに束ねていてキュンときた。
今後玲央は髪をどこまで伸ばすんだろう。
配信の映像で見た限り客席には女性だけでなく男性の姿も多く見受けられた。
"OBVIOUS""EVOKE"など葉月の「聞こえてるからな!」 の言葉通り、声を出している人はいないはずなのに、それでも観客が歌う声が聞こえてきたのは、何も私がlynch.のライブを目にする機会が多かったから、それだけではないはず。
「東京!ようこそ処刑台へ!」
葉月のこの煽りから"GALLOWS"へなだれ込む。ライブではもうすっかりお馴染みのこのイントロ。
だけど収録されているアルバム『GALLOWS』がリリースされる直前、メディアで葉月が「背水の陣と思って作ったアルバム」そのように話していたことを思い出した。あのときはCDセールスやライブ動員をもっと伸ばしたい。葉月のそんな思いから出た発言だったと記憶している。
あのときとは状況は全く違うけれど、数々のガイドラインが存在するこのライブもある意味背水の陣のようなライブだと思った。
現にこの日のライブの観客は野音のキャパシティよりも少ない2000人ほどだったという。
しかしそんなことは全く感じない。むしろ前回の野音に引けを取らない、満員のようにさえ感じた。
「久しぶりだな下手の民!」
ステージ下手、悠介と明徳が定位置のこのあたりに陣取る観客のことを葉月は「下手の民」と呼ぶ。
"GREED"のアウトロや"CREATURE""FAITH""INVADER"などではスラップなど明徳のベースプレイが響き渡る。
以前は彼のベースは前に派手に出て暴れまくるのが特徴だった。
それがバンド復帰後、昨年から今年頭くらいまで控えめになってしまったように感じられて、もっと以前みたいに出るところは前に出ても良いのになあ。そう思っていた。
それがこの日はリズムをしっかりと支えながらも以前のように前に出るところは出たりと、メリハリがすごくきいていた。
「呼んで呼んで!心の中で!」
この日ならではの煽りで晁直を呼ぶ声を観客に求める葉月。
ライブでは晁直のドラムから始まる"MIRRORS"。
「どうやったらそんなに手をせわしなく動かせるんだろう?」
見るたびにそんな疑問が浮かぶ玲央と明徳のせわしない指遣いに対して、優雅な指遣いで、ただ激しいだけじゃない、曲に宝石のような輝きや彩りをつけていく悠介。
そう見えるだけで、本当は悠介もせわしない指遣いをしているのかもしれないけれど。
かと思えば配信用のカメラに向かって自分たちの配信ライブ映像が映ったiPadを大映しにし、ライブ中でもコメントを読んでいることをアピールする葉月。
そんなことする人初めて見たよ!(笑)
"UNTIL I DIE"からセットリストは少しずつミディアムナンバーが続くゾーンへと入っていった。
"an illusion"は悠介がメディアでよく「転機となった曲」と話している。
それまで彼はlynch.で自分の色を出すことに悩んでいたそうだけど、この曲でディレイなど自分の得意とするプレイを出せたことが悩みが吹っ切れるひとつのきっかけになったと話していた。
続けて演奏された"BE STRONG"は、それまでは葉月ひとりが全作詞作曲を手がけていたlynch.が初めて、葉月以外のメンバー、悠介が作曲した曲を採用した、lynch.にとって転機となった曲。
歌詞はPay money To my PainのKさんを思って書いたと葉月がメディアで話していた。
次に演奏されたのは"SORROW"。こちらも悠介の曲でテーマは喪失。
"BE STRONG""SORROW"と喪失がテーマの曲が続いたのは偶然だろうか必然だろうか。
───悲しい思いをさせてしまったね
もう二度とは離さないから
終わらない未来は此処にあるんだよ
信じて欲しい いつの日か 再び
煌めいて
(lynch.『SORROW』より引用)
今年はlynch.15周年のアニバーサリーイヤーで、本来なら大規模なライブツアーが組まれていた。
けれど世界的なCOVID-19流行の影響で中止や延期となってしまった。その中には私が行く予定だった地元のライブハウスももちろん含まれている。
もしかしたらその他にも、残念なことに公に発表する前に中止となってしまったライブも存在するのかもしれない。
話は逸れるけど私は「コロナ禍」という言葉を極力使いたくない。理由は「禍」という漢字はこれひとつで「わざわい」と読む不吉な漢字だから。私は言霊を信じる質なので、禍という漢字を使うことがさらに不吉なことを招くのではないかと懸念しているから。
lynch.の話に戻すと、予定していたライブができなくなってしまって申し訳ないという気持ちと、それでもライブができるようになるのを諦めない。そんな思いがこの歌詞にのせて伝わってきた。
少し前に葉月がメディアで「ライブがもう二度とできなくなるかもしれないなという頭がある」と話していたことを思い出した。
それから約5か月ほどが経った今。もうライブができなくなるかもしれない、一時期はそこまで考えていた葉月がこうして野音のステージに立ち観客の前で歌っている。その姿を見て、"SORROW"の歌詞がこれまで以上に胸に迫ってグッときた。
これまでのlynch.のライブは聴かせる曲のゾーンと暴れる曲のゾーンがはっきりと分かれすぎていると不満に思っていた。聴かせる曲が続きすぎてライブの流れがダレてしまうと感じていた。
しかしこの日はそんなことは全く感じなかった。
それはきっと観る側も演る側も久々のライブだったからという理由だけではないはず。
またこの日は、これまで良い意味でCD音源に近いサウンドをライブでも聴かせていたlynch.が、ライブならではのアレンジで曲を聴かせていたのも印象的だった。
「聞かせてくれ東京!なんかすげぇ天気良いからもっと暑いのかと思ったけどけっこう寒いよね?袖ないしね俺(笑)」
葉月ならではの自由でフランクなMC。葉月の煽りやMCには飾らない言葉を使う彼らしさがある。
「歌もの続いちゃったんでしょうがないですけど、こっからは皆さんの大好きな暴れる曲が続きますから!」
ここからは葉月の言葉通り暴れる曲が立て続けに披露された。
「生きてて良かっただろー!」
「歌うから聴いててくれよー!」
"PLEDGE"で葉月は歌詞をこう変えて力強く歌っていた。
こんなに力強く感じたメッセージはない。
そして葉月のまるで内臓を吐き出してしまうんじゃないかと思ったほど低く轟くガテラル。
「みんな久しぶりだからさ、メンバーの名前忘れちゃったんじゃないの?
教えてあげようか?
オンドラムス・晁直!
オンギター・悠介!
オンギター&リーダー・玲央!
そしてボーカル葉月ですよろしくお願いします!
よっしゃ全員で飛ばしていこうかー!」
いやいや、ひとり紹介忘れてる!と言わんばかりに笑いながら葉月を指さし前に出てくる明徳。
「ちょっと入ってくるの遅いよ遅い、リハビリが必要です」と葉月にダメ出しされる明徳(笑)。
そんな明徳の背中を叩く玲央も、当の明徳も、そして葉月も笑顔全開で、久しぶりに見るこの光景に微笑ましくなった。
「さあ紹介しましょう、野音童貞今夜卒業!オンベース・明徳!」
"INVADER"で明徳のスラップが炸裂する。
玲央と明徳が向き合って弾いているのを見るのも、もう全てが久しぶりで尊い。
このあたりからメンバー全員の目がキラキラ輝いているように見えた。
「上手、いつもだったら声が割れんばかりに玲央さんの名前を呼んでるところだと思いますけど、今日は声出せないから僕が代わりに呼びます。
玲央!玲央ー!」
突然の葉月からのメンバーコールにイヤイヤとばかりに手を顔の前で振る玲央(笑)。
────ピンポンパンポン
この先、そのまま載せるにはヒドく卑猥でドイヒーな発言があるためところどころ伏せ字になることをご了承ください。
「前回野音の時もう何言ってたか覚えてないんですけど、なんか多分変なこと言ってたんだろうなと思います。
外ですから、この東京の日比谷の街の不特定多数の人に聞かれてることを、心に、肝に銘じて言葉に気をつけながら慎重に、慎重にデリケートにデリケートに話したいと思います。
約2000人の皆さん、青◯したことありますかー!?」
葉月の舌の根の乾かぬうちにその問いかけに多くの手が上がった。
「あるんですかそうですか(笑)。じゃあもう手慣れたもんですね。
日比谷の全員に聴こえるような音で僕たち5人とセッ◯スしませんかー!?
セ◯クスしますよ皆さーん!」
こう煽ったあとで「…今年もやってしまった」と顔を手で覆い隠した葉月。
さてはあなた、前回の野音で何て言ったか覚えていましたね? 確信犯ですね?
「全員で、配信のやつらも全員で、セッ◯スしようぜー!」
………ええと、初めてlynch.のライブレポを読んで驚かれた皆さん。"pulse_"という曲前の煽りはいつもだいたいこんな感じです。
このあと曲中では観客が「ヤリたいヤリたい」と声を上げるパートがあります。
しかしこの日はもちろん観客は声を出せないので葉月は「心の中で念じてください」と煽りその後「なぜか聞こえた気がする」と笑っていました。
しかも前回野音でライブ演った時も青◯って言っていました。
ちなみにその前回の野音はライブDVD&ブルーレイ化されています。伏せ字にしたところももちろんばっちり入っています。もちろんピー音なしで。
「いつもだったら声聞かせてもらっていいですかって言うんだけど、拍手聞かせてもらっていいですか!?」
「こんな大変な状況の中、ちょっと変わったルールでのライブになっちゃったけど、本っっ当に最高のライブでしたありがとう!」
「もう1曲聴いてもらえますか?聴く?いや違う、もう1曲ブチ暴れてくれますか!?」
これらのMCに続いて演奏された"LIGHTNING"で葉月は曲中にこう叫んだ。
「今日この夜がみんなの希望になったら最高です!行こうぜ、未来へ!」
───そう 激しく求めるほどに未来は輝くから
明日を変えたけりゃ今しかないよ
夜明けは待つものじゃない
(lynch.『LIGHTNING』より引用)
この歌詞にも心揺さぶられた。
ライブはまさに演る側と観る側の求め合い。
“夜明けは待つものじゃない”と、ライブができる未来を求めて、手探りでもlynch.は歩き出した。
本編ラストの"from the end"に入る前に「ここで喋る予定なかったんですけど」と前置きして葉月は話し出した。
「声出したくもなるでしょうこんな楽しければね。
だけど、良い意味でみんなの声は曲の間聞こえてませんでした。どうもありがとう」
観客から大きな拍手が起こった。
葉月のこの飾らない人柄が滲み出ているMCもlynch.のライブの魅力のひとつだと思う。
止まない手拍子の中、メンバーが再びステージに現れた。
「皆さん、ありがとうございました。素晴らしいライブでしたありがとうございます」
「なんとしてもやりようはあるわけです。
だって今日みんな声出せなくても楽しかったでしょ?」
「"LIGHTNING"もさ、自分で刺さりました。
8年前ということは30歳の僕が書いた歌詞ですね。
30歳に38歳が励まされましたね。
皆さんの人生においてlynch.の歌詞もそうだし曲もそうだしこのライブもそうだし。
この存在が皆さんの人生にとってこれから光になっていけばいいなと思いますし、
その光であり続けるために僕らも頑張りますんで。今日はありがとうございました」
葉月がこれらの感謝の言葉を伝えると観客からは大きな拍手が起こった。
しかし曲にいこうとしたタイミングでいきなりピンクの法被を羽織った明徳。
それに気づいた葉月が、
「え!?なになになに!?ちょ、ちょっとごめんなさい。なにこのタイミング!?ウソでしょ!?」
と、すでに演奏に入ろうとしていた他のメンバーを止める羽目に(笑)。
「どうしようと思って(笑)。やっべ、始まると思って(笑)」と言う明徳に対し「始まるだろうよ」と冷静にツッコむ葉月(笑)。
このまるで兄弟漫才みたいなやりとりも久々で尊い。
喋りたかったという明徳の希望でメンバー全員がここでMCをすることに。苦笑する晁直、無になる悠介。
終演後、明徳は自身のTwitterに「なんか別の穴空けてまった気がする」と書いていたけれど、私としては久々の観客の前でのライブということもあって、メンバー全員の声が聞きたかったからむしろグッジョブ。
というのも、前回の野音はわけあって明徳はいなかったため、5人での野音のステージはこの日が初めてだった。
明徳が着たピンクの法被はその前回の野音の時に販売されたグッズ。
葉月によると観客の中にはこの時の法被を着ていた人が何人かいたみたいだけれど、メンバー内では唯一法被を着ていた明徳の姿が某イッテなんとかのお祭り男みたいに見えて、このあと演奏中に明徳がPCの画面に映るたびにお祭り男みたいだと何度も吹き出していたことをここに白状します。
自分の言葉で観客やスタッフへの感謝の言葉を伝えた明徳に、観客からは温かい拍手が起こった。
そしてどうやら明徳は自分のMCが終わったタイミングでスタッフを呼んで法被を着ようと事前にプランニングしていた様子。
そのことを明徳から聞かされ、
「確かに普段からlynch.は会話がないです。でも、それは言わないかん俺に(笑)。それは言っとけよ(笑)。なに急に法被着たんだろうこの人と思った」
笑いながらツッコミを入れていた葉月と照れ笑いを浮かべていた明徳(笑)。
晁直、悠介、玲央もそれぞれ自分の言葉で観客へ感謝の言葉を伝えていた。
そして今度こそ演奏へ。
ライブハウス支援シングル『OVERCOME THE VIRUS』をリリースするために葉月が作った曲、"DON'T GIVE UP"。
本来の予定通りツアーが行われていれば生まれることはなかったかもしれない、言ってみればイレギュラー的に作られたはずのこの曲が今のlynch.のポテンシャルを1番象徴しているだと思う。
「東京!もう1曲いけますか?もう1曲いこうか!俺らの未来を一緒に歌ってくれますか?」
「歌ってくれ」ではなく「歌ってくれますか」というところが葉月らしい。
「全員で行こうぜ!あの場所へ!」
葉月がそう言って演奏された"THIRTEEN"。
「行こうぜ、あの場所へ!」曲中でもそう叫んでいた。
「サンキュー!」「どうもありがとう!」と葉月は何度も感謝の言葉を繰り返した。
止まない手拍子に三度ステージに現れたメンバー。
「みんなありがとうございます」と感謝を述べた葉月。
そこで葉月は高らかに告げた。
「2021年2月3日水曜日、日本武道館やりまーす!!!」
観客からは割れんばかりの拍手が沸き起こった。
両腕を高く突き上げたあと、脱力したように座り込む葉月。
ずっとずっと、lynch.が立ちたいと願い続けてきたステージ。
ついにlynch.の、メンバーにとってもファンにとっても念願だった、初の武道館ライブが決まった。
映像などで告知するのではなく「武道館が決まった」その言葉を葉月の口から直接聞けたことが何よりも嬉しかった。
「絶対に成功させるつもりでいます、つもりじゃない。絶対に成功させましょう、よろしくお願いします!」
「成功させましょう」という言葉がファンと一緒に武道館を成功させましょうというように聞こえて、葉月らしいと思った。
ここからの盛り上がりは最高潮だった。
"THE FATAL HOUR HAS COME"で感極まったのか、声を詰まらせた葉月。それをフォローするかのようにいつも以上に力強いシャウトを聴かせた明徳。バンドっていいなと思った瞬間だった。
声を詰まらせた葉月は初めて見たので驚いたけれど、その後はカメラに向かって武道館の告知フライヤーを見せたりといつもの調子。
間奏では葉月が「誰が好きなんだ教えてくれー!指さして指指指!」と観客それぞれの好きなメンバーを指さすように煽る。
ここで配信の画面が5分割になったのも良かった。
だけど観客それぞれがそれぞれに好きなメンバーを指さしているから当たり前だけれど、
「わからねー!!」と嬉しそうに大笑いした葉月。
指さすように言ったのはあなたですよ葉月さん(笑)。
それから「コメントを見ます」とiPadを見る葉月。自分たちのライブが配信されている映像とコメントをiPadで見ながらライブする人を初めて見ました!(笑)
その多幸感で満ちあふれた空気を激しく振り切るかのような"TIAMAT"。観客は明徳がTwitterで発言した新語「サイレントヘドバン」の嵐。悠介がエフェクターで妖しい音をかき鳴らす。
「どうもありがとう!」
高らかにそう叫んだ葉月はしばらく放心しているようにも見えた。
しばらく誰もステージから去ろうとしない、というか去っていいのかわからないといった感じでオロオロしているメンバーに気づいた葉月が「なにこの全員いる感じ!」と笑っていた。
「1個だけみんなに言わせてください。武道館のタイトル、"THE FATAL HOUR HAS COME"と言います。宿命の時が来ました!どうかお付き合いくださいよろしくお願いします!ありがとうございましたー!!」 (葉月)
「今日はありがとねホントに。風邪ひかないように気をつけて帰ってください。武道館で会いましょう。皆さん会えるのを楽しみにしてます。ありがとう」(悠介)
葉月からシメのあいさつを任された悠介の観客の体調を気遣う言葉が、悠介らしいと思った。
配信ライブの最後に映ったメンバーとスタッフの集合写真も良かった。
久々の観客の前でのライブということで、最新アルバム『ULTIMA』の曲が中心のセットリストになると予想していたけれど、フタを開けてみれば全然違っていた。
ガイドラインがあるとか、配信で見てるとかそんなの関係なく楽しかったし、メンバーも楽しんでいるのが画面越しでも伝わってきたし、この日のライブはベストアクトだった。
同時にlynch.は最強で最高の5人だと強く思った。
武道館の日程が2月3日と聞いて節分の日だと思ったけれども、どうやら来年の節分の日は2月2日らしい。
しかし節分とは本来は各季節ごとにあるもので、季節を分けることも意味している。
結成から15年以上、メジャーデビューから10年近く。2021年2月3日、lynch.がついに日本武道館のステージに立つ。
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