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あの日の続きと贈り物

BUMP OF CHICKENライブ映像作品"aurora ark"を観て

ライブ映像作品「BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark TOKYO DOME」が手元に届いた。特別な贈り物のような、あるいは親しい友の、旅先からの土産のような姿をして。

この映像作品の正式な発売日自体は、ぴったりこの公演の1年後だ。1年。映像化を待ち望んでいたから長かったけど、気がつけばあっという間だった。1年。もうそんなに経っちゃったんだなぁ。
とても幸運にも、私はこの公演を実際に観られている。観た、というより、全身に浴びまくったという方が正しいかもしれない。
でも、正直中身のことはほとんど覚えていない。よく覚えているのは、なかなか会場でしか会えない遠方の友人達と再会しておしゃべりしたこととか、早めにトイレ行っておかなきゃとかなんとかで変にテンパっていて、友人に落ち着けと言われたこととか、席に着いて野球に詳しい友人にホームランの話を聞いたこととか、アリーナ煙ってるねーなんだろうねーって言ったこととか。
あとは、曲の合間にこんなことおっしゃってたなぁとか、なんとなーく覚えているものの、肝心の本編はほとんどすぽんと抜けている。歌詞変えとかアレンジとか、本当に断片的にしか残っていない。ずーっと大事に持っているのは、楽しかったなぁしあわせだったなぁというあったかい気持ちだけ。
これは、流れた時間の長さにはあんまり関係ない。3日後くらいでも大体こうで、何かのきっかけでぽんと思い出したりすることもある。
だけどというべきか、だからというべきか、私にとってのライブ映像作品は、記憶の補完や答え合わせの意味合いは薄い。新しくもう一度吸収し直す感じなのである。

贈り物が届いて数日。なんとか自分の時間を確保して、記録であり、記憶でもある映像を再生した。
まだ発売して間もないため、内容についての詳しい話は差し控えようと思うが、端的に言えばとても素晴らしかった。
届けられた音楽はもちろんだけれど、巨大なモニター、そこにいるひとりひとりの光、照明機材などによる、うつくしい景色があった。
何より、全編通して見えた、BUMP OF CHICKENの4人の本当に本当に楽しそうな顔。私は一番にそれが見たくて、映像作品を買っている気がする。
とにかく、自分の記憶と重なるところにも、新しく見えたところにも、このバンドへの大好き!!がぎゅっと詰まっている作品だ。ライブそのものに、そして映像化にあたり携わったすべての方に、心からのありがとうを伝えたい。届くといいな。

さて、ツアー"aurora ark"が始まるときに、ヴォーカルの藤原さんから、「同じ憧れを観に行く」というお話があったと思う。
それを踏まえて、本作品を観て再認識したことがある。私にとってのBUMP OF CHICKENの音楽は、「どこかへ連れて行ってくれるものではない」ということだ。
これはちっともネガティブな話じゃない。どこへ行くのか決めるのも、歩いていくのも自分で、その途中でこぼしたり、どこかへ追いやった想いを一番近くですくい上げてくれる。すくってもらったものに自分が気がつくことで、もう何度、助けられたか分からない。

ツアー"aurora ark"東京ドーム公演から1年。
そういえば、「何のツアーのどこそこ公演から何年」という、記念日みたいなものが少しずつ増えている。私の、決して小さくない幸せの足跡だ。毎日うまくいかないことばかりだけれど、いくつかの宝石みたいな時間、その続きを、彼らの音楽と一緒に歩いている。歩いてこられている。
願わくばこの先、その宝石が、いとおしいささやかな記念日が、覚えきれないほど増えてくれますように。
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