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俺のラジオデイズ。Eddie Van Halenとエアギター

こんばんは渋谷陽一です。You Really Got Meの衝撃

こんばんは、渋谷陽一です

ジャラララ ジャラララ ・・・・・ ガール・ユー・リアリー・ガット・ミー

40年以上前(調べるとVan Halenのデビューが1978年であるから42年前だと思う)のNHK-FMの21時の土、日の21時から1時間放送(土、日連続でFM放送1時間で最新の洋楽を放送するなんて当時としては奇跡的番組だ)のヤングジョッキー。その冬の放送だったと思う。
2分38秒(CDの演奏時間を調べた)と当時のハードロックとしては短い「You Really Got Me」に腰を抜かした。
なにもかも完璧なハードロック。これが俺のVan Halenとの出会いである。記憶では、この日の放送では、Van Halenの曲はこの1曲だけだったと思う。渋谷さんの解説は新人バンドということいがいは記憶にない(はっきりいうと、当時は何か解説をされてもさっぱりわからないし、すべてのバンド、ナンバーがはじめてという状態)。
「You Really Got Me」が、The Kinksのカバーであることは教えてくださったのであろうが。そもそもThe Kinks????である・・・そんなバンド知らないよ・・・

あまりの衝撃に、次の日、行きつけのレコード屋に走ったものの、なにせ、写真も観たことないし、曲名もガット・ミーしか覚えてないし、俺も上手く説明できないし、演歌と歌謡曲とビートルズぐらしかしらないレコード屋のおばちゃんもチンプンカンプン。探してみたが、クイーン、キッス、ビートルズぐらいしかわからないので、発見できなかった。ま、古臭い話だが、当時はアルバム=LPレコードは必ず宣伝の帯が日本語で書かれていて、シングルは大抵、バンド名も曲名も日本語。当時は、レコード屋には何時間いても楽しかったので、数時間かけて、全てのレコードをチェックっしたが、発見できず。

XXXガット・ミーという曲名とヴァンXXXというバンド名は、謎のままだったが、ギターとAh~Ahという高音のシャウトは、忘れなかった。その後、この反省をもとに、俺はヤングジョッキーの録音をすることにしたが、60分という放送が実に中途半端で、切れ目なく録音するためには120分カセットTAPEを買うしかないのだが、これがまた売っていないのである。だいたいアルバム1枚45分なので、90分カセットは、2枚のアルバムを録音できるから、品数も豊富なんだけど・・・その後、FM雑誌を買って、曲目を全部チェックすることにした。膨大にカセットはたまったが、進学で上京するときに実家に置いたまま出てきたので、行方不明である。1980年から買って、ため込んでいたロッキング・オンも消えた・・・
(アルバムのA面、B面をそれぞれ録音できるカセットTAPEとして主流の90分の半分の45分というのが、いつのまにか46分になっていたのかは今考えると不思議に思えるが、理由はわからない)
なかなか120分カセットTAPEを手に入れることが出来ず、ヤングジョッキーで(多分)直後に放送されたハードロックベスト20の1位でかけられたLed Zeppelinの「Achilles Last Stand」=邦題「アキレス最後の戦い」は最後まで録音できなかった。だいたい、曲名を「Achilles Last Stand」と紹介するから、それが邦題の「アキレス最後の戦い」の原曲名と理解できなかったんだよ。中坊で(今でもなんだが)英語がよくわからない俺は。結局、「アキレス最後の戦い」を探しまくることになって、Led Zeppelinのアルバムを全部揃えてしまって、最後の最後に買った『Presence』で「Achilles Last Stand」に出会った俺は、熱烈なLed Zeppelinとアントニオ猪木信者になり、未だに好きなバンドはという類のアンケート(例えば、ロッキング・オンのアンケートハガキ)の最初に、Led Zeppelinと英語で書くのである。英語だぞ。まいったか。
邦題で紹介してくだいさいよ渋谷さん、幼気な中学生で英語わかんないんですよ。邦題で頼みます・・・(でも、今、邦題ってないよな・・・)

1978年は俺が本格的に田舎のロック少年になった年である。1978年は時デビシル(David Sylvian)のJAPANとStingのThe Policeがデビューした年である。振り返れば、Led Zeppelinの「Achilles Last Stand」でLed Zeppelinを知り、JAPANとThe PoliceJeとの出会いで、俺はロックに関しては、精神年齢は未だ1978年で止まったままである(デビシル、引退したらしいじゃないか・・・チャリティソングの作詞なんて、自身らしくないことしてるから、隠遁したんだな。永遠のモラトリアム少年で、根暗な性格がデビシルらしい。でもやっとクワイエット・ライフがきたんだね。ここで反応した皆さんはJAPAN聴いてましたね(笑))。その証拠に、現在でも日曜日の17時には、すべての雑音を遮り、ワールドロックナウを必死に聴いているのである。きっと俺と同じロックファンが全国に数百万はいると俺は確信している。がんばれワールドロックナウ。

話をもどすが、数か月後、俺は、JAPANのデビューアルバムを買いに行った。『果てしなき反抗』=『Adolescent Sex 』。しかし、凄い邦題だ。デビシルはとにかくとにかく美しくて、女の子が騒いでいたので、男の俺が買うのは恥ずかしくて、大きなレコード屋の前を人気がなくなるまでウロウロして速攻でレジに持って行った。買って出ようとした瞬間に流れたのである。

ジャラララ ジャラララ ・・・・・ ガール・ユー・リアリー・ガット・ミー
臆病者の優等生の当時の俺もロックに関しては大胆なのである。
引き返して、どや顔して、レコード屋のレジ打ちの兄ちゃん(今でも顔を覚えている)に、
【初めて聴いたんですけど、今かかっているのはかっこいいですね、何の曲ですか?】と聞いた(ひよっこの峯田さんの宗男オジサン風のイントネーション)。
【あ~これ、Van Halenの「You Really Got Me」だよ】この兄ちゃんは神に見えた。どのレコードなのか教えてもらった。翌月のお小遣いがでてすぐに買いに行った。
『炎の導火線』 = Van Halen(繰り返すが、凄い邦題だ)
最高だった。オープニングの「悪魔のハイウェイ 」=「Runnin' with the Devil」 、次の曲は、ご存知、「暗闇の爆撃 」=「Eruption」 、そこからの「You Really Got Me 」

こんな完璧なハードロックデビューアルバムはない。最高だ。オヤジが念願のマイホームを手に入れ、受験勉強するという条件付きで、自分の部屋とステレオセットを与えられた俺は、格子の天井にぶら下がった丸い和式の蛍光灯の紐の長さが、測ったように、口元にぴったりだったので、それをマイクに見立て、ギターのかわりにホウキを手に持ち、受験勉強をしているふりをして、アルバムのA面を口パク、エアギターで音にあわせて、延々と演奏している気分になっていた。「Eruption」は、「闘牛士」をテレビで演奏し、のけ反ってギターソロを弾くCharのごとく、目を閉じてのけ反り、「You Really Got Me 」 のイントロで、ニヤッと笑い、同じリズムで右手を動かすのである。

今まで一切ギターも弾いたことがなく、買ったこともなく、コードも全く知らないが、あの瞬間、俺は写真でしか観たことがない、Eddie Van Halenに完全に成りきっていた。当然ライトハンド奏法なんてしらないから、左手を適当に動かしていた。
『炎の導火線』 = Van Halenのレコードジャケットは、ビートルズのレット・イット・ビーのレコードジャケットの構図と、Led Zeppelinのロバート・プラントをパロッたDavid Lee Rothの佇まいは最高である。

Eddie Van Halenが亡くなった。哀しい。本当に悲しい。

ジョン・レノン、フレディ・マーキュリー、デヴィッド・ボウイ、プリンスの死はショックだった。が、Eddie Van Halenの逝去は、そんな過去を思い出させてしまう悲しさだ。年齢的には、プリンスのほうがEddie Van Halenより年下なんだけど。

なぜかというと前述のJAPAN、The PoliceとVan Halenはデビューから解散までリアルタイムでアルバムを買いつづけたバンドだからだ。

聴きこんだという意味では、Van Halenは、前述の4人の偉大なミュージシャンと比較すると多くはない。実際、サミー・ヘイガー時代のファンには大変申し訳ないが、サミー・ヘイガー時代には、一応アルバムは聴いていたが、それほど入れ込んではいない。もっというと『1984』は別にして、アルバム『ダイヴァー・ダウン』からは聴き込んだとは言えない。

俺は、クイーンの【ノー・シンセサイザー】というクレジットが高尚に思えて、クイーンが『ザ・ゲーム』で、シンセサイザーを取り入れたとき、クイーンのファンはやーめたと思ったようないい加減なファンなのだ。クラフトワークは大好きで、音楽文の投稿にも書いてみたし、シンセサイザーが嫌いといのは、大いに矛盾なんだけど・・・
『1984』を最初聴いたとき、Van Halenが大幅にシンセサイザーを導入したので正直終わったと思った。

が、「JUMP」は、あれほどPOPな曲なのに、妙に興奮したのである。David Lee Rothのエンターテイナーを前面に押し出したナンバーだと思ったのだが、あの繰り返されるリフの魔力はなんなのだろう。POPさに反比例するように、狂暴になるのである。
マイケル・ジャクソンの『スリラー』は何とも言えないが、ビート・イットだけは、特別である。なぜなら、ギターソロがEddie Van Halen。Eddieのギターだと一聴してわかる。Eddieのギターってすごく金属的なのだが、絶妙なエコーでキンキンと頭が痛くはならない。あの音色はまさにEddieの音だ

Eddie Van Halenの逝去のニュースで、俺は、サミー・ヘイガー時代の、『Live:Right Here, Right Now』を聴いた。David Lee Rothに比較して、サミー・ヘイガーは非常に上手いアメリカンハードロックの正統的なボーカリストでありすぎて、ジョークのセンスがなくて、面白くないと思っていたから多分2、3回しか聴いていなかった。が、このニュースで改めて聴きなおした。ボーカルはサミー・ヘイガーであるが、その音はEddieのものであり、スタジオ盤に比較して長めのEddieのソロ、音色、そして気分を暴力的にするリフは何もかわらない。もっというと、サミー・ヘイガーのPOPなメロディセンスでEddieのギターの凄みがより際立っているようなきもする。今まで気が付かなかったよ。ごめんなさいサミー・ヘイガー、そしてEddie。

Van Halenはパンクのあとに、オールドウェイブと言われたハードロックで登場した。時代錯誤で完全に不利である。実際、同時代、先輩格のクイーン、エアロスミス、キッスが低迷時期も経験し、ディスコにもHIPHOPなどに挑戦していたが、Van Halenは売れ続けた。決してナンバー1ではなかったと思うが、常にハードロックというスタイルでぶれることなかったことにVan Halen、Eddieの偉大さを改めて認識した。

Van Halenは音楽性を高く評価されたことはなかったが、アルバムはヒットし続けた。なぜだろう。Eddieの超絶ギターテクニック?違う。Eddieは長いソロは弾かない。驚くほど、ギターソロは短い。Eddieが長いソロを弾けば、それは、一定のヒットはしたろうが、これほどビックなバンドにはならなかった。それにEddieほどのテクニックがあれば、ジェフ・ベックのように、ギターインストアルバムも超絶な名盤だったはずだ。

が、Eddieはそれをしなかった。バンドのギタリストだった。

Van Halenは、アルバムを聴きなおせば聴きなおすほど、そのメロディは非常にPOPである。コーラスも多用する。一聴すればボーカルのグループである。ステージでは、Eddieのソロは堪能できるが、アルバムでそのテクニックを誇張はしていない

じゃ何を聴いていたんだ俺は。

Led Zeppelinはブルースから出発したグループだ。最強の名盤『Presence』のラストは、最高のブルースの「Tea for One」である。ジミー・ペイジ、Led Zeppelinであれば、このアルバムのラストはブルースである必要もなかったと思うのだが、ブルースにした。
最強の(適切な表現ではないが)メタリックな確信の音の塊である「Achilles Last Stand」がオープニングで最後はブルースである。なぜか?Led Zeppelinはブルースを徹底的に解体し、ブルースに心酔するのではなく、それを解体、進化させ、Led Zeppelinという唯一無二のスタイル、音楽性を獲得した。

Eddieは、ハードロックというスタイルを選択した。しかし、それは、ハードロックでありながら、ハードロックではなかったのではないだろうか?徹底的に、ハードロックを対象化し、俯瞰して、解体したのではないだろうか?Led Zeppelin、ジミー・ペイジがブルースを解体したように。

Led Zeppelin、King Crimson(急に出てきちゃうけど)は、初期の情緒性を後期に排除していくが、Eddieはデビューから情緒性とは無縁だった。だからこそ、Eddieのギターソロは陶酔型ではなかったし、POPなメロディとハードな音に無関係に、割って入るように、ギターをギューンと鳴らしたのだと思う。ハードロックという暴力的な表現を俯瞰していたからこそ、Eddieのギターは誰よりも暴力的だったのだ。

余談だが、先日ロバート・プラントが選ぶLed Zeppelinの9曲というのがニュースになった。これには驚いた、「All My Love」は個人的な傷があるから選んだんだろうが、そこは外して、「Trampled Under Foot 」にしてもらえれば、完璧だったと思う。プロデューサーのジミー・ペイジなら、「Stairway to Heaven」を絶対いれたろうけど、選曲しなかったのは感心した。それはまた後日機会があれば書いてみたいし、だれか読んでください。

Eddieありがとう。安らかに。
偉そうなこと書いたけど、結局、俺は「悪魔のハイウェイ 」=「Runnin' with the Devil」 、次の曲は、ご存知、「暗闇の爆撃 」=「Eruption」 、そこからの「You Really Got Me 」を明日、大音量で、エアギターをやるよ。
ロッキング・オンのVan Halen特集の前に書き上げたけど、どうだろう。的外れかな(了)
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