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恐れを超えて挑戦し続ける人たち

THE YELLOW MONKEY 東京ドーム公演に寄せて

2020年11月3日私は東京ドームに居た。
THE YELLOW MONKEYの公演を観るために。

コロナ禍の中、おそらく世界で初めての大人数の観客を入れての公演をすると彼らが決めたと発表した時、私は「彼らがそう決めたのなら私は会いたいから行く」と決めた。自己責任で。

幸い一緒に暮らす家族はなく、仕事も休暇を取ることにした。それを差し引いても以前の自分だったら周りの人たちや家族にわざわざ要らぬ説明をしたことだろう。
「こんな時に自分の楽しみのためにそんな所に行くなんて」という自分の中にちょっとだけある罪悪感を打ち消すために。

3年前にTHE YELLOW MONKEYの東京ドーム公演に生まれて初めて彼らの演奏を聴きに行った時は公演の1週間前に急に妹が手術をすることになった。

再集結した彼らに出会い、当時人生でどん底だっ私は再スタートを始めた彼らの姿に大いに励まされてファンになった。自分で少しでも新しい1歩を歩くことができてから会いに行こうと決めていた。

やっとの思いで決めていたことだった。けれど揺らいだ。妹が心配だったが何より「入院中の妹を置いて行くなんて」という負い目があった。

結果は悪性ではなく手術も成功して数日で退院可能であり付き添いも必要なかったため「自分の好きなことを楽しむために何の遠慮がいるんだ」と言葉は肯定的だが実はたっぷりの罪悪感と恐れを纏ったとても力の入った決断をして臨んだ。

その時に初めて目にしたTHE YELLOW MONKEY。吉井さんはとても緊張して見えた。あの時に一度終わらせた事に対するファンへの罪悪感をとても感じた。
一度壊したものをまた始めることの怖さ。すごく怖かっただろう。自分を長いこと責め続けたがそれでもやると決めた人の姿がそこにあった。 

私は昔からのファンではなかったがそんな気持ちでもそこに立ちたい立とうと決めた彼の姿に胸を打たれた。

あれから3年。再びの東京ドーム。
いつもと違う雰囲気。
メンバーはじめスタッフの方々が並々ならぬ覚悟で臨んでいることは公演前のスタッフの石坂さんによる最初のお話にもあったが何よりも肌で感じた。

そこには覚悟を決めて粛々と各自の仕事をするチームが居て、参加する私達も同じ気持ちだったのではないか。
「この公演を成功させたい」。
会場の一体感がとにかく凄かった。

ステージに上がったTHE YELLOW MONKEYの姿を観て音を感じたあの瞬間。体も心も震えて涙が止まらなかった。

「いやもう何も細かいこと言わなくていいや。今夜俺たちも思いっきり楽しもうと思います。最高の夜にしたいと思います!」柔らかな笑顔で吉井さんはそう言った。

怖くても自分の大事なものを無くさないために全てを引き受けた人の姿がそこにはあった。

一人で背負わないで周りを信頼して他人の手を借りることができる本当の意味で自立している人が居た。

実際に接した訳ではないが隠しきれない彼ら4人の正直さが私はとても好きだ。

後の横浜アリーナの配信を観るとあの時いかに緊張していたか分かったが今やれる事を目一杯やるぞという4人の強い覚悟が見えた。

最大限にやることやったら後は自分の力だけではどうにもならないと私はこの3年で思うようになった。
それが最高の形になったものを目の前で見せてもらった。
信頼と愛ある場を画面の向こうの方々も含めて皆で創った一夜だった。

声が出せないから身体中で思いを表現して伝えたいと感じた貴重な体験をしたあの温かくて美しい一夜を一生忘れない。

たっぷりの勇気と感動で自分を満タンにした私は3年前に自分を知るために始めた心理の勉強で長いことできなかったことを信頼する人の手を借りてやり遂げた。また一つ自分らしさを取り戻した。

それから今回の件でライブ終わりの仲間たちとの語らいが自分にとってどんなにか大事なものかしみじみ感じている。今回は自粛したけれど、またいつの日かみんなで飽くことなく今観てきたこと語らい合う時を持ちたい。

今回の公演をきっかけに少しずつエンタメ業界の活気が戻ってくることを心から願っています。私たちの生活から心の栄養である感動の場を無くすことはできない。

あれから2週間。感染していなかったことを確認した上でこの文を投稿しました。
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